この一年間の県議会報告
2016年「6月議会」〜2017年「2月議会」(その1)

2017-11-07

福岡県議会『6月議会』報告

1.『6月県議会』の概要

(1) 『6月県議会』の概要
 6月県議会は、6月6日に開会し、16日間の日程で、6月21日に閉会しました。当初の日程は、22日が閉会日でしたが参議院議員選挙の公示日となったため、議会の議事調整日である21日を閉会日とし、1日短縮された議会となりました。
 なお、先の『5月臨時議会』では、我が会派の佐々木徹議員が第78代副議長に就任しています。

(2)提案議案
 条例7件、専決処分1件、契約9件、人事2件、その他1件の合計20件の議案が提出されました。
 なお、6月11日には熊本地震の風評被害を早期に解消し、旅行需要を喚起するため、九州一丸となって「九州観光支援周遊キャンペーン」に取り組むため、9億2千万円の補正予算案1件が計上されました。
 このキャンペーンは全額国庫負担の事業として、県内宿泊施設は7月から9月まで50%を上限に割り引きし、10月から12月までを40%を上限に割り引きされて宿泊することが出来ます。被災地の熊本県・大分県の宿泊施設を利用すると、7月から9月までは最大70%、10月から12月までは最大50%割り引きされて宿泊できます。

(3)代表質問
 代表質問は、2ヶ月前から会派の政策審議会で10回の審議を経て、6月10日に堤かなめ議員(福岡市・博多区)が行いました。今回の質問に向け、会派として4月19・20日に、買い物弱者対策としての「移動スーパーいと丸くん」(糸島市)、単位制高校の学校法人立花高校、県発達障がい者支援センター「ゆう・もあ」等を視察し、6月2日には熊本地震を受け、大分県九重町に5日に開設された「九州災害時動物救援センター」を視察しました。

 これらを受け、我が会派の主な代表質問は、県政推進の基本姿勢として本①県の地域防災のあり方、②災害時におけるペットの救護対策、③国の補助事業における都道府県への交付額、④本県の行政改革のあり方、⑤筑豊地域の振興に資する幹線道路の整備、福祉労働問題として、①待機児童問題、②放課後児童クラブのあり方、教育問題として、①公立中学校・高校の部活動のあり方、その他県政一般として消費税率引き上げ延期により、財源として予定されていた消費税の増収分が見込めないことで、地方財政とりわけ本県の財政にどの程度の影響があるのかなど、知事並びに教育長に質しました。

 とりわけ、待機児童問題を調査する過程で、保育施設整備のための交付金の支給基準で、本県が最下位のDランクに位置付けられていることが判明したことから、代表質問で「不当と言わざるを得ず、県内の保育事業者が多大な不利益を受けてきたこと、本県における保育整備に多大な影響を与えたことは到底納得できない」と指摘しました。知事は「本県が最も低いDランクであることは納得し難い」と表明し、本県における1,000件程度ある国庫補助負担金事業の交付基準を再点検し、「疑義があるものは関係省庁へ提言・要望し、制度改正を求める。」と明言しました。

(4)一般質問
 一般質問には8人が登壇し、議会最終日には、計21本の議案と、我が会派が提出した「保育士並びに介護人材の処遇改善を求める意見書」を含めた5本が採決され閉会しました。
 我が会派の代表質問の概要と一般質問など、本議会の主な特徴は以下の通りです。

2.採択された主な条例

  • 「福岡県税条例の一部を改正する条例」
    • (地方税法等の一部改正等に伴い、法人県民税の法人税割の税率の引き下げ等)
  • 「大規模災害の被災者に対する使用料及び手数料の免除等に関する条例」
    • (大規模な災害による被災者の経済的負担の軽減を図るため、日常生活の回復等に資する使用料・手数料の免除等の措置) 

3.代表質問

 民進党・県政クラブ県議団の代表質問、並びに知事、教育長の答弁概要は、以下の通りです。

◎県政推進の基本姿勢について
1)本県の地域防災のあり方(知事答弁)
問_2.png被災地への支援者派遣及び支援物資の供給について 
答.png地震発生直後の4月14日から緊急消防援助隊を、翌15日から災害派遣医療チーム(DMAT)を派遣、本県職員も17日から保健師等を派遣し、避難所で健康管理支援に当たると共に、被災建築物の危険度判定に従事する建築職員を派遣。
 九州・山口9県災害時応援協定により支援先の益城町と菊陽町へ、避難所運営やり災証明発行等に従事する職員を派遣。6月から熊本県及び益城町へ、道路・橋梁・河川の復旧のため土木職員も派遣。県職員の派遣は6月10日現在、延べ2,899人。
 支援物資は、15日に消毒剤、16日に愛護動物用のエサやケージ、17日に缶入りソフトパン、毛布、簡易トイレを提供。

問_2.png熊本地震被災地の入院患者及び要介護者の受入れについて
答.png入院患者受入れは、4月16日からドクターヘリ等で患者を32人搬送。精神科病院の入院患者29人を県内10病院で受け入れ、迅速な受入支援を行ってきた。
 要介護者の受入れは、6月3日現在、76人の要介護者等を県内33施設で受入。

問_2.png熊本地震の地震情報の収集と県民への情報提供について
答.png14日の地震発生後、県民に対し防災メール・まもるくんや県公式ツイッターを通じ迅速に情報提供を行ってきた。

問_2.png県地域防災計画及び県備蓄基本計画の見直しについて
答.png地域防災計画は、震度7の地震が連続発生する被害想定の考え方など、国や専門家等の検証結果を待ち見直しを行う。
 県備蓄基本計画は、検討プロジェクトチームで備蓄物資の課題や対策の整理を行い、見直しが必要な場合は速やかに対応。

2)災害時におけるペットの救護対策 (知事答弁)
問_2.png「災害時におけるペットの救護対策マニュアル」の策定について
答.png災害時のペット救護の県・市町村・動物関係団体等の役割や連携などを示した「マニュアル」を本年度中に作成。避難所でペット同伴の方とそれ以外の方の居住場所を分けるなど、その対応方法についても示す。

問_2.png「九州災害時動物救援センター」の運営支援について
答.png県は被災地支援の一環で、同センターに獣医師職員2名を交代で1か月間派遣。今後、本県で同センターの運営の課題、支援の必要性等について検討。

3)国の補助事業における都道府県への交付額  (知事答弁)
問_2.png保育所等施設整備のための交付金の支給基準におけるランク付けについて
答.png社会福祉施設整備の整備基準は、昭和53年に制定され、それ以降、本県はD地域に区分。都道府県別の公共工事労務単価や保育所の平米単価の状況をみても、本県が最も低いDランクであることは納得しがたい。

問_2.png交付額の是正に係る国への要請について
答.pngこれまで県から国への要請を行ったことはない。しかし、このランク付けは納得しがたいことから、交付基準設定の考え方の説明を求めると共に、合理的根拠に基づく交付基準となるよう見直しを強く国に要請。

問_2.png国庫補助負担金の交付基準額の地域差について
答.png本県が関与する国庫補助負担金は1,000件程度。その中で地域別に交付基準があるのは、国家公務員の地域手当等をもとにした義務教育費国庫負担金、各市町村の消費水準等をもとにした生活保護費国庫負担金など。
 今後、これらの交付基準を再点検し、保育所等整備交付金のように交付基準に疑義があるものは、改めて国に基準設定の考え方を確認。問題があった場合は、事業関係者に知らせ、関係省庁への提言・要望など機会を通じ、制度改正などを求める。

4)本県の行政改革のあり方
問_2.png次期行政改革大綱について(知事答弁)
答.png先月23日、行政改革審議会を立ち上げ、効果的・効率的な業務の推進、ワークライフバランスの推進と人づくり・士気の高揚など、4項目を諮問。
 人員体制の見直しは、事務事業の見直し、事務の効率化・アウトソーシングにより業務自体の削減を進める。重点的に取り組む分野は職員を集中的に配置するなど、メリハリのある取組みを進める。
 審議会の意見も伺いながら、次期大綱の策定を進めていく。

問_2.png本県の公立小中学校の講師が補充できない状況について(教育長答弁)
答.png本年度の学級編制基準日となる4月11日現在で講師が補充できない状況は、小学校59校で81人、中学校10校で12人。6月6日現在、小学校38校で42人、中学校3校で3人。

問_2.png小学校において講師が担任している学級の状況について(教育長答弁)
答.png本年5月1日現在、929学級、県内公立小学校の学級数の14.7%。
 今後とも正規教員の確保が重要であると考えている。

問_2.png小中学校の正規教員率を高めるための取組みについて(教育長答弁)
答.png来年度の採用計画は、退職者数を上回る採用計画、5年前の平成24年度に比べ採用者数を約280人増。
 今後なるべく早い時期に正規教員の割合が全国下位である状況を改善、正規教員の計画的採用に努める。

5)筑豊地域の進行に資する幹線道路の整備  (知事答弁)
問_2.png筑豊地域の振興に資する幹線道路の整備について
答.png国道200号の冷水トンネルは、先月15日の無料化後、1日あたりの交通量は約1万6千台、無料化前の約2倍。交通事故や目立った渋滞は確認されてない。
 国道201号の八木山バイパスは、平成26年10月の無料化。現在の交通量は1日約2万5千台、無料化前の約2倍、交通事故が増えていることも認識。
 県は事故防止対策と併せ、現在、八木山バイパスの4車線化を国土交通省に働きかける。

◎福祉労働問題について
1)待機児童問題 (知事答弁)
問_2.png「福岡県次世代育成行動計画」の目標設定について
答.png県は市町村と連携し、保育所等の施設整備を進め、国も待機児童解消に向けた新たな支援策を打ち出したため、保育所整備が加速化し保育所の利用児童数が目標年度前に目標値数値を超えた。

問_2.png待機児童の地域偏在について
答.png本県の待機児童の大多数が福岡都市圏の市町に集中。市町の状況に応じ比較的少額の投資で早期に対応できる小規模保育事業を働きかける。新たな企業主導型保育事業を市町と連携し企業・団体に周知・広報し、活用促進を図る。

問_2.png県の隠れ待機児童数とその解消に向けた関係自治体との協議について
答.png本県の隠れ待機児童数は、約2,500人。
 国は市町村を対象に待機理由などに関する現況調査や保護者に対するアンケート調査を実施、その調査結果を踏まえ市町村と対応策を協議する。

問_2.png保育士の賃金に対する国への公費負担の増額要求について
答.png国の調査では、保育士の月給は全職種の平均と比べ約11万円低い。
 一億総活躍プランでは、平成29年度から保育士給与を月額6,000円程度、技能・経験を積んだ保育士は月額40,000円程度を引き上げるとされた。
 県は、国に対し保育士の処遇改善や必要な財源の確保を要望する。

問_2.png地域社会の子どもを育む力の低下についての見解及び住民反対により保育所建設を断念した事例について
答.png答:県民に、次代を担う子どもたちを育成することの意義や、地域社会全体で子どもを守り育てていくという思いを持っていただきたい。
 本県で平成25年に福岡市城南区で、地域住民の反対によって保育所建設を断念した事例があった。

問_2.png保育士配置要件緩和による保育所への影響について
答.png今の時点で、保育所で雇用する保育補助者や幼稚園教諭等の数の予測は困難。今回の改正で保育士の勤務環境の改善や受入れ児童の増加につながる。
 保育補助者は保育士と同等の知識及び経験を有する者とし、保育補助者や幼稚園教諭等を活用する場合も、保育士数が3分の2以上とするなど、保育の質の確保を図る。

2)放課後児童クラブのあり方  (知事答弁)
問_2.png生活保護世帯への放課後児童クラブの利用料控除制度の周知の状況について
答.png生活保護世帯では、就労の有無、子どもの年齢、家族構成が変化、その状況に応じた説明が十分行き届いていないケースもあった。
 県は、控除の取扱いを適切に行うよう本年4月に改めて通知を発出。

問_2.png放課後児童クラブの利用料控除制度の実態調査について
答.png放課後児童クラブの利用料控除は、出来るだけ早期に調査を実施。当該控除が適用される世帯があった場合、生活保護制度の取扱いに基づき、原則、申請月からその前々月分までを限度に、その利用料相当額を支給。

問_2.png放課後児童クラブの待機児童について
答.png本年5月1日現在、クラブ設置の59市町村で22市町で待機児童が発生。待機児童数は小学1年生73人、2年生52人、3年生110人、4年生150人、5年生50人、6年生14人。
 県は待機児童発生の市町村にクラブ整備の前倒しや、小学校の余裕教室を活用したクラブの設置など助言、整備に必要な助成を行い待機児童解消に向け取り組む。

問_2.png筑豊地区放課後児童クラブ学習支援事業について
答.png平成27年度2月補正予算成立後、速やかに関係市町村に事業概要の説明を行った。
 4市町で夏からの事業実施に向け、準備中。6市町がクラブの子どもも参加できる学習支援事業を既に実施、これに加えて県の新たな支援事業を実施するか検討中。

◎教育問題について
1)公立中学校・高校の部活動のあり方  (教育長答弁)
問_2.png部活動指導等による超過勤務について
答.png教育職員は、職務と勤務態様の特殊性から超過勤務手当制度は適用せず、教職調整額を支給している。部活動の特殊勤務手当は、近年、国で増額され、本県も国の見直しにあわせて手当額を改定。
 県教育委員会は、部活動は今年3月に作成した超過勤務縮減に向けたハンドブックで、週1日以上の休養日の設定、複数の顧問配置を示した。

問_2.png学校における部活動の顧問の決め方と顧問の負担軽減について
答.png部活動は、生徒の心身にわたる成長を図る上で、教育効果の高い活動。学校教育に位置付けられ、部活動の顧問は校務分掌の一つ。校長が、各部活動の活動状況や他の校務分掌、教員の個人的事情などを考慮して決める。
 土日の試合引率等、勤務時間外に及ぶ指導は、できる限り顧問の過度な負担とならないよう、適切な休養日の設定や複数顧問制、外部指導者の活用等を行うことが大切と認識。

問_2.png部活動の専門的な指導について
答.png競技経験のある教員が、直接専門的な指導を行うことが望ましいことではあるが、現実には全ての運動部活動に競技経験者を配置できない場合もある。

  • そのため県教育委員会では、指導歴の浅い、もしくは、競技歴のない県域の中学・高校の運動部活動の顧問を対象に、専門的な指導力の向上を図る研修会を実施している。
  • また、県中学校体育連盟や各競技団体等においても、競技別講習会等を実施し、指導者の資質向上を図っているところである。


問_2.png中・高等学校運動部活動活性化プロジェクト」について
答.png派遣校数は平成27年度、県域の公立中学校210校中177校、県立高校95校中69校に派遣。
 外部指導者は、生徒への専門的な技術指導、顧問への練習計画作成や技術指導の際のポイント等の助言等も行っている。年間15回の指導でも一定の効果がある。
 外部指導者の中には、予算化以上の回数を無償で指導している方が多数と承知。そのような支えがあって、運動部活動が充実していると考えている。

問_2.png県立高校における外部指導者の現状について(教育長答弁)
答.png平成27年度は73校、149部活動で160人の外部指導者。指導回数は、平均月1回程度が全体の8.8%、月2、3回が45.6%、週1回以上が45.6%。
 現在、国で学校外の人材を活用した部活動の指導の在り方などを検討中。

◎その他県政一般について
問_2.png消費税率引上げ延期の影響について
答.png現行の消費税率8%のうち、地方消費税分は1.7%、税率10%に引上げ後は0.5ポイント増の2.2%になる予定だった。この引上げによる増収額は、地方全体では約1兆円、本県においては約290億円。
 税率引上げによる増収分は、社会保障の施策の充実とその安定化のための財源と認識。地方財政に影響が出ないよう、国に対し全国知事会等を通じ要請する。

4.一般質問 (8人)

○ 冨田 議員  ① 14ヶ月予算について 
         ② 教科書閲覧問題について
         ③ ICT教育の環境整備について
〇 原中 議員  ① 本県買い物難民対策について
         ② 本県の廃棄物行政について
〇 畑中 議員  ① 共生社会の構築と地域活性化について
         ② 森林環境税を活用した荒廃森林の再生について
〇 渡辺 議員  ① 県内小・中学校における教職員の定数割れ問題について
〇 田邉 議員  ① 防災・減災体制の強化について
〇 佐々木允議員 ① 本県における「攻めの農林水産業」確立に向けた取り組み
〇 大田 議員  ① 多様性を尊重し、個性を伸ばす公教育について
〇 野田 議員  ① 本県における女性活躍推進について
         ② 本県の交通安全基本計画に基づく交通安全対策      

5.採択された意見書

○ 保育士並びに介護人材の処遇改善を求める意見(民進党県政クラブ提出)
○ 貸切バスの安全確保の徹底を求める意見書
○ 食品ロス削減に向けての取組を進める意見書
○ ストーカー行為等の規制等に関する法律の改正を求める意見書
○ 私学助成の拡充に関する意見書

6.議員条例

 我が会派の発案により、議員条例を制定するための「福岡県議会議員提案政策条例検討会議」が常設設置され、今後、議員による条例制定を増やし、議会の政策提案が強化されることになりました。まずは、観光振興条例の制定を目指します。

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