県議会質問

2015年7月6日:「予算特別委員会」5款

「自転車販売規制条例」の制定にむけた本県の取組みについて

 民主党県政クラブ県議団の原中まさしであります。
 発言通告に従い、「自転車販売規制条例」制定むけた本県の取組みについて質問致します。

 私は、2013年3月19日の「予算特別委員会」、2014年10月29 日の「決算特別委員会」の2回、本県の「自転車販売規制条例の制定について」質問しました。

 この質問の主旨は、「県民の方々の生命と安全を守るという立場から、もしもの場合のリスクを最小限にとどめるため、自転車販売店の開設に当たっては、まず、自転車安全整備士を置くこと。そして、ライトとブレーキは必ずつけて売ること、併せて、自転車保険をつけて売ること、この三つの義務を販売店に課すべく、県条例の制定が必要ではないか」というものでした。

 この質問に対し、当時の山下生活安全課長は、「本県の自転車事故の約60%は両政令市で発生している。北九州市は、2012年11月に自転車利用環境計画を策定した。また、福岡市は、自転車の安全利用に関する条例を2013年4月1日から施行している。これらの取り組みにつきましては、自転車保険の加入促進や、ライト、ブレーキの点検整備といった項目が盛り込まれている。更に、2012年11月には国土交通省及び警察庁が安全で快適な自転車利用環境創出ガイドラインを策定し、県としても、今後、県警察、教育庁と連携し、自転車保険の加入促進やライト、ブレーキの点検整備について自転車販売店の組合等に必要な働きかけを行って参る。
 条例制定の必要性につきましては、このような新たな取り組みの成果を検証する必要があると考えている。」こうした答弁を頂いたところであります。

 また、当時の長谷川新社会推進部長は、「規制のお話があったが、こういう点につきましても、関係者の意見を聴取してまいりたいと考えている。」こうした答弁でありました。

 しかしながら、肝心の、私の質問の本旨であります「自転車販売規制条例の制定」は、いまだ実現してなく、残念におもっております。

 そこで、まず1点目の質問です。
 本県主管課として、これまで具体的にどのような団体、販売店などと意見交換されたのか、お聞きします。そして、その内容はどのようなものであったのか、併せてお答えください。

兵頭課長答弁:
 自転車の小売店155店が加盟する組合や、大手販売企業3社に対して聞き取りを行った。その結果、ブレーキ・ライトの装着を販売の条件として義務付けることについては、「ブレーキは、安全性の上から非常に大事なものであるので、装着を義務付けてもいいのではないか」との意見がある一方、「ライトについては、自転車を昼間に利用する場合、法的な装着義務はなにので、一律に規制することは難しいのではないか」という趣旨の意見があった。
 次に、自転車販売時に保険を義務付けることについては、「利用者にとって、保険料は大きな負担となる」、「購入時に保険加入したとしても、保険期間が1年であるため、更新の確認ができない」、「自転車向け保険については、販売店以外でも加入できる自転車向け保険があるため、販売店に義務を課すのは難しい」、「自転車購入者から保険加入は別にすると言われたら、売らないという対応は難しい」、という意見があった。


 2点目の質問です。
 いまお答えのあった自転車販売店の組合等ならびに関係者の意見音聞き取りの後、「自転車販売規制条例の制定」にむけて、これまで執行部内でどのような議論がなされたのか、具体的にお答えください。

兵頭課長答弁:
 販売店に対する規制条例については、販売店から聞き取ったもののほか、特に保険の義務化については、「販売店が保険の販売をするためには、保険代理店の資格が必要となる」、「自転車向け保険には、車体にかかる保険と人にかける保険が考えられるが、車体にかける保険については、自転車の特性上、車体の特定が困難であるため、保険の加入状況を把握することが難しい」、「人にかける保険については、個人を管理しなければならないので、保険の加入状況を把握することが難しい」、「管理ができない中で、どのように取り締まりをするのか」など、実効性をあげる上で様々な問題があるとの意見が出された。
 しかしながら、自転車向け保険については重要であると認識しているので、自転車の安全利用は勿論だが、まずは保険加入をしていただくよう広報啓発に取り組んでいる。


 続けます。
 私がこの「自転車販売規制条例の制定」を提案し、2年が経過するわけですが、いまだに条例の制定に至ってないということで、重ね重ね残念に思っています。

 現在、交通事故による被害者を救済するため、自動車や二輪車に自賠責保険の加入が義務づけられており、原動機付自転車なども対象になっています。いわば強制保険です。

 これは、自動車事故が起こしてしまった際、他人を死亡させた、また他人にケガを負わせてしまったとき、被害者を救済するためのものです。

 本県では、自転車と歩行者との事故は、毎年、7千件ほどで推移しています。こうしたなか、近年では、自転車と歩行者との事故に関しては、自転車運転者が支払う損害賠償金額はたいへん高額化しています。

 2008年当時、小学校5年生だった少年が乗った自転車が歩行者と衝突し、意識不明のケガを負わせた事故をめぐり、神戸地裁は2013年7月4日、少年の母親、40歳に対し、9521万円の損害賠償を命じています。

 また、東京地方裁判所が2008年6月に出した判決では、男子高校生が昼間、自転車横断帯のかなり手前の歩道から車道を斜めに横断し、対向車線を自転車で直進してきた男性会社員(24歳)と衝突。男性会社員に言語機能の喪失等が残る重大な障害を負わせたとして、9,266万円の支払いを命じています。

 更に、男子高校生が朝、赤信号で交差点の横断歩道を走行中、旋盤工(62歳)の男性が運転するオートバイと衝突。旋盤工は頭蓋内損傷で13日後に死亡したということで、東京地方裁判所は2005年9月14日、この男子高校生に4,043万円の支払いを命じています。

 そして、男性が昼間、信号表示を無視して高速度で交差点に進入、青信号で横断歩道を横断中の女性(55歳)と衝突。女性は頭蓋内損傷等で11日後に死亡した事故では、東京地方裁判所は2007年4月11日、男性に5,438万円の支払いを命じています。

 このように、ケガを負わせたケースでも数百万円から数千万円、後遺症が残るようなケガでは5・6千万円、死亡事故では、いまや1億円の損害賠償金額となっています。

 こうした事例からも明らかなように、いまや自転車運転者の保険加入は必須、当然の時代になっていると思います。

 本県では、自転車通学が認められている小学校は4校、中学校は160校、高等学校は101校ありますが、このうち任意保険の加入が義務づけられている学校は、小学校0校、中学校18校、高等学校で43校しかありません。

 私は2012年3月の「2月定例会」一般質問において、県立高校の自転車通学の自転車運転免許証制度について取り上げた際、通学自転車に保険加入を義務付ける必要性を訴えましたが、自転車通学を認めている学校においては、自転車通学者全員に保険加入を義務付けるべきだと考えています。

 話を戻しますが、本県として、この際、県民の生命と安全を守るという意味から、自転車を購入する際には、必ず保険に加入すべきということを条例で定めることが必要だと思います。

 自転車通行問題に関係する所管の課では、まずは自転車運転者の法令順守を説いており、ルールを守った自転車運転を心がけるといった啓発活動を行っています。

 しかし、法令順須していたとしても、交通事故は思いがけなく起こってしまうものです。啓発も必要ですが、時代は自転車運転者への保険加入義務付けにきていると思います。

 したがって、県民・市民の方々の自転車運転者のリスクを減らすというのは本県行政の使命でもあると思います。自転車損害賠償保険に入りましょうと、一歩、進めるべきです。
 この点について、課長の見解をお示しください。

兵頭課長答弁:
 自転車については、自動車の自賠責保険のような保険への加入は、法律で義務付けられていないが、委員ご指摘のような高額賠償事例もあり、万が一の事故に備えた自転車向け保険の加入を促進することが必要であると考える。
 しかしながら、自転車向け保険については、ある調査によると、約半数の人が知らないと答えている状況にあることから、まず、周知に努めることが重要であると考えている。
 このため、県においては、自転車向け保険の加入の必要性を記載した啓発リーフレットを活用し、自転車販売店の組合等と協働して、購入時に、保険加入を促す取り組みに努めている。
 また、本年6月1日から改正道路交通法に伴い開始された自転車運転者講習制度に併せ、自転車での危険行為の防止と保険加入の必要性を訴えるチラシを20万部作成し、県内すべての高校生や自治体等に配布した。
 自転車販売店の組合等の意見や執行部内での議論にもあったとおり、保険加入の義務化については、さまざまな問題や課題や保険加入の必要性などについて周知して参る。
 さらに、保険関係の団体等とも連携して、利用しやすい保険についての協議を行って参りたい。


 本県での、自転車保険加入を義務付ける「自転車販売規制条例」制定の歩みが遅いなか、自転車利用者に損害賠償保険の加入を義務づける全国初の条例が本年3月18日、兵庫県議会本会議で、全会一致で可決され、成立しました。なお、条例は本年4月1日から施行され、保険加入の義務化は10月1日からとなっています。

 自転車利用者に損害賠償保険の加入を義務づける条例は、兵庫県が全国初、全国1番であります。兵庫県は、「自転車利用者に損害賠償保険の加入を義務づける規制条例」を最初に制定した県として、歴史に名を残したわけであります。

 福岡県が1位であってほしかったのですが、それもかないませんので、次は、兵庫県に負けないような条例を策定すべきだと思います。

 そこでお尋ねします。
 この際、本県としても自転車利用者に損害賠償保険の加入などを義務づける「自転車販売規制条例」を制定すべきと考えますが、課長の見解をお示しください。

兵頭課長答弁:
 販売規制の条例については、さまざまな問題や課題も多いと思っている。
 兵庫県では、自転車損害賠償保険等の加入を義務付ける条例が制定された。この条例においては、利用者に自転車向け保険への加入を義務付け、また、販売店には、販売時における保険加入の加入を義務付ける規定があるが、罰則は設けられていない。
 保険加入の規定については、本年10月1日に施行されるので、今後、条例の運用状況や効果について調査を行う。


 最後に、部長にお尋ねします。
 「自転車販売規制条例」を執行部として提案して頂きたいと思いますが、部長のお考えをお聞かせください。

大曲部長答弁:
 先ほどのお話にもあったとおり、自転車事故であっても高額な賠償事例が見られるところであり、被害者の救済と加害者の経済的負担の軽減は極めて重要であると考えている。
 条例については、先ほど、課長が述べたとおり、現時点においては様々な問題や乗り越えるべき課題がある。
 兵庫県条例については、本年4月に施行されているので、同県の運用状況や効果について調査を行って参る。
 保険に加入して頂くということが重要であるので、その加入の促進という観点から、どのような方法が、より効果的なのか研究して参る。


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