県議会質問

2018年12月11日

人口減少社会における本県の都市のスポンジ化対策について

 国民民主党・県政クラブ県議団の原中誠志であります。発言通告に従い、一般質問を行います。今回の質問項目は「人口減少社会における本県の都市のスポンジ化対策について」と、「水道法の一部改正に伴う本県の対応について」であります。

 最初の項は、「人口減少社会における本県の都市のスポンジ化対策について」です。

 私は、昨年、2017年『2月定例会』において、「人口減少社会における本県の住宅政策の在り方について」質問し、人口や世帯数が減少していく中において、建替えではなく新たな土地に住宅が建設される一方、都市部にあっては駅前や中心市街地、そして高度経済成長期につくられた住宅地などでスポンジ状態が進み、空き家も埋まらない、「まちの低密度化」、「都市のスポンジ化」が進んでいる現状について、知事の認識を問うたところであります。

 さらに、「その他空き家の増加を抑制するためにどのような取組みを行うのか」、「今後の人口減少社会、超高齢社会における本県の都市づくりの課題についてどのように認識されているのか」についても、併せて知事の認識を伺ったところです。

 この問いに対し、知事は「市街地の拡散や低密度化など都市を取り巻く諸問題を踏まえ、本県では、2016(平成28)年度、『福岡県都市計画基本方針』を改定し、拠点と公共交通軸沿線に居住機能と都市機能の誘導を図っていく「持続可能な都市づくり」に取り組んでいる。」として、「土地利用規制や開発許可などの都市計画制度を適切に運用するとともに、市町村職員を対象とした制度運用に関する研修会や、市町村間で課題を共有し連携を図るための勉強会を開催している。」と答弁されました。

 また、「計画的に居住機能や都市機能の誘導を図るための立地適正化計画の策定を市町村に促し、技術的助言や計画策定に向けた取組みへの補助を行っている。」と答弁されたところです。

 そこで、この質疑応答を踏まえ、まず、以下2点質問します。


 市町村職員を対象とした制度運用に関する研修会や、市町村間で課題を共有し連携を図るための勉強会は具体的にどのように開催されたのか、お聞かせください。

【小川知事答弁1】
○ 県では、毎年、市町村職員を対象に、国の動向や県の取組みを説明する「実務基礎研修」を年度当初に開催するとともに、最新の都市計画に関する情報提供や具体的なまちづくりの事例紹介等を行う「専門研修」を年5回程度開催している。
○ また、市町村の区域を越えた生活圏単位の連携を進め、まちの賑わいづくりと地域公共交通の維持・充実を図るために、県、市町村、交通事業者による、地域ごとの勉強会を開催している。
  今年度は、行橋市、みやこ町、地元交通事業者とともに、公共交通沿線のまちづくりに関する勉強会を開催した。
○ 今後も、これらの研修会や勉強会を開催し、都市計画制度に関する市町村職員のスキルアップを図るとともに、市町村間の連携による課題解決に向けた取組みを進めていく。


 次に、市町村に対し、「立地適正化計画」の策定について技術的助言や計画策定に向けた取組みへの補助を行っているとのことでしたが、県内市町村において「立地適正化計画」の策定状況はどうなっているのかお答えください。

【小川知事答弁2】
○ 県では、平成26年の都市再生特別措置法の改正により位置づけられた立地適正化計画について、他に先駆けて策定する市町村を支援するため、平成27年度から29年度にかけて、計画策定のための基礎調査費用の補助を行った。
○ 現在、補助を行った市町を含め、7つの市町が計画を策定し公表を行っており、このほか、6つの市が策定に取り組んでいる。

 先も述べましたが、私は昨年の『2月定例会』において、「まちの低密度化」、「都市のスポンジ化」について指摘し、対策を講じるべきだと提言してきたところであります。

  国土交通省が指摘するのは、「人口減少社会を迎えた日本においては、地方都市を始めとした多くの都市において、空き地などの低未利用地がランダムに発生する「都市のスポンジ化」が進行しており、生活利便性の低下や居住環境の悪化により、コンパクトなまちづくりを進めるうえでの重大な障害となっている。」ということであります。

 この指摘については、私が質問した趣旨のとおりであります。


 そこで知事に質問します。
 改めて、本県内の地方都市における「都市のスポンジ化」について、どのような認識をお持ちなのかお答えください。

【小川知事答弁3】
○ 県内の多くの地域では、既に、人口減少が始まっており、既成市街地でも空き家や空き地が増加し、いわゆる「都市のスポンジ化」の現象が見受けられる。
○ こうした状況は、医療・福祉、商業等のサービスの縮小・撤退による利便性の低下、行政サービスや生活インフラの維持管理の非効率化を招き、さらには、街なかに管理が放棄された空き家や空き地が増えることによる、治安の悪化、災害時の危険性の増大などにつながるおそれがあり、持続可能な都市づくりに支障になるものと認識している。

 国は、本年4月に『都市再生特別措置法』を改正し、「低未利用土地権利設定等促進計画」制度を創設して、低未利用地の地権者と利用希望者とを行政が能動的にコーディネートし、所有権にこだわらず複数の土地や建物に一括して利用権を設定する計画を市町村が作成できるようにしました。

 また、土地区画整理事業における「誘導施設整備区」制度を創設し、例外的に従前の宅地の位置と離れた場所に換地することで低未利用地の柔軟な集約ができるようにするとともに、補助交付の面積要件を2haから0.5haに引き下げました。

 このように、都市のスポンジ化に対応して、土地の再編や集約を通じて、低未利用地を有効に活用するための様々な施策が講じられています。

 また、国土交通省は本年11月20日に、「誘導施設整備区」制度を活用した土地区画整理事業として創設された「空間再編賑わい創出事業」などを含む、『小規模で柔軟な区画整理 活用ガイドライン』を策定し公表しました。

 このガイドラインは、地方都市をはじめとした都市の既成市街地で進行する「都市のスポンジ化」について、その対策に取り組む地方公共団体、民間事業者等を支援するためのものであります。

 国土交通省は、都市の拠点となるべきエリアにおける「都市のスポンジ化」対策として、「空間再編賑わい創出事業」等の様々な区画整理の手法を組み合わせながら、小規模でも素早く空き地等を集約し、医療・福祉施設や子育て施設などの導入を図ることが有効である、としています。
 今回、新たに導入された「誘導施設整備区」と、既成市街地の拠点エリアにおける代表的な手法である「市街地再開発事業区」と「高度利用推進区」との違いは、「空き地等の集約化による誘導施設整備の促進」を明確に示している点にあります。

 これまでの区画整理は、長年の土地区画整理事業の実績の積み重ねの中で、事業地内のそれぞれの土地の位置や環境等が、事業の前後で同じ状況を保つことを原則とする、いわゆる「照応の原則」など、画一的な運用がなされてきたのが実情です。

 今後の既成市街地の再生にあたっては、事業目的や地域の状況に応じた柔軟な区域設定と集約換地等、既成概念にとらわれない小規模・短期間・民間主導等の「柔らかい区画整理」の活用が求められています。

 しかしながら、その手法として、「敷地整序型土地区画整理事業」、「」、「小規模連鎖型土地区画整理事業」など、幾つもの手法が示されており、実際にどの手法を適用すれば効率よく、積極的に土地の集約・再編が行われるのか、市町村がわからないといったことにもなりかねません。


 そこで知事に質問します。
 この『小規模で柔軟な区画整理 活用ガイドライン』について、県内の市町村に対し、周知を図り、活用を進めていくとともに、土地区画整理事業を実施するにあたり、様々な手法のうちどれが当該地域にとって一番有効かつ効果が上がるのか、県として助言する必要があると考えますが、知事のお考えをお示しください。

【小川知事答弁4】
○ 国は、「都市のスポンジ化」対策として新たに作成したガイドラインを本年 11月20日にホームページで公表しており、今後は、全国で自治体担当者を対象に説明会を実施する予定である。
○ このため、県では、市町村に対し、国が開催する説明会への参加を呼びかけるとともに、毎年実施している市町村職員を対象とした研修会を通じて、ガイドラインが活用されるよう周知していく。
○ また、今後実施する土地区画整理事業については、市町村や事業予定者に対し、計画の段階から、ガイドラインを踏まえ、その地域の課題や個別の特性に対応した技術的助言を行っていく。

 都市のスポンジ化の進行は、必要な生活サービス施設が失われるなど生活利便性の低下、日常的な管理が行われない土地や建物が増えることによる治安、景観の悪化などを引き起こし、地域の魅力、価値を低下させるものであり、これによってさらにスポンジ化を進行させるという悪循環を生み出す可能性があります。

 このことは、持続可能な都市構造への転換に向けた「コンパクト・プラス・ネットワーク」の取組を進める上で重大な支障となっています。

 このような負の連鎖を断ち切り、コンパクトで賑わいのあるまちづくりの一層の推進を図るためには、従来の規制的な土地利用コントロールに加えて、低未利用地の利用促進や発生の抑制に向けた適切な対策を講じることが必要と考えます。


 そこで知事に質問します。
 県として都市のスポンジ化対策にどのように取り組んでいくのか、お答えください。

【小川知事答弁5】
○ 国は、「都市のスポンジ化」が持続可能な都市づくりを進める上で重大な支障になるとの認識から、今年4月に、都市再生特別措置法をはじめ、関係法令を一括して改正し、空き家や空き地等の集約などにより土地利用の促進を図るための様々な制度を創設した。
○ 市町村が、これらの制度を活用するには、まず、立地適正化計画を策定し、居住誘導区域や都市機能誘導区域を定めることが必要である。
 このため、県としては、市町村に対し、新たな制度の説明を行うとともに、引き続き、立地適正化計画の策定を促していく。
○ また、県では、今年度から、住民や事業主等が居住誘導区域内の空き家や空き店舗等を活用して行うまちづくり活動を、市町村とともに支援する独自の事業を実施している。
○ 今後も、「都市のスポンジ化」に対応するため、研修会や勉強会において、国の制度の説明や全国における優良な取組事例の紹介を行うとともに、地域の個別の課題について、具体的な技術的助言を行うなど、市町村を支援していく。

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