この一年間の県議会報告
2015年「6月議会」〜2016年「2月議会」(その3)
2023-04-14
2015年「12月県議会」報告
Ⅰ.『12月県議会』の主な内容(原中県議の代表質問、補正予算、意見書等)
『12月定例県議会』は2015年12月1日に開会し、18日間の日程で、12月18日に閉会しました。
本議会では、補正予算2件、条例18件、人事1件、契約5件、その他8件、合計34件の議案の提案がありました。
補正予算は、一般会計で66億円8,900万円余、主な内訳は「防災減災・災害復旧」事業費として55億3,500万円、世界文化遺産登録推進費等の地域活性化事業費として1千240万円、来年度開催のG7北九州エネルギー大臣会合推進費(PR費や警備費)として4,799万円等を計上されました。
主な条例は、「福岡県部制条例の一部を改正する条例」として、従来の「新社会推進部」を「人づくり・県民生活部」に改め、地域社会を支える人づくりを推進すると共に、国際化の推進に関する事務を「企画・地域振興部」に位置づける議案が提案されました。
12月8日には、県人事委員会の勧告に基づく給与月額等の改定により、職員給与費を44億8,712万円増額する提案がなされ、昨年度に引き続き給与月額が今年の4月に遡り、平均0.2%増、期末・勤勉手当を0.23月引き上げる、県職員の給与に関する条例の改定案など、5議案が追加で上程されました。
その結果、補正後の一般会計予算規模は、1兆7,881億5,100万円となりました。
代表質問は、「民主党・県政クラブ県議団」22名全員による10回の政策審議会を経て、12月7日に原中誠志議員(福岡市中央区選挙区)が行いました。
代表質問では、知事に、県政推進の基本姿勢並びに県政の主要課題について質問しました。また、本県教育行政の推進について、知事並びに教育長に質問しました(いずれも、詳細は下記のとおり)。
意見書は、会派のこれまでの質問に関連し、「性暴力被害者支援の拡充と性犯罪の厳罰化を求める意見書」を提出し、採択することができました。
これらの経緯を踏まえ、合計39件の議案が可決され、議会は閉会しました。
「民主党・県政クラブ」県議団の代表質問項目と主な内容、並びに一般質問、そして知事・教育長の答弁は、次の通りでした。
Ⅱ.代表質問
1.県政推進の基本姿勢について
(1)来年度の予算編成方針
[質問]本県の来年度の予算編成方針について
予算編成は、国による社会保障財源と地方一般財源の維持・確保が重要。これらの確保と、どのような基本方針で臨むのか。
[知事答弁]
来年度当初予算編成は、「福岡県人口ビジョン・地方創生総合戦略」の目標を具体化する施策をはじめ、「県民幸福度日本一」の福岡県を目指す施策に重点的に取り組む。具体的には、
① 景気の回復と魅力ある雇用の場の創出
② 出会い、結婚、子育て、就職・仕事の支援
③ 女性や高齢者の活躍の応援
④ たくましいグローバルな人材の育成
⑤ 安心して生活できる共助社会の実現
⑥ 安全・安心、災害に強い県づくり
の充実強化を図る。
併せて、財政改革推進プランに基づく事務事業の見直し、財政収入の確保等を引き続き推進する。
社会保障財源を含めた地方一般財源総額の確保は、全国知事会等を通じ、地方の安定的な財政運営に必要な地方一般財源総額の確保を国へ要望してきた。
今後、国の動向を十分に注視し、必要に応じ国へ働きかけ、県政運営に支障が出ないよう予算編成の過程で適切に対応する。
[質問]財政調整等三基金の取り崩しに頼らない予算編成について
今年度当初予算で、三基金から40億円取り崩し計上しているが、決算での取り崩しの必要性がない見通しによって、「財政改革推進プラン」の中止の検討段階にきているのではないか。
[知事答弁]
予算編成は、歳入歳出それぞれを適切に見込み、積み上げた上、財源不足が生じた場合、財政調整等三基金を取り崩し、財源不足を解消している。
予算執行は、入札残の発生、予算の使い切りの是正等により、歳出予算に不用額が生じる他、経済情勢の変化により、税収が当初の見通しを上回ることがある。結果、決算では、取崩し額が当初予算よりも小さくなる。
平成27年度の三基金からの取崩し見込額は、県税収入は当初予算を上回る見込みだが、現段階では歳出を含めた決算の見込みが立たないため、当初予算で計上した40億円からの変更はない。
プランの中止・見直しは、「平成28年度までに三基金の取崩しに頼らない財政運営を実現する」というプランの目標が未達成。28年度当初予算の編成において、「事務事業の見直し」、「財政収入の確保」等、プランに沿った改革を着実に実行し、目標の達成に取り組む。その達成状況も見極め、更なる財政健全化に向けた方策について検討する。
[質問]本県の来年度の教育予算について
県教育委員会として、少人数学級を小学校3年生以上に独自に拡大する考えはあるのか。
[教育長答弁]
現在、国からの加配定数等を活用することで、市町村の判断によって少人数学級を含む少人数指導が推進できる。
県教育委員会は、引き続き、加配定数の活用によって少人数学級を取り組むことが可能な市町村に対して、少人数学級の拡大を積極的に働きかけると共に、非常勤講師の活用を図ることによる少人数指導の更なる取組みの充実に向けて検討する。
(2)「教育大綱」と「ふくおか未来人財育成ビジョン」
[質問]「教育大綱」と「ふくおか未来人財育成ビジョン」について
「子どもの貧困対策」や「経済格差から生じる学力格差の解消」など、総合教育会議でどのように論議され、今後どのように取り組むのか。
[知事答弁]
教育大綱の策定に当たり、総合教育会議では、
・「学力の向上に当たっては、全体の底上げとともに地域間格差を埋めることが大事」
・「貧困の連鎖解消のためにも、教育環境の整備が求められる」
等の意見が出され、子どもの貧困や学力格差についても議論がなされ、これらの議論を踏まえ、今回、教育大綱を取りまとめた。
県は、この教育大綱のもと、教育委員会とも連携し、経済格差から生じる学力格差等の課題に対応する具体案を検討・立案し、実施する。
(3)産業廃棄物行政のあり方
[質問]産業廃棄物に関するこれまでの県の監視指導について
篠栗町の事案をはじめ、これまでの産業廃棄物の不適切事案を踏まえ、県はどのように監視指導に取り組んできたのか。
[知事答弁]
県は、産業廃棄物の中間処理、最終処分を行っている処理業者全てに対し立入検査を行っている。必要に応じ文書指導や改善命令などの行政処分を行っている。
安定型最終処分場は、平成25年度から、全国で初めて5年毎の処分業の許可更新時期に合わせ、県自ら掘削調査を行い、その結果を公表している。
[質問]事業に関与した業者の逮捕に関する知事の所感について
全国でも例のない篠栗町の現場に放置された廃棄物事案の改善事業に絡んで、廃棄物の処理業者が逮捕されたことをどのように受け止めているのか。
[知事答弁]
篠栗町の現場に放置された廃棄物は、県が代執行を行うのではなく、排出事業者責任により撤去するという事業であり、117社の協力を得て実施。
撤去は、排出事業者の委任を受けた福岡県産業廃棄物協会が処理業者に委託して実施。その処理過程で、不適正な処理が行われたのであれば、はなはだ遺憾。
県は、県警察の捜査の行方を見守ると共に、情報収集に努め適切に対応したい。
[質問]今後の監視指導の取り組みについて
今回の事案で排出事業者に責任を求めながら取り組みを行ったことを踏まえ、産業廃棄物の不適正処理を未然に防止するため、監視指導を一層強化するため、どのように取り組んでいくのか。
[知事答弁]
県内には、中間処理が行われる過程での過剰保管や、中間処理後の廃棄物の不法投棄等の不適正処理が発生し、問題の解消に長期間を要している事案がある。
今後、中間処理業者への立入検査を強化すると共に、過剰保管が生じた早い段階から、排出事業者に対しても、自ら処理現場の状況を確認し、必要があれば搬入の見直しを行うよう、指導していく。
不適正な処理のおそれがある場合には、中間処理から最終処分に至る全ての処理業者を対象に、同時に立入検査を行い、不適正処理の早期発見・早期対応に取り組み、さらなる適正処理の確保に努めていく。
2.水害に備えた本県の広域避難等について
[質問]水害に備えた広域避難について
市町村の避難場所に避難することが危険な場合、市町村が住民に対して、市町村以外の避難場所に避難誘導できるよう、県が支援すべきではないのか。
[知事答弁]
平成24年7月の豪雨では、朝倉市等、河川が増水し、あらかじめ指定されていた避難場所に向かうことが危険であったため、近隣市に避難したケースがあった。
県は、市町村に対し、浸水や土砂災害の警戒区域を踏まえ、避難経路及び避難場所の安全点検を行うよう求め、安全性が確保されない避難場所は、近隣の市町村に所在する県有施設などを避難場所として活用できるよう広域的な調整を行った。
県として、住民が安全に避難できるよう、このような広域的な調整を行い、市町村を支援する。
[質問]広域の「洪水ハザードマップ」の作成について
近隣の市町村を含めた広域のハザードマップとすべきではないのか。
[知事答弁]
洪水ハザードマップは、災害時に住民の円滑かつ迅速な避難行動に役立てるために、浸水想定区域や避難場所等を住民にわかりやすく示した地図で、水防法に基づき、市町村が作成・公表する。
今回の関東・東北豪雨災害を踏まえ、国は市町村を越えた広域避難を課題の一つとしている。県も、必要に応じ隣接市町村の避難所が示された洪水ハザードマップを作成することが、重要と認識。
現在、県内の作成対象53市町村全てが、洪水ハザードマップを作成・公表。
隣接する市町村の避難所が示されているのは、柳川市のみ。
県は、氾濫・地形特性から隣接市町村の避難所に避難した方がより有効な場合には、実情に応じた洪水ハザードマップを作成するよう、市町村に働きかけていく。
[質問]県内市町村の災害対策本部の浸水対策について ※翌日、新聞報道。
浸水想定区域内に庁舎がある自治体数、そのうち非常用電源を設置していない自治体数、非常用電源設置自治体のうち浸水の恐れがある自治体数と、これら自治体に対し、速やかに是正を働きかけるべきと考えるが、その見解を問う。
[知事答弁]
県内市町村のうち、津波や洪水等による浸水想定区域内に庁舎が所在するのは22団体。そのうち、非常用電源を設置していないのは6団体。
非常用電源を設置している16団体のうち、浸水の恐れがあるのは7団体。
県は、非常用電源未設置の6団体に対し、速やかな設置を強く求め、非常用電源の設置場所が浸水する恐れがある7団体に対し、設置場所の見直しや防水扉の整備等、必要な対策を講じるよう要請。
[質問]福岡県が管理する河川の改修について
県管理の334河川についての河川改修の考えと、現在、河川改修を実施している箇所数と延長はどのくらいか。
[知事答弁]
過去の浸水被害、流域の家屋等の集積状況や人口等を勘案し、改修の優先度が高い河川から実施。災害の防止、費用対効果等を総合的に勘案し、河川の断面をどの程度拡大するかといった、改修の規模を定め実施。
現在、53河川、約274kmの改修を実施中。
[質問]近年の降雨状況に対応した河川改修について
鬼怒川は10年に1回の洪水に耐える改修を行っていたが洪水が起こった。近年の降雨状況を考えると、もっと大きな洪水に対応した改修をすべきではないのか。
[知事答弁]
限られた予算の中で、早期に整備の効果が発揮できるよう、費用対効果等を総合的に勘案し改修の規模を定め、事業を実施。
災害時の避難行動や水防活動が適切に実施できるよう、浸水想定区域の公表や河川の水位情報の提供といったソフト対策にも取り組んでいる。
現在、国では、鬼怒川等で発生した大規模水害を踏まえ、今後のハード対策のあり方も含めた治水対策について、検討を行っている。本県として、今後明らかになる国の検討結果も踏まえて、県管理河川について適切に対応。
[質問]ビッグデータを活用した災害対策について
ビッグデータを活用した災害対策が必要と考えるが、基本的な考え方を問う。
[知事答弁]
国は、民間事業者の協力を得て、
- ① 携帯電話やカーナビ等の位置情報から混雑状況を把握し、帰宅困難者の避難誘導や救援物資の円滑な搬送に役立てる。
- ② モバイル端末を活用し、被害情報の伝達・収集を行う。
等の実証実験を行っている。
県は、国の実証結果や民間事業者等の検討状況を注視し、防災分野におけるビッグデータの活用方策について研究していく。
3.メンタルヘルス対策とストレスチェックの導入
[質問]本県民間労働者のストレスの実態について
ストレスの実態について、県としてどのように把握をしているのか。
[知事答弁]
厚生労働省の全国調査で、近年、5割を超える労働者が、仕事の量や質、職場の対人関係、仕事上の役割や地位の変化等を原因とする強い不安、悩み、ストレスを感じている、という結果が出ている。
県内4か所の労働者支援事務所の労働相談も、「職場の人間関係」や仕事の量に関わる「労働時間、休日・休暇」等、ストレスの要因となりうる内容が近年増増加。
[質問]ストレスチェック制度導入の意義について
本年12月1日よりストレスチェックがスタートし、50人以上の労働者を有する事業場は責務、50人未満の事業場は努力義務となった。県内民間事業者へのストレスチェック導入の意義について、どのような認識を持っているのか。
[知事答弁]
労働者自身のストレスへの気づきを促し、メンタルヘルスを身近な問題と意識する機会となる。
ストレスが高い結果の出た労働者の申し出を受け、会社側が医師による面接指導、必要に応じ仕事の軽減措置を実施することにより、職場が働きやすく健康的な環境に改善され、メンタルヘルス不調を未然に防止する意義がある。
[質問]民間事業者へのストレスチェック制度実施の働きかけについて
民間事業者がストレスチェックを実施しなくても、罰則規定がない。ストレスチェックが確実に実施されるよう、県はどのように働きかけるのか。
[知事答弁]
民間事業者で確実に実施されるために、事業者がストレスチェック制度の趣旨、目的を正しく理解することが重要。
県は、平成26年6月の労働安全衛生法の改正を踏まえ、制度の概要を県ホームページで解説、企業経営者を対象としたセミナーにおいて説明する等、理解の促進に努めてきた。今後も様々な機会を捉え、本制度が着実に実施されるよう制度の周知を図る。
[質問]本県職員に対するメンタルヘルス対策について
ストレスチェックはメンタルヘルスにどのような効果が上がったのか。
[知事答弁]
平成20年度からストレスチェックを導入、職員自らがストレス度を把握すると共に、高ストレスの職員には、県産業医による面接指導を早期に行っている。平成26年度からは、職場ごとの分析結果を活用し、職場の環境改善に取り組んでいる。
これらの取り組みにより、ストレス度の高い職員数は減少傾向にあり、健康障害の発生するリスクが危険ラインを超える所属数も、平成26年度に比べて、27年度は減少して、一定の効果がある。
[質問]教職員に対するメンタルヘルス対策について
教職員のメンタルヘルス対策はどのように効果があったのか。
[教育長答弁]
県教育委員会は、メンタルヘルス対策として、精神科医等によるカウンセリング、複数の窓口による相談体制の構築、管理職や中堅職員を対象にストレスマネジメント研修を実施している。
今後は労安法の改正を踏まえ、ストレスチェック等を実施することで、職員自身のストレスへの気づきを促すと共に、検査結果を分析し職場環境の改善につなげ、職員がメンタル面で不調となることを更に防止する必要がある。
[質問]本県職員の精神疾患の状況について
病気休職者に占める政審疾患者が多いが、発生要因をどのように考えているのか。
[知事答弁]
主な要因は、「上司や同僚からの支援が乏しい」等といった「仕事上の人間関係」とする回答が多く見られた。
職場環境の改善が大きな課題、ストレスチェックの活用、職場内の協力体制の構築等、きめ細かなメンタルヘルス対策を一層推進し、風通しの良い職場環境の整備に努める。
[質問]本県教職員の精神疾患の状況について
病気休職者のうち、精神疾患の発生要因をどのように考えているのか。
[教育長答弁]
教職員が精神疾患に罹患する原因は、生徒や保護者への対応、職場の人間関係等、職務上の問題、家族の病気、介護等の個人的な問題等、様々な原因がある。
教育活動の円滑な実施は、教職員が健康であることが基本。心身共に健康に教育活動に専念できるよう引き続きメンタルヘルス対策の効果的な実施に取り組む。
[質問]市町村立学校の教職員へのストレスチェックの導入について
任命権者である県教育委員会が、責任をもって、市町村立学校の職員に対しても、ストレスチェックを実施すべきではないのか。
[教育長答弁]
国の指導で、市町村立学校における安全衛生管理体制の整備は、市町村教育委員会にその責務がある。
市町村立学校のストレスチェックは、学校の設置者である市町村で実施される。
県教育委員会は、今後も市町村教育委員会に対し、法改正の趣旨やストレスチェックの必要性の周知徹底を行い、適切にストレスチェックが実施されるよう働きかける。
[質問]本県と福岡労働局との連携による労働環境の改善について
本県は10月に県と福岡労働局は雇用対策協定を締結した。心の健康の保持増進について、この雇用対策協定により、県と国が連携して進めるべきではないか。
[知事答弁]
本年10月、更に連携・協力して労働関係施策を推進することを目的に、「福岡県雇用対策協定」を締結した。
この協定で、共に取り組むべき施策の一つとして雇用環境の改善を設定、ストレスチェック制度についても、県・国が相互に協力し取組みを周知する等、労働者の心の健康の保持増進に積極的に取り組む。
4.教育問題について
(1)「教育大綱」と「福岡県総合計画」の関係
[質問]「教育大綱」と「福岡県総合計画」の教育分野との関係について
今回策定された「教育大綱」と「福岡県総合計画」に盛り込まれた教育分野の関係について、どのように認識しているのか。
[知事答弁]
県総合計画は、県が目指すべき姿を示すと共に、県政の各分野の施策の方向を示し、県の行政運営の指針となる。
教育分野は、総合計画で取り組む10事項の内、「子ども・若者が夢を抱き、将来に向かってはばたけること」、「豊かな文化を楽しみ、幅広い分野の国際交流を実感できること」等、関連する事項にそれぞれ盛り込まれている。
これを受け、今回の教育大綱は、教育分野の現状を踏まえ、将来を展望し、「国際的な視野を持って、地域で活躍をする若者の育成」という新たな視点で、その目標や施策の根本となる方針を取りまとめたもの。
[質問]福岡県教育振興基本計画の見直しについて
先般、「教育大綱」が策定されたが、「福岡県教育振興基本計画」を来年度に見直す考えはあるのか。
[教育長答弁]
「福岡県総合計画」の教育分野を「教育振興基本計画」として位置付けている。この計画の見直しは、次期の県総合計画の策定作業に合わせて、検討していく。
[質問]学校教育振興プラン(仮称)と福岡県教育施策実施計画との関係について
[教育長答弁]
今月中に策定予定のプランは、教育大綱の方針のうち、公立の学校教育分野において重点的に取り組むべき施策を明確にし、学校に分かりやすく示すものであり、次期「教育振興基本計画」の方向性を示すものでもある。
福岡県教育施策実施計画は、教育振興基本計画に基づき実施する、教育委員会所管分野に係る具体的な取組みや事業等をまとめ、毎年度策定している実施計画。
今後の教育施策実施計画には、教育大綱及び学校教育振興プランに基づいて実施していく具体的な取組みや事業等も盛り込む。
[質問]学校教育振興プラン(仮称)を学校現場に周知した際の混乱や負担の懸念について
「福岡県教育振興計画」、「福岡県教育施策実施計画」、さらには「教育大綱」が策定され、今後「学校教育振興プラン」も策定される予定である。これだは、教育施策の乱立状態と言わざるをえず、学校現場に混乱や更なる負担を招く懸念はないのか。
[教育長答弁]
教育大綱を受け、今後、教育委員会が学校教育の振興を図るために重点的に実施する内容を示すもので、学校現場に周知する際は、混乱や更なる負担感が生じないよう、プランの趣旨を分かりやすく丁寧に説明する。
[質問]本県の公立小中学校における正規教員の採用について
本県の公立小中学校の教員定数に占める正規教員の割合が全国ワースト2。この教員の正規率を、何年計画で全国平均に到達させる計画なのか。あわせて、教育事務所間で教員正規率のばらつきが見られるが、どのようにして解消していくのか。
[教育長答弁]
教員採用は、児童生徒数の変動に伴う定数の増減や退職者数、再任用者数の動向等、見込みが難しい要素も多く、採用者の質の確保も考慮する必要があり、正規教員の割合が全国平均となる到達年度を明示することは、困難。
しかし、引き続き段階的な採用者数の増加を図り、正規教員の割合向上に努める。
正規教員の割合は、教育事務所間に差が生じないよう人事異動の適正化に努め、できる限り地域間の格差の解消をしてまいる。
(2)本県の公立小中学校における正規教員の確保
[質問]本県教員の採用試験の改善について
講師経験、英検合格の資格を有する者やスポーツで優秀な成績を収めた者等、多様な経験を持つ者には、年齢制限を撤廃すべきではないか。また、他県同様に、多様な経験を持つ者には、一部の試験を免除すべきではないか。
[教育長答弁]
受験年齢は、経験や意欲ある人材確保のため、一般受験者は四十歳を上限に、他県の現職者、一定の講師経験がある者は、50歳を上限とするよう緩和を行ってきた。
20歳代、30歳代の教員が少なく、50歳以上が多いという本県の教員の年齢構成の状況を考慮すると、若年層の正規教員の確保を早急に図っていく必要がある。
試験の特例は、他県の現職者や英語の資格等取得者、スポーツで特に優秀な成績を収めた者等、能力の実証がある場合は、相応の試験の免除を行っており、留学等の国際体験や多様な社会経験を有する者は、個人面接で積極的な評価を行っている。
今後も優秀な教員の確保を図る必要があることから、引き続き特例措置の対象者や受験資格などの検討を行う。
Ⅲ.一般質問
今議会の一般質問の登壇者と質問は、以下の通りです。
1.井上 博隆県議
①地球温暖化対策の取り組みについて
2.渡辺 美穂県議
①大学生向け給付型奨学金制度の創設について
3.守谷 正人県議
①本県のがん対策について
4.田辺 一城隆県議
①医療・介護体制の強化について
・地域医療構想と地域包括ケアシステム
・次期医療費適正化計画の前倒実施
・介護給付費と介護保険料の推計
5.野田 稔子県議
①本県農業における新規就農者、及び女性農業者対策について
6.大田 京子夫県議
①児童虐待への対応について
7.佐々木 允県議
①本県における公共入札制度のあり方について
②本県文化財の保護のための県指定文化財に関する体制強化について
Ⅳ.採択された意見書・請願
- 性暴力被害者支援の拡充と性犯罪の厳罰化を求める意見書
- (※民主・県政クラブ提案)
- 環太平洋パートナーシップ(TPP)協定締結に関する意見書
- 保育士確保対策の充実を求める意見書
- 地方大学の機能強化を求める意見書
- 高齢者の消費者被害を防止・救済する実効的な法制度の実現を求める意見
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