民進党・県政クラブ県議団の原中誠志です。
　本日は、本年7月５日に発生した「九州北部豪雨」から３カ月目となります。災害により尊い生命をなくされた方々へ衷心より哀悼の誠を捧げますとともに、被災されたすべての皆様に心よりお見舞い申し上げます。

　被災地の復旧・復興にむけ、県挙げて取り組みを進めていくことをお誓い申し述べまして、質問に入ります。

　私は今『９月定例会』一般質問において、大学生からの相談をもとに「若年層の消費者被害について」、いわゆる「レンタルオーナー契約」の問題点を質しました。

　その後、違う大学生から、仮想通貨によるD-9をはじめとする「マルチ態様勧誘詐欺」被害についても相談を受けることとなり、本日の「決算特別委員会」では、「ICO等HYIP投資詐欺に対する県警察の対策について」質問することと致します。

　今日、若者やお金に余裕の出てきた中高齢者を中心にICOが大変な熱気を帯びています。

　このICOとは、Initial Coin Offering（イニシャル・コイン・オファリング）のことで、いわゆる仮想通貨と理解して頂ければいいと思います。

　仮想通貨は、その名の通り、私たちが日常手にしている、日本銀行が発行している紙幣や硬貨ではなく、あくまでネット上に存在する電子データです。

　こうした仮想通貨の国際的な流通量の増大に伴い、国内でも個人の仮想通貨取扱量が急増しています。

　しかし、我が国では近年その利用者や流通量が徐々に増加しているものの、これまで仮想通貨を法的に通貨として位置付けたり、仮想通貨とは何かを定義づける法律がないなど、その制度的な位置付けは明確でありませんでした。

　そのような中、ビットコイン取引所「マウントゴックス」で大量のコインや預り金が消失、運営会社も破たんし、利用者に大きな被害が出たり、最近でも、日本の大手ビットコイン取引所「ビットフライヤー」の口座から資金が抜き取られたとされる事件が発生し、問題になりました。

　また、仮想通貨を用いたマネーロンダリングやテロ資金供与が指摘され、仮想通貨ないしその取扱業者への規制が求められ、マネロン対策を話し合う国際組織「FATF（金融活動作業部会）」は、2015年に「仮想通貨と法定通貨を交換する交換所に対し登録・免許制を課すべき」との指針を公表し、各国が対応し始めています。

　また、FBI（米連邦捜査局）やユーロポール（欧州刑事警察機構）は、ホワイトハッカー（正義のハッカー）の手も借りて犯罪に対応するなど、世界的な動きが出ています。

　我が国では、こうした国内外の動きを踏まえ、昨年の第190通常国会に『銀行法等改正法』が上程され、2016年5月25日に参議院で可決、成立しました。そして、この法律に伴い『資金決済法』も改正され、仮想通貨に関する規制が設けられた『改正資金決済法』が成立し、本年4月1日に施行されています。

１．そこで県警察本部総務部長にお聞きします。
　今回の『改正資金決済法』について、県警察としてどのように承知されているのか、ご認識をお示しください。

　先ほども述べましたが、我が国でも、仮想通貨に対する投資については、一部の投資家の間で加熱しているようです。

　現在、ネット上で取引されている仮想通貨は１千種類といわれています。
　ところが、このうち、実際に国内の商品経済で使える仮想通貨は、ビットコインも含め数種類くらいしかなく、クオカードやキャッシュカードのように、仮想通貨が日常の決済手段になるまでには、もうしばらく時間がかかりますし、様々な制度の整備が必要になると考えられています。したがって、こんにちでは仮想通貨は投資目的で購入するというのが現状であります。

　しかし、投資である以上、そこには落とし穴も潜んでいます。最大のデメリットは、発行元がなく国家もその価値を保証してくれないため、盗難に遭っても詐欺に遭っても、通貨としての価値がなくなったとしても、現状では誰も保障してくれません。使い方に足かせこそありませんが、その代わり何が起きても全て自己責任となってしまいます。

　このようなことから、今日、国内では仮想通貨をめぐる被害相談が増えていると聞きます。

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