1.視察目的
ベトナム国内における外国人駐在員及びビジネスマン、外国人旅行者、並びにベトナム人の高額所得者を対象にした救急外来の実態を把握するべく、ホーチミン市の「ファミリーメディカルプラクティス」を訪問しました。
2.視察月日
2018年5月25日
3.視察先
「ファミリーメディカル プラクティス ベトナム」
ホーチミン市1区「ダイアモンドプラザ・メディカルセンター 」
34 Le Duan Street, District 1, Ho Chi Minh City, Vietnam
日本語ホットライン: (028) 3822-1919 (緊急時24時間対応)
日本語Eメール:hcmc.jpdesk@vietnammedicalpractice.com
Tel: (028) 3822-7848 (24時間)
救急: *9999
Fax: (028) 3822-7859
4.「ファミリーメディカルプラクティス」の説明
(1)「ファミリーメディカルプラクティス」の医療理念
「ファミリーメディカルプラクティス」は、ベトナムで屈指の国際プライマリケア医療機関であり、品質の高いケアと親しみやすい診療環境を患者に提供しています。
(2)「ファミリーメディカルプラクティス」の体制
「ファミリーメディカルプラクティス」は、北部はハノイ市、中部はダナン市、南部ではホーチミン市に、計5つのクリニックを開設しています。
そして、この国内ネットワークを生かし、患者に安心して利用される安全かつ専門的な国際レベル医療サービスをめざしています。
(3)医療サービス
「ファミリーメディカルプラクティス」では、経験豊かな医師、看護師、コーディネートスタッフで構成された救急チームが、安全かつ効率よく陸路、空路による医療搬送が行なわれています。
いかなる重大な事態でも、可能な限り国内での治療が心がけられており、患者が適切な治療を受けるため、航空機による搬送、救急車による搬送が行われています。
① 24時間、365日救急体制の救急車搬送サービス
「ファミリーメディカルプラクティスで」は、ホーチミン市、ダナン、ハノイの全クリニックにおいて24時間体制の救急車が待機し、各地域で患者の緊急事態に対応しています。
救急車はカナダ製の最新型特殊救急車で、救急医療チームによる救急救命医療、医療搬送サービスを24時間体制で行なわれており、救急車には救急医と看護師が同行し、患者に応急処置を行なった後、安定した状態でクリニックへと搬送しています。
今回視察した「ホーチミンクリニック」には、最新型特殊救急車3台と普通型救急車1台が配置されています。なお、ダナンは小型救急車1台、ハノイは特殊救急車1台と小型救急車1台で対応されています。
また、ベトナム国内の一部の地域では航空機によるアクセスが不可能な地域、医療施設が不適切または全く存在しない郊外、高原地帯、または国境地帯があります。これらの地域へはホーチミン市、ダナン市、ハノイ市から医療機器を完備した救急車が手配され、国内のいかなる場所へもクリニックの医療チームが派遣されています。
② ベトナム国内、日本、バンコクへの緊急医療搬送サービス
医療搬送では、民間航空機または救命機器を完備した民間の救急航空機が手配されます。
ベトナムでは、日本、タイ、シンガポールへの直行便が毎日運行しているほか、ヨーロッパの主要都市、アメリカ西海岸、オーストラリアなどへの便も増便されています。
クリニック院長ラフィ・コット医師がベトナム航空医という利点から、医療用ストレッチャーや軍用機の独占使用手配を短時間で行なうことが可能となっています。
(4)院長紹介
「ファミリーメディカルプラクティス・ベトナム」の院長、ラフィー・コット医師は、26年以上もの長きに渡って医療スタッフ、医療技術者、サービススタッフによる質の高いチームを築き上げています。
5.病院の特徴
(1)多国籍言語チーム
ベトナム国内5か所の全てのクリニックが複数の言語に対応しています。
病院のスタッフは、日本語、英語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、 イタリア語、オランダ語、ヘブライ語、ポーランド語、ロシア語、ベトナム語、韓国語、中国語(広東語、普通話)、フィリピン語、マレーシア語に対応でき、更に、この他の言語についても24時間体制で通訳サービスが用意されています。
(2)医療サービス
「ファミリーメディカルプラクティス・ベトナム」の診療科は、以下の通りです。
* 消化器科
* 精神科
* 内科
* 整形外科
* 画像診断
* ラボ検査
* 薬局
* 予防接種
* 外来診療時間
* ハノイ市、ダナン市、ホーチミン市・1区
ダイアモンドプラザ・クリニックは24時間救急体制クリニック
* 労働許可証のための健康診断
* 歯科はすべての年齢を対象としています
(3)地域への貢献活動
ラフィー・コット院長をはじめ、ベトナムの3つのクリニックから集まった医師、看護師、サポートスタッフによる医療チームは、医療機関へのアクセスが非常に限られている国内で最も貧しい地域に出向き診療活動を行っています。
2006年5月には、医療チームがコントゥム省コンザイ県へ向かい、人口の63%を少数民族が占める地元の人々に医療ケアを行っています。
このとき、「在ベトナムイスラエル大使館」と「ベトナム祖国戦線」の協力を得て、コンザイ県に5日間滞在し、5つの村で2,531人の住人の診療を行いっています。
また米、塩、洗面用具、参考書などをそれぞれの村に配布し、子どもたちを対象に歯の衛生指導も行っています。
更に、2007年5月、医療チームの規模をさらに拡大し、医師15名、歯科医3 名、看護師11名、ボランティア11名を含むサポートスタッフ64名の、総勢93名から成る医療チームが編成され、クアンビン省ミンホア県へ向かい、4日間で大人と子ども5,500名ほどが診療を受けています。
このとき、ホーチミンを中心とした地域コミュニティーから多大な支援を受け、活動期間中、米、塩、シーツ、洗面用具、タオル、毛布、衣服、おもちゃなど全重量10トンにおよぶ支援品が配布され、8000US$相当の医薬品が直接、ミンホア県の住民に支給されています。
6.まとめ
今回視察した病院は、ホーチミン市1区にある「ファミリーメディカル プラクティス ベトナム:ダイアモンドプラザ・メディカルセンター 」でした。
ベトナム国内で最も充実した医療体制を誇り、24時間の救急医療にあたっています。
当日は、多くの欧米人が診察に来られており、子ども連れの姿もありました。なお、「ダイアモンドプラザ・メディカルセンター 」には小児科がありますが、診察室にはおもちゃや壁にはアニメなどが飾られており、児童が不安なく診療を受けられるようになっています。
ただ、「ファミリーメディカル プラクティス ベトナム」は、いずれも自由診療であるため、診察を受けたり、薬を出されたり、外科的処置を受けた場合など、いずれも医療費は高額になります。現地のベトナム人がおいそれとかかれる医療機関ではなく、利用者は外国の駐在員やビジネスマンなどの滞在者、ベトナム人でも高額所得者しか利用できないのは事実です。