県議会質問

2015年7月

第6款:「本県の漁業取締対策について」

 本県の漁業取締体制ならびに漁業取締り強化について質問致します。

 本県を取り囲む海は、北は筑前海、東は豊前海、南は有明海と、3つの海区があります。この3つの海区は、いずれも良好な漁場でもあり、本県県民の食を支えてきた豊かな海であります。

 これらの豊かな漁場からは、魚介類の水揚げはもとより、ノリ、カキなどの養殖業も盛んであり、魚食を通じ、私たちに良質なタンパク源を与えてくれる、まさに恵みの海であります。

 こうした良好な漁場を守るため、本県としても、漁業者とともに漁業資源の管理、種苗の放流、漁場保全の取組みなど、水産資源の確保に努めているところであります。

 このように、漁場の生産力を高め、漁獲を安定し、漁業者の収益を高めるため、本県として水産行政の推進に務めているところであります。

 そして、こうした水産行政を推進するうえで大切なのが、水産資源の保護であります。なかでも、密漁取り締まりは、本県水産行政の重要な対策と考えます。

 今日、本県は、筑前海区に「しんぷう」、「つくし」、「げんかい」、有明海区に「ありあけ」、豊前海区に「ぶぜん」の漁業取締船や調査取締船を配備しています。

 そこで、あらかじめ「本県の取締船要目」ならびに「取締船の活動状況および漁業権侵害の検挙件数」について資料要求しておりますので、委員長のお取り計らいをお願い致します。

[問1]
 それではまず、この資料について、簡潔にご説明ください。

漁業管理課:川嵜課長答弁
 本県には漁業取り締まりのため、筑前海に3隻、有明海、豊前海に各1隻、計5隻の船舶を配備している。
 取締船の要目については、総トン数は「ありあけ」の7・9トンから、「げんかい」の119トンまで、それぞれの海区の波の高さなどの特性に合わせた大きさの船舶を配置している。
 「げんかい」を除く4船は巡航速度30ノット、約時速60km以上と高速で航行することが出来る。
 取締船の活動状況については、5隻の取締船で年間延べ500日の漁業取締を行っている。
 次に、本県における漁業取締違反検挙件数については、海上保安庁、福岡県警、本県取締船の合計件数で、平成26年度は29件であった。このうち、本県の取締船による件数は6件であった。
 また、始動件数は、本県の取締船によるもので、平成26年度は31件であった。


 ありがとうございます。それでは質問に移らせて頂きます。

[問2]
 では、取り締まりを行う人的な体制はどうなっているのか、お尋ねします。

漁業管理課:川嵜課長答弁
 漁業関係法令遵守のため、立入検査等の権限等をもつ漁業監督吏員を、取締船の乗員を含め、水産局全体で41名を配置し、さらに、この中から、刑事訴訟法の規定により捜査権等を持つ司法警察員を、同様に34名配置している。


[問3]
 さきほど、検挙件数について説明がありましたが、どのような行為を行って検挙されたのか、その内容について説明ください。

漁業管理課:川嵜課長答弁
 検挙の内容について説明する。
○筑前海では、本県海域における他県漁業者によるいかつり漁業の無許可操業、本県漁業者による、さし網漁業や、かご漁業など許可証に定められた区域を守らない操業区域違反などが主な検挙内容である。
○また、漁業者ではない一般の方による漁業権侵害も含まれている。
○これは素潜りでアワビ、サザエ等を採取し、漁協からの被害届により立件されたものである。
○本県では大きさが3cm以下のアサリ、サルボウを獲ることは禁止されている。
○有明海ではアサリ、サルボウの大きさが3cm以下の個体を採取した体長制限違反、許可を得ずに、さし網でクラゲを獲るなどの、無許可操業などが主な検挙内容である。


[問4]
 先ほどお答え頂いた行政指導ですが、具体的にどのようなものであるか、ご説明下さい。

漁業管理課:川嵜課長答弁
 指導とは、例えば、漁船が、操業禁止区域付近で操業していた場合には、その漁船に対して操業禁止区域に侵入しないよう指導すること。
 体長制限がある魚種については、大きさを守るよう指導している。
 指導を行うことにより、漁業関係法令違反の発生を未然に防いでいる。


[問5]
 先ほど来よりお話で出ています「密漁」ですが、本県海区内でどのような「密漁」があるのか、お尋ねします。

漁業管理課:川嵜課長答弁
 本県では、スキューバダイビングなどにより県知事の許可を受けずにアワビ、サザエ、ナマコ等の水産動植物を採取する行為、先ほど説明しましたが、3cm以下の定められた大きさよりも小さいアサリを採取する行為などの密漁がある。


[問6]
 こうした密漁の取締については、本県海区内における対策はもちろんでありますが、山口や長崎、佐賀、大分の隣接県との連携も出てくると思います。さらには、漁業者との連絡、連携も必要と思います。そこで、こうした隣接県ならびに漁業者との連携はどのように図られているのか、お答えください。

漁業管理課:川嵜課長答弁
 本県では、漁業取締活動を状況に応じて隣接県や海上保安庁、県警との連携により実施している。
 たとえば、筑前海では、高速で走る船を使い、アワビ、サザエ等を狙う密漁船の追跡、出港阻止の取組を23年度より、佐賀、長崎、山口県と連携して実施している。
 また、漁業者の自警組織と連携し、夜間や休日でも通報が受けられるよう通報体制を設け、これを関係者に周知し、効果的な密漁取締に努めている。
 有明海や豊前海でも、同様に海上保安庁、県警、隣接県と連携した取締も行っている。


[問7]
 「密漁」には高速船が使用されているとのことですが、これに対する取り締まりの体制はどうなっているのでしょうか、お尋ねします。

漁業管理課:川嵜課長答弁
 密漁船は高速船が使用されるので、追跡にも高速船で対応する必要がある。
 本県では、高速型漁業取締船「しんぷう」を平成19年度に、高速型調査取締船「つくし」を平成20年度に建造し、密漁船に対応している。


[問8]
 こうした高速取締船を中心に、先ほどもお答えいただいた隣接県、関係機関との連携で漁業取締活動を実施されているということでしたが、連携の具体的な成果としてはどのようなものがあるのか、お答えください。

漁業管理課:川嵜課長答弁
 筑前海における取締の成果は、密漁船の確認件数と延べ隻数は18年度には53件、119隻と多い状況であったが、2隻の取締船の就航後の21年度には27件、74隻、合同取締開始後の26年度には1件、2隻と激減しており、本県の取組が抑止力となって、効果が表れている。


[問9]
 続けます。
 いま、やり取りをしました密漁対策については、本県、近海における日本人による密漁ということですが、近年では、我が国領海内の良好な漁場をめざし、排他的経済水域(EEZ)で、許可を受けずに操業する漁業主権法違反、いわゆる無許可操業も増加していると聞いています。

 こうした外国船による密漁については、本県近海、とりわけ筑前海での発生状況はどうなのかお聞きするとともに、外国船の密漁が発生した場合はどのように対処されているのか、お答えください。なお、外国船の密漁に関しては、どのような機関との連携が出てくるのか、合わせてお答えください。

漁業管理課:川嵜課長答弁
 筑前海での外国船密漁の報告は、これまでのところない。
 都道府県は、自県の管轄海域においてのみ取締権限を有している。外国船による密漁・違法操業に対する取締は、危険を伴うため、水産庁及び海上保安庁が行っている。
 本県の取締船が外国船による密漁を発見した場合は、水産庁、海上保安庁に通報し、水産庁、海上保安庁の取締活動に協力することとなる。


[問10]
 お答え頂きましたが、本県の漁業取締船の任務としては、本県海区における密漁の取締、更には、関係機関との連携。さらには、県漁連や漁業者とのネットワークを図るなど、大変重要な任務を担っておられます。乗員の方々には心から感謝申し上げたいと思います。

 続いて、漁業取締船の任務拡大についてです。
 4年前の東北大地震の経験から、我が国では、陸上のみならず、海上、領空上での防災・減災、人命救助の対策強化が求められています。

 こうしたことから、本県においても同様に、陸上のみならず、海上、領空上での防災・減災、人命救助の対策強化が必要になってくると思います。

 過去にも、「福岡西方沖地震」では、取締船が活動されたと聞いております。

 そこでお伺いします。これまでの災害発生時はどのような活動をされてきたのでしょうか、お尋ねします。

漁業管理課:川嵜課長答弁
 平成17年に発生した「福岡西方沖地震」のときには、関係者、被害状況を調査する職員等の島と本土の輸送協力、地震が漁場に与えた影響の緊急調査、全島避難により監視が利かなくなる磯漁場の緊急的な監視等の対処を行った。
 これまでも、身近なところで海難事故等が発生すれば、人命救助、捜索活動等へも、参加した。


[問11]
 近年、東海・東南海・南海地震対策も叫ばれる中、わが県としても、県民の生命を守るという観点から、海上における防災・減災、人命救助など、これまでに想定しなかった新たな任務の発生も考えなければなりません。

 こうした新しい課題に、本県水産行政、とりわけ漁業取締船がどのように係るのか、課長のお答えを求めます。

漁業管理課:川嵜課長答弁
 東日本大震災以降、大規模災害の備えが社会的問題となっている中で、県が策定する防災計画(広域避難計画)にも取締船の利用が検討され、24年9月7日に策定された福岡県原子力災害広域避難基本計画において、離島民の避難に県の取締船を活用すると位置付けられている。
 この計画に基づき、平成25年11月、27年1月に行われた原子力防災訓練において、調査取締船「つくし」が参加し、姫島の島民を本土へ輸送する訓練を行った。


[問12]
 取り締まりによる漁業秩序維持や水産資源の保護はもちろん、有事にすぐ活動することが出来る船舶を県が所有しておくことは大切と考えます。

 取締船の存在が、万が一の時には、県民の皆様の安全確保のために、しっかりと位置付けられていることが判りました。本県の取締船がこれからも任務をしっかりと遂行されますよう、あらためてお願い申し上げたいと思います。

 最後に、漁業取締についての部長の決意をお聞かせください。

小寺農林水産部長答弁:
 いま、委員のお尋ねにあったとおり、本県の漁業取締は、漁業秩序の維持と水産資源の保護に重要な役割を果たしている。
また、取締船は、大規模な災害発生時には県民の安全確保という重要な役割もある。
 このため、今後とも、この役割を果たせるよう、しっかり取り組んで参る。


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