県議会質問

合法木材の利用促進、県産材の需要拡大など本県の林業振興について

 3点目に、木材の需要拡大についてです。
 県産材の供給力強化とあわせて、需要の拡大を図ることは、車の両輪のごとくどちらも進めていくべき重要な課題であると考えております。

 冒頭申しましたが、県産材活用の事例を見るため、本年11月に奈良県を視察しました。

 奈良県では、県産材の使用促進、生産量の拡大を図るため、県挙げて取り組みを進めており、その一環として、農林部に「奈良の木ブランド課」という課を設置し、奈良県産木材の利活用に取り組んでいます。まさに、県の姿勢がこの「奈良の木ブランド課」というネーミングに表れていると感じました。

 また、今日、全国にフランチャイズ展開している株式会社TSUTAYAと奈良県とで、県産材を積極的に利用推進することによる奈良県の林業・木材産業の活性化と環境保全、活力有る地域社会の実現を目的とした連携協力協定を締結しています。この取り組みもまた、TSUTAYAの知名度とブランド力を活かした奈良県産材の利用促進の取り組みとなっています。

 更には、奈良県庁屋上に設置している自動販売機1台と、奈良県庁分庁舎1階「ふれあいコーナー」に設置されている自動販売機1台については、「奈良の木」を使って自販機をパッケージしていました。

 そして、最も感心したのは、木の香りや温かみを感じる県庁玄関をつくるため、2013年度に「奈良県庁玄関ホールの内装木質化」を行ったことです。
 県産材が天井や壁にふんだんに使用され、杉と桧の淡い色のコントラストと、均整のとれた木目がモダンな雰囲気を演出し、木の香りと温かみを感じる落ち着いた空間が出来上がっていました。もちろん、材料には不燃木材が使用されており、耐久性、安全性も兼ね備えられています。

 広い玄関ホールの一角には、県産桧のオブジェも展示され、ソファにまで県産材を使用し、県庁屋上や周辺に設置されているベンチは間伐材を利用した木のベンチとなっているなど、県庁に訪れた人々の目を楽しませ、癒しを与えています。つい立ち寄ってみたくなる開放感あふれる空間となっています。

 そこで、福岡県庁のロビーに目を向けますと、大理石とタイル張りで、木質感はどこにもなく、温かみを感じるものがありません。

 そこで質問です。
 本県では、2012年1月に「福岡県内の公共建築物等における木材の利用の促進に関する方針」を定め、公共建築物等における木材の利用拡大を進めていると聞いていますが、木材需要拡大の取り組みとその成果についてお答えください。

 また、県では、2014年からは「福岡県木造・木質化建築賞」を創設し、県内のモデルとなる優良な建築物を表彰されていますが、県自らが強く福岡県産材の利用を発信していくためにも、まずは県庁1階のロビーに県産材を使用した椅子やベンチ、木工品の常設を図るとともに、ロビー周辺の壁や柱の周りを木材で囲むなど、県庁舎の木質化を図るべきだと考えますが、知事の考えをお聞かせください。

【小川知事答弁】

  • 県産材の利用を進めるよう、関係部局に指示し、これまでに、交番の木造化を初めて行ったほか、県立高校体育館など県有施設の内装の木質化に取り組んでいるところである。
  • この結果、昨年度の公共建築物等における木材利用量は約8,700立方メートルと、県方針策定前の平成22年度に比べ約5割増加した。
  • また、県庁舎の木質化については、県民の目に触れる機会が多いため、11階展望室の内装の木質化を実施したほか、今回、耐震化で改修する1階県民ホールの天井について、現在のアルミ製ルーバーから県産材を使ったルーバーに改修する補正予算を、今議会に提案しているところである。

 最後の4点目は、合法木材の利用促進についてです。
 合法木材とは聞きなれない言葉だと思いますが、その名の通り、違法に伐採された木材ではなく、国際的にも森林関係の法令において合法的に伐採されたことが証明された木材のことをいいます。

 この合法木材を使用するという動きの背景には、法令に違反して行われる違法伐採が国際的に大きな問題になっているからです。

 違法伐採が問題となっているのは、インドネシア、マレーシア、ラオス、ミャンマーなど東南アジアの国々、そして、ロシア、アフリカ、中南米などがあり、それらの違法木材が第3国を経由して日本に輸入されているという実態が国際的に指摘されています。
 違法伐採による森林の破壊は2000年から2012年の間、日本の国土の6倍にも当たる230万平方キロメートルにのぼり、貴重な森林が地球上から消失しています。

 また、違法伐採により、世界の国々は100億米ドル、日本円で約1兆1千億円の収入を失う一方、国際犯罪ネットワークは違法木材から300億米ドル、約3兆3千億円もの資金を入手しており、これらの資金が、汚職、贈収賄、脱税など犯罪活動の温床となり、特に、アジア・太平洋地域の犯罪組織にとっては、違法伐採木材取引は2番目に大きな収入源となっています。

 日本は、2005年7月の「G8 グレンイーグルズ・サミット」を受け、国内における違法伐採対策として、2006年4月に「グリーン購入法基本方針」を見直し、紙類、オフィス家具、公共工事資材等の分野において、合法性、持続可能性が証明された木質材料を原料として使用しているものを政府調達の対象としました。

 林野庁も同年2月にガイドラインを示し、森林認証制度など合法木材使用の3種類の方法を示したものの、G8の国々からは、規制を導入した国に輸出できない違法伐採のリスクの高い木材・製品が日本市場に振り向けられている、規制を導入した欧米等の違法伐採対策の効果を抑制していると指摘され、「日本は違法伐採木材の輸入規制ついて後ろ向き」との批判を受けました。

 海外においては、米国が2008年に「レイシー法(Lacey Act)」を改正して、違法に伐採された木材等の取引や輸入の禁止等を盛り込んだほか、EU・ヨーロッパ連合では2013年3月に「EU木材規則」を施行し、違法に伐採された木材を市場に出荷することを禁止するとともに、事業者が出荷に当たり適切な注意を払うことを義務付け、これを受けて域内各国で関係法令が整備されています。さらに、オーストラリアでも同趣旨の法律が2014年11月に施行されています。

 とりわけ、オリンピックの開催にあたっては、「ロンドンオリンピック」では合法性のみならず持続可能性が第三者によって確認された認証材を95〜100%使用し、「リオオリンピック」でも同様の対策が取られたため、「2020年東京オリンピック」に向けて開催国としての責任を果たす必要が求められました。

 このようなことから、日本政府は本年5月、日本で開催される「伊勢志摩サミット」で、国際社会に向けて日本の新たな違法伐採対策をアピールするため、国会に合法木材利用促進に関する法案を提出し、サミットに先立つ本年5月13日、「合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律」、いわゆる「合法木材利用促進法」が全会一致で可決成立されました。

 そこで質問します。
 国内における「合法木材利用促進法」の制定も踏まえ、国際的にも問題となっている違法伐採を抑止するため、合法木材の利用促進を図ることが、県としても必要であると考えますが、知事の見解をお答えください。

【小川知事答弁】

  • 「合法木材利用促進法」は、違法伐採が自然環境の破壊や地球温暖化を招くとともに、木材市場における公正な取引を害する恐れがあることから、木材関連事業者による合法伐採木材の利用を促進することを目的に制定され、来年5月から、施行される予定である。
  • 県としましては、合法木材の利用を促進することは重要と考えている。現在、国において、対象となる木材等の範囲やその確認方法など、具体的な運用が検討されており、今後、その情報を収集し、県として必要な対応を検討してまいる。

 いま、知事から答弁を頂いたところですが、2点、要望を申し上げます。

 いま答弁の中にありましたが、林業事業者に対する搬出経費の助成、路網の整備、高性能林業機械の導入などにより、原木生産量は増加したとお示しされました。
 しかしながら、輸入木材の増加、木材価格の低迷などによち、我が国の林業経営者の林業所得はほとんど伸びていません。
 そこで、本県の原木生産量ならびに木材価格、そして事業体の収支を年度ごとにまとめ、分析した上で次の一手、施策を打つ必要があると思いますので、本県林業経営の実態把握について調査、統計化を図ることを要望致します。

 2点目は、「合法木材利用促進法」に係る今後の本県の取り組みについてですが、来年5月の施行に伴い、今後、政令や施行令が出されると思いますが、合法木材の利用促進、木材市場における公正な取引の推進に向け、福岡県として他の都道府県がモデルとするような施策を講じられますよう要望致しまして、私の質問を終わります。

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