県議会質問

2017年12月13日

民泊新法並びに関係政省令を受けての
本県の民泊に対する対応について

 民進党・県政クラブ県議団の原中誠志です。発言通告に従い、一般質問を行います。今回は、「民泊新法並びに関係政省令を受けての本県の民泊に対する対応について」質問致します。

 この間、私は本議会において、幾度か「民泊」について質問し、課題や問題点を指摘するとともに、県の対応を質して参りました。

 本日取り上げます『民泊新法』、更には『旅行業法』、宿泊業に係る『建築基準法』の所轄は国土交通省、『旅館業法』や『食品衛生法』、『感染症法』に基づく公衆衛生の確保などの所轄は厚生労働省、また『消防法』は総務省と、宿泊業に係る関係法令で所轄が分かれています。

 本県においても同様に、国の法令等の関係で、総務部、保健医療介護部、建築都市部などに所管が分かれ、更に、観光という視点からだと商工部となります。

 今回の質問では、『民泊新法』の制定を踏まえ、本県として組織横断的にどのように民泊に対応していくか、そのような視点で質問を行うものであります。

1.そこでまず、1点目に知事にお伺いします。
 本県における民泊対応について、県庁横断的な「民泊対策会議」等が設置されているのかお伺いするとともに、その運営はどうなっているのかお聞きします。

【小川知事答弁】

  • 住宅宿泊事業は、関係する法令が多岐にわたることから、その適正な運営の確保を図るため、住宅宿泊事業法及び旅館業法等を所管する生活衛生課、旅行業法を所管する観光振興課、消防法を所管する消防防災指導課など、知事部局の6部9課と、取締りにあたる県警本部の2課で構成する「住宅宿泊事業対策庁内連絡会議」を設置している。
  • この会議の事務局は、生活衛生課が担っており、今月6日に第1回の会議を開催したところである。
    • 今後も必要に応じて、会議を開催し、各関係法令に係る情報共有、苦情やトラブルが起きたときの監督方法、県民に対する効果的な周知方法について協議してまいる。

 今日、戸建て住宅、更にはマンションやアパートなどの集合住宅の空き部屋を利用して観光客・旅行者などを宿泊させる、いわゆる民泊については、東京、大阪、京都、福岡、仙台、札幌といった全国の主要都市や観光地で、近年、急激に増加しています。

 旧来、ホテル、旅館、簡易宿所、下宿、並びに国家戦略特別区域の特区民泊など、これら宿泊施設については『旅館業法』の許可が必要であり、民泊も同様に『旅館業法』の許可を受けなければ宿泊業を行うことはできません。

 しかし、我が国の宿泊業の許可については、厚生労働省が昨年10月から12月、民泊仲介サイトに掲載されている全国の物件1万5,127件について調査した結果、全体の3割は「無許可民泊」であり、東京23区などの大都市部に限ると、「許可」を得ている民泊物件はわずか1・8%しかありませんでした。

 すなわち、我が国の民泊の多くが法に基づく業の許可を得ていない、いわゆる無許可民泊という由々しき事態となっています。無許可民泊といいますが、要は違法宿泊業ということです。

 本年11月8日付の「西日本新聞」では、「マンションなどで無許可営業の民泊が横行している福岡市において、営業しているとみられる住宅の周辺住民からの市への苦情や相談が急増している。4月から8月末に70件が寄せられ、昨年度1年間の96件を上回るペースである。福岡市内に千件以上あるとみられる無許可営業の実態は把握できず、市担当者は頭を悩ませている。」と報じています。

 福岡市のみならず、近年では、こうした無許可民泊に係る住民トラブルも急増しており、2014年以降、昨年までに6件の摘発、書類送検、検挙事案も発生しており、今年はすでに2件の摘発事例が出るなど、警察事案も増加傾向にあります。

 このように、全国で民泊の事業者や利用者の急増、それに比例するトラブルや警察の検挙事例の増加に対し、法の整備ができていない、ひいては国や自治体、警察の対応が追い付いてないという実情がありました。

 こうしたことから、国は民泊の在り方について審議を重ね、「民泊」という営業形態の宿泊提供に関する法律『住宅宿泊事業法』、いわゆる『民泊新法』を本年6月9日に成立させたところであります。

 なお、この『民泊新法』とは、従来の『旅館業法』で定める宿泊施設にはあてはまらない、新しい営業形態である「住宅宿泊事業」に関して規定する法律であり、国土交通省観光庁が所轄となっています。

 そして、この『民泊新法』の成立に伴い、本年10月27日には「住宅宿泊事業法施行規則」と「国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則」が公布されています。

 なお、『民泊新法』の施行は来年、2018年6月15日となっていますが、事業者登録の開始は同法施行3ヶ月前から開始されるとされており、来年3月15日から民泊事業者の各届け出が開始されます。あと3か月の猶予しかありません。

2.そこで、知事に2点目の質問です。
 来年、2018年6月15日からの法施行に向け、本県として、行政的にどのような準備が必要となるか、今後のタイムスケジュールと併せてお示しください。
A

【小川知事答弁】

  • 住宅宿泊事業法は、本年6月16日に公布され、来年6月15日に施行される。
    • これに先立ち、来年3月15日から、都道府県への住宅宿泊事業の届出が開始されることとなっている。
    • 国は、今月中にガイドラインで、届出に係る住宅・設備の要件や添付書類、苦情発生時の事業者による対応等、法令の運用に係る詳細を示すこととしている。
  • 本県においては、国によるガイドラインの説明が行われた後、速やかに、この内容を含めた住宅宿泊事業制度について県民の皆さんに、県のホームページや広報紙等で周知を図ってまいる。
    • また、国のガイドラインを踏まえ、事業者向けの届出の手引きの作成と周知を行ってまいる。
  • さらに、国は、年明けに、オンライン届出システムを開設するとともに、3月にはコールセンターを設置し、民泊に関する制度の問合せや苦情発生時の相談を受け付けることとしている。
    • このオンライン届出システムやコールセンターについても、その詳細が分かり次第、県のホームページ等で周知してまいる。

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