県議会質問

人口減少社会における本県の住宅政策の在り方について

 民進党・県政クラブ県議団の原中誠志であります。発言通告に従い、一般質問を行います。今回の質問項目は「人口減少社会における本県の住宅政策の在り方について」であります。

 我が国の人口は、2008年をピークとして減少局面に入っており、「国立社会保障・人口問題研究所」は、2060年の日本の人口を約8,700万人と、減少が始まった2010年の人口1億2,806万人の約7割にまで減少すると予想しています。

 福岡県においては、2015年12月に県が策定した「福岡県人口ビジョン・地方創生総合戦略」によれば、現時点では微増が続いている本県の人口も早晩ピークアウトし、やがては減少局面に転化すると見込まれています。県では、人口ビジョンを踏まえ、地方創生に向けた基本目標とその取組み方向、それを実現するための施策を地方創生総合戦略としてまとめたと承知しています。

 ところで、住宅政策を考える上では、人口もさることながら世帯数が重要な要素になると考えます。

 「2015年国勢調査」によると、日本の世帯総数は5,340万3千世帯となり、2010年から145万3千世帯の増加となっており、福岡県の世帯総数も2015年においては219万9千世帯で、2010年から8万9千世帯増加しています。

 反面1世帯あたりの人員は、全国では2.46人から2.38人となり、福岡県においても2.40人から2.32人と減少しており、全国・本県とも世帯規模は縮小傾向にあります。

 こうした世帯人員の減少もあり、同研究所によれば、全国の世帯数は2019年をピークに減少に転じるとしており、2035年には4,956万世帯までに減少すると予想されています。東京都、神奈川県、愛知県などの大都市でも、2025年頃には世帯数が減少に転じると予測しています。

 福岡県の世帯数についても、2015年から2020年の間に減少局面へ転じ、2035年には204万7千世帯となり、152,000世帯も減少すると推計されています。

 一方、世帯の生活の本拠となる住宅の数についてみてみます。総務省の「2013年住宅・土地統計調査」によると、国内の総住宅数は約6,063万戸となっており、日本の世帯総数5,245万世帯を800万戸も上回っています。「2015年国勢調査」をもとにした日本の世帯総数5,340万3千世帯と比較しても、722万7千戸も上回っています。

 福岡県の住宅戸数についても、同じ調査において249万戸となっており、県内の世帯総数217万世帯に対して32万戸も上回っています。

 一方、このような中、日本の人口が減少し始めた2010年度以降も、新築住宅の着工戸数は年々増加しています。平成27年度だけでも全国で92万1千戸の新築住宅が供給されています。福岡県においても、住宅戸数が世帯数を上回っている一方、新築住宅の着工件数は昨年度だけでも4万1千戸もあります。

 世帯総数に対して、住宅のストック数はすでに十分足りており、日本は世帯総数より住宅総数のほうがはるかに多い「住宅過剰社会」になっています。

—問1
 そこで知事にお尋ねします。
 人口や世帯数が減少していく中において、建替えではなく新たな土地に住宅が建設される一方、都市部にあっては駅前や中心市街地、そして高度経済成長期につくられた住宅地などでスポンジ状態が進み、空き家も埋まらない、まさに「まちの低密度化」が進んでいますが、この現状について知事の認識を伺います。

【小川知事答弁】

  • 本県においても、今後、人口・世帯数の減少が見込まれる中、増加する空き家の適正管理や既存住宅の利活用を促進するとともに、街なか居住人口の減少などを抑制し、地域の活力を維持することが重要であると考えている。

 次に、空き家についてお尋ねします
 2013年度の日本の中古住宅の流通シェアは住宅流通全体の約14.7%しかありません。福岡県におけるシェアは16.1%となっており、全国平均よりはやや高いものの、それでも欧米諸国と比べると極めて少ない現状にあります。

 このように新築住宅が次々に供給されて住宅過剰状態にあり、中古住宅の流通シェアも伸びない中、空き家率は年々上昇しています。

 総務省統計局による2013年の住宅・土地統計調査によれば、全国の空き家は820万戸、空き家率は13.5%に上っています。これは20年前と比較して1.8倍、この10年間でも1.24倍と右肩上がりの状況です。5年前の2008年と比べても、63万戸の増となり、過去最高を記録し続けています。 

 なお、この63万戸の内訳は、一戸建ての空き家が49.6万戸で79%を占めており、一戸建ての空き家の増加が著しいのが特徴です。
 また、この一戸建ての空き家については、日本の高度成長期に造られた郊外のニュータウンや住宅地、都市の中心市街地や駅前といった場所で顕著となっており、持ち主の高齢化や死亡に伴い、相続人不在による空き家という現象が顕著となっています。

 「野村総合研究所」によれば、全国の空き家の有効活用が進まなければ、2013年に820万戸だった空き家は、10年後の2023年には約1,400万戸、空き家率は21.0%になり、20年後の2033年には約2,150万戸、空き家率は30.2%になると予測しており、住宅地の実に3戸に1戸は空き家となります。

 福岡県の空き家戸数は、同じ統計調査によれば31万7千戸、空き家率は12.7%となっており、全国平均よりはやや低いものの概ね右肩上がりの状況です。

 ところで、一口に空き家と言いますが、総務省によれば、空き家のタイプには「賃貸空き家」、「売却用空き家」、「二次的住宅」、「その他空き家」という4つの類型があり、住宅政策の中で特に注目されているのが、全国の空き家の38.9%を占め、318万戸もある「その他空き家」です。

 福岡県においても、空き家31万7千戸のうち、「賃貸用空き家」が18万1千戸、「その他空き家」が11万7千戸もあり、5年間で、「賃貸用空き家」が2万2千戸減ってはいるものの、「その他空き家」は1万9千戸増えています。

—問2
 そこで知事に伺います。
 「賃貸空き家」や「売却用空き家」は、所有者によってそれなりに維持管理がなされる可能性があります。しかしながら、「その他空き家」は貸したり、売却しようとしているわけでもないため、いずれ周辺の住環境に影響するような「問題空き家」になることが懸念されることから、「その他空き家」の増加を抑制することが重要と考えますが、県においては、「その他空き家」の増加を抑制するためにどのような取組みを行っているのかお答えください。

【小川知事答弁】

  • 県では、市町村、関係団体に呼びかけ、平成27年3月、「福岡県空家対策連絡協議会」を設置し、空き家の実態把握や課題について、情報共有・意見交換を行い、空き家対策を推進している。
  • 具体的には、市町村による実態調査を促進するためのマニュアルの作成、空き家所有者をはじめ住宅をお持ちの方に適正管理・利活用を促すパンフレットの作成・配布、相談体制の整備、地域の実情にあった空き家バンク設置を促進するための手引きの作成などの取組みを進めている。
  • なお、実態調査については、来年度早期に、県内の状況について取りまとめ、データベース化することとしている。
  • また、県では、昨年度から、民間事業者が市町村と連携して取り組む空き家の活用モデル事業において、改修費等に対する補助を行っており、今年度はその成果を広く普及するため、県内各地で事業報告会を開催している。
  • さらに、今年度から、空き家の相続や売買・賃貸、リフォームなどに関する所有者からの相談に的確に対応するため、司法書士、宅地建物取引士などの専門家を市町村に派遣する支援事業を実施しているところである。

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