県議会質問

2017年6月15日

 民進党・県政クラブ県議団の原中誠志です。発言通告に従い、「警固断層南東部地震の発生に対する本県の対策について」と、「本県職員のメンタルチェックについて」質問します。

警固断層南東部地震の発生に対する本県の対策について

 始めに、「警固断層南東部地震の発生に対する本県の対策について」です。
 なお、今回の質問は、福岡市民、県民に対し、「警固断層地震」の発生について、いたずらに危機感や恐怖感をあおるためのものではありません。あくまでも、万万が一の地震発生の際には、県として、いかに県民、市民の生命と財産を守るのか、そのために県は何をなすべきか、どのような準備を進めるべきか、改めて知事の認識をお聞きするものであります。

 さて、「警固断層帯」は、福岡市東区にある志賀島の北西沖から博多湾、さらには福岡市中央区、南区から、春日市、大野城市、太宰府市を貫き筑紫野市に及ぶ、約55キロの活断層帯です。2005年3月20日に発生した「福岡県西方沖地震」は、この「警固断層帯」の北西延長上の玄界灘を震源とする、マグニチュード7.0、最大震度6弱の地震でした。

 この「西方沖地震」では、福岡市西区の玄海島で住宅の半数が全壊したのをはじめ、福岡市内および当時の志摩町、前原市でも大きな被害が発生し、死者1名、負傷者約1,200名、住家全壊約140棟となるなど、福岡市付近では有史以来最も大きな地震となっています。

 我が国では、1995年1月17日の「阪神淡路大地震」以降、2005年「福岡西方沖地震」(M7.0)、昨年の「熊本地震」(M7.3) と、マグニチュード7前後の地震は13回も発生しています。今後、大規模な地震が全国のどの地方で発生するか明確な判明が難しいことから、震災への備えは怠るわけにはいきません。

 今回、取り上げます「警固断層帯地震」につきましては、北西部では今後30年以内の地震発生確立は0.3〜6%、南東部では今後50年以内の地震発生確率が0.4〜9%と予想されており、警固断層の「0.3〜9%」はかなりの高率であると指摘する専門家もいます。

 そこで、「警固断層」、とりわけ「警固断層南東部地震」について、以下4点、知事にお聞きします。

「警固断層南東部地震」の被害想定について

 まず1点目は、「警固断層南東部地震」の被害想定についてです。
 昨日の代表質問でもこの問題が取り上げられ、知事は「警固断層南東部地震」が発生した場合の被害規模として、死者数1,183名、負傷者数22,508名、建物被害は全壊17,967、避難者は41,426名が想定されると答弁されています。

 そこで、知事にお聞きします。
 その被害の発生は、どの程度の揺れを前提としているのか、まずお聞かせください。その上で、最大被害はどのような季節や時間帯を想定しているのか、併せてお答えください。

 更に、「阪神淡路大地震」の教訓からも、都市を襲う大規模地震の場合、都市部ならではの被害も多数発生すると考えなければなりません。知事は、都市部で発生する地震の被害想定について、人的被害、建物被害以外に、どのような災害が発生し、市民生活にどのような影響が生じると考えられているのか、お答えください。

【知事答弁】

  • まずはじめに警固断層南東部地震の被害想定についてです。
    • 平成24年に県が実施をいたしました「地震に関する防災アセスメント」におきましては、警固断層南東部で地震が発生した場合、最大震度7となることが予測されております。
  • 季節と時間帯でございますけれども、火災による最大の被害を想定するため、最も出火率の高くなります冬の夕刻、午後5時から6時まで、といたしております。
  • 都市部で想定されます人・建物以外の被害といたしましては、上・下水道の破損、電柱の倒壊に伴います停電、都市ガス・プロパンガスの遮断・漏えい、道路や鉄道の寸断といったことが掲げられております。
  • また、45万人の帰宅困窮者が発生すると想定をいたしております。

「警固断層南東部地震」の被害想定の見直しについて

 2点目は、「警固断層南東部地震」の被害想定の見直しについてです。
 「文部科学省地震調査研究推進本部」による「警固断層の長期評価」が出されたのは2007年3月であり、それから10年が経過しています。また、県が示した地震被害想定に関する調査は2011年のことであり、それからも6年が経とうとしています。

 私が、福岡市住宅都市局から頂いた「2015年度版建築行政年報」によれば、2011年から2015年の4年間で、福岡市内で建てられた一戸建ては15,421戸、分譲マンション、賃貸マンションを合わせた共同住宅は59,344戸も増えています。

 なかでも、「警固断層南東部地震」が発生した場合、被害が集中すると考えられている福岡市中央区、博多区、南区の3区だけを見てみても、一戸建では4,800戸、マンション等共同住宅は38,000戸も増えています。

 現在、福岡市内の共同住宅、いわゆるマンションの棟数は21,000件と推定されていますが、マンションの着工は一向に衰えを見せず、棟数は増加するばかりです。

 実際、福岡市の人口は、4年前の148万人から本年6月1日現在で156万4千人と約8万人超の増加となっており、世帯数は72万世帯から79万世帯と7万世帯の増加となっています。わずか4年間でこれだけの人口と戸数が増えたことになります。

 このようなことから、県が2011年調査を基に策定し、2012年3月に公表した「地震に関する防災アセスメント調査報告書」の被害想定のままでいいのか、疑念を持たざるを得ません。

 2011年調査から6年が経過した今日、今一度、被害想定を見直す必要があると考えますが、知事の見解をお示しください。
A

【知事答弁】

  • 被害想定の見直しについて、県では、大規模地震による被害状況を踏まえまして、社会状況の変化や、地震に関する国における新たな知見を反映して被害想定の見直しを行っております。
  • これまで、阪神・淡路大震災を契機に平成9年度、福岡県西方沖地震を契機に18年度、東日本大震災を契機に23年度にそれぞれ見直しを行ったところでございます。
  • 今後、県内の活断層に関する知見や国の防災基本計画における災害想定の考え方の変更によりまして、被害想定の見直しが必要となります、なった場合には、議員が指摘されましたような人口増加や建物の状況も踏まえ、速やかに見直しを行ってまいります。

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