県議会質問

2015年7月3日:予算特別委員会「生活労働費」

Airbnb(エアビーアンドビー)」の法律上の取り扱いについて

 民主党・県政クラブ県議団の原中まさしです。
 「Airbnb(エアビーアンドビー)」の旅館業法上の取り扱いについて質問します。

 マンションや一軒家の空き部屋を、有料で貸出し、宿泊させサービスが、いまインターネット上で盛況となっています。

 こうしたネットを通じて宿泊サービスを行う行為のことを総称して「Airbnb(エアビーアンドビー)」と呼ばれています。

 本来、「Airbnb(エアビーアンドビー)」は、物件を宿泊施設として登録、営業できる「民泊プラットホーム」のことですが、ここではインターネットを通じた宿泊サービスを総称して「Airbnb(エアビーアンドビー)」と使わせて頂きます。

 「Airbnb(エアビーアンドビー)」2008年8月にサンフランシスコで創業されたのを機に、安く宿泊できるとして、今やバックパッカーの間では知らない人はいないという存在となっています。

 最近では、バックパッカーのみならず、普通の旅行客の利用も増えており、インターネット情報では、世界192カ国、3万4000都市に広がっているといいます。

 日本でも、都市圏を中心に急速に広まっているということで、私もインターネット上で調べたのですが、県内では、福岡市内をはじめ、北九州市、宗像市、糸島市、筑紫野市、八女市、大牟田市でも専用のサイトが開設されています。実際、検索をかけると県内でも3百を超えるサイトがあります。

 この「Airbnb(エアビーアンドビー)」は、宿泊したい借り手と、部屋を提供する貸し手がサイト、すなわちインターネットを通じて契約しあうもので、部屋の「予約」が成立すると、お金の受け渡しもサイト上で行えるというものです。

 サイトを見る限り、「Airbnb(エアビーアンドビー)」は、場所も、部屋の大きさも、料金も、さまざま用意され、登録されています。

 そして、宿泊料金をみてみると、一泊2,000円程度からあり、一般のホテルと比べ低料金設定となっています。
 そのため、低料金で宿泊したいという旅行者のニーズとマッチし、特に海外からの旅行客を中心に、日本でも利用者は増加傾向にあります。

 また、貸し手側は、単に空いている部屋を貸すだけでなく、ガイドしたり、食事を一緒にしたり、現地のさまざまな情報を提供するケースもあり、宿泊以外のサービスを売りにしているところもあり、まさにホテル並みのサービスを提供しているところもあります。

 加えて、長期滞在型のものや、「新しい旅のスタイルを生み出す」というキャッチフレーズを謳っているものもあり、まさにあの手この手で利用客を獲得しています。

 我が国では今後、2019年「ラグビーワールドカップ」、2020年「東京オリンピック」をひかえており、マンションや一軒家の空き部屋を観光客向けの宿泊施設として貸し出すという貸し手も増えてくるのではないかと思います。

 しかし、この「Airbnb(エアビーアンドビー)」には問題も課題もあります。

 実際、私の選挙区でもあります福岡市中央区のあるマンションでは、外国人の方々が大きなバックや荷物を持って頻繁に出入りするので、何故かということで調べたところ、マンションの一室がこの「Airbnb(エアビーアンドビー)」として使われていたということが発覚しました。

 マンションの一室がこの「Airbnb(エアビーアンドビー)」として使われていたことは、管理人も、お隣さんさえも知らなかったということです。

 なお、この一件についは、福岡の民放テレビ局でも大きく取り上げられたところです。

 さて、こうした「Airbnb(エアビーアンドビー)」に関する前置きを述べた上で、いまから質問に入ります。

[第1問]
 まず、日本各地、特に都市部でマンションや一軒家の空き部屋が宿泊場所として借り出されているという「Airbnb(エアビーアンドビー)」について、保健衛生課はご存知かどうか、まずお聞きします。

保健衛生課長答弁:
 はい、存じている。


[第2問]
 存じていたということですが、県内主要都市、特に、福岡市では「Airbnb(エアビーアンドビー)」のサイトの開設数も数多くあります。インターネット上で、こうしたサイトが数多く開設され、宿泊客を募っているという事実は認識されているのでしょうか、お聞きします。

保健衛生課長答弁:
 はい、認識している。


 続けます。
 旅行をめぐる新しい流れとして、この「Airbnb(エアビーアンドビー)」が注目され、空き部屋を有料で提供したい、利用したいという人も増加傾向にあります。

 しかしながら、そもそもお金を取って、他人を空き部屋に有料で泊めることは、法律上問題はないのかということです。

[第3問]
 そこで、お尋ねします。
 マンションや一軒家の空き部屋が有料で貸出され、宿泊させているというサービスですが、そもそも無許可で営業ができるものなのか、お答えください。

保健衛生課長答弁:
 宿泊場所の提供を行う者が、不特定多数の者を反復、継続して宿泊させ、その対価を得る行為は、旅館業法の営業にあたり、旅館業法に基づく許可が必要となる。


[第4問]
 無許可で営業できないということですが、それでは、宿泊を業として行うには、どのような許可が必要なのか、お答えください。

保健衛生課長答弁:
 宿泊を業として行う場合には、旅館業法に基づく都道府県知事等の許可を受けることが必要となる。
 許可にあたっては、一定の広さの客室を確保するなどの構造基準を満たす必要がある。
 なお、許可を受けた者は、宿泊者名簿を備えることや、衛生面においては、宿泊者に使用させるシーツ、カバー、寝衣等は、使用の都度、洗濯することなどの衛生管理についての基準がある。


[第5問]
 宿泊を業として行うには「旅館業法」に基づき許可が必要ということですが、それでは、この「Airbnb(エアビーアンドビー)」は、「旅館業法」の許認可の範疇に入るものなのか。すなわち、「旅館業法」の許認可、規制の対象となるのでしょうか、また、どのような問題点があるのか、お聞きします。

保健衛生課長答弁:
 ご質問の営業形態のように、自宅の建物を活用する場合であっても、宿泊料とみなすことが出来る対価を得て人を宿泊させる業を営む者については、旅館業法の許可を取得する必要がある。
 しかしながら、このようなサイトでは、実際に予約した者でなければ、宿泊場所の住所や、これを提供する者の連絡先が分からない仕組みとなっている。
 このことから、宿泊場所の提供者が旅館業法の許可を受けているかについて確認が困難であるなどの問題点がある。


[第6問]
 宿泊業を適法に営業するには、「旅館業法」に基づき旅館業の経営許可が必要だということですが、旅館業の許可は簡単に取得できるものなのでしょうか、お尋ねします。

保健衛生課長答弁:
 個人の住宅で許可を取得する場合においても、旅館業法に基づく構造基準を満たすことが求められるため、改修が必要な場合もあると考えている。


 課長の先ほどのご答弁といい、いまの答弁といい、これは大変大きな問題を提起したことになります。

 宿泊業とホームステイとの境界があいまいとか、謝礼なのか宿泊に対する対価なのか判断しづらいとか、旅館業法の許可も得ずに宿泊業を行っているが、実態として一軒一軒、許可の必要性を確認できない。となると、無許可営業かどうかも判断できないということではないですか。

 これはもう、言葉は悪いですが、「やったもん勝ち」という世界ではないですか。

 そこでお尋ねしますが、こうした適法か違法か、無許可営業かどうかも判断しかねるというあいまいなことでは、「旅館業法」の監督官庁である県としての姿勢が問われることになると思います。

[第7問]
 そこで、この件につきまして、法律上の問題点とか、規制などに関し、厚生労働省においてはどのような対応を行っているのか、お聞きします。

保健衛生課長答弁:
 厚生労働省においては、関係省庁において実態の把握等を行った上で、幅広い観点から検討し、結論を出すとしている。


 上級官庁である厚生労働省として、関係省庁と実態把握を行っていき、規制の在り方を検討していくということですが、それは「Airbnb(エアビーアンドビー)」に対して問題意識を持っているからこそだと考えます。

 しかし、事は「旅館業法」だけに収まらないと思います。

 提供した部屋で食事を提供すれば「食品衛生法」に抵触することも考えられます。
また、「宿泊サービスを取り次ぐ行為」となれば「旅行業法」に抵触することも考えられます。

 業を行うにあたっては「建築基準法」等に基づく土地の用途を確認する必要があり、住宅区域内では営業行為ができなかったりするのですが、「Airbnb(エアビーアンドビー)」が営業行為であるのかないのかという判断は大変大きな影響を及ぼします。

 加えて、旅館業営業許可にあたっては、「消防法」に基づき「消防法令適合通知書」の交付が求められます。

 そして、今日では、マーズ、インフルエンザ、エボラ出血熱などの感染症対策という面では「感染症法」に基づく対策とともに、「旅館業法」の中でも公衆衛生の確保に努めなければならないとあります。

 なおかつ、有料で部屋を貸し出して利益を得た場合には、当然、事業取得として申告をすべきであり、それをやってないとなると納税の義務違反の問題も出てきます。

 こうしたことを考えますと、「空いている部屋を有料で貸しているだけ」という感覚で宿泊サービスをやっていても、いわば違法性を認識していなくても、この「Airbnb(エアビーアンドビー)」は大変大きな問題を抱えていると思います。

 「旅館業法」に基づき、許可を得て、適法な運営を行っているホテルや旅館にとっては、こうした宿泊業態がまかり通るというのは許せないのではないでしょうか。

 このように、「Airbnb(エアビーアンドビー)」は本県行政にとっても大変大きな課題といえます。

 そこで、お尋ねします。
 今後、このようなインターネットを仲介した宿泊サービスに対して、本県としてどのような対応、対策で臨むのか、ご答弁をお願いします。

保健衛生課長答弁:
 無許可営業などの違反事例を探知した場合は、旅館業法に基づき、公衆衛生上の観点から、速やかに改善させることが重要である。
 このような事案を探知した場合、直ちに保健所による立ち入り調査を行い、厳正に対処して参る。
 また、県のホームページを通じて、県民に対して情報提供を行うとともに、マンションの管理組合の団体や宅地建物取引業組合などの関係団体に対して、情報提供を行うことにより、違反が疑われる事案の早期発見に努めて参る。


 「Airbnb(エアビーアンドビー)」といっても、大きな建物やいくつかの物件を買い上げて、旅行者向けに専業で部屋を貸すなど、ホテル営業と変わらない実態もあるようです。

片や、個人が旅行者に自宅等の空部屋を短期間貸す等の行為というのもあるようです。

したがって、「Airbnb(エアビーアンドビー)」に対しては規制をかける反面、「旅館業法」上の例外規定を設けるとか、様態によっては規制を緩めるなどの対策が講じられるべきだと思います。

[第8問]
 そこで最後に、松本部長にお尋ねします。
 厚生労働省はこのインターネットを仲介した宿泊サービスに対して、見解も、指針も出してないということです。したがって、本県をはじめ、多くの自治体では対応に苦慮しているということです。

 このインターネットを仲介した宿泊サービスについて、本県としてどのように取り組んでいくのか、部長の考えをお聞かせください。

保健医療介護部 部長答弁:
 公衆衛生の維持、向上の観点から、旅館業法を遵守することは重要であり、国の動向も見極めつつ、先に課長が答弁いたしました取り組みについては、しっかりと実行して参る。


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