県議会質問

大人の発達障がいにかかわる支援ならびに高等技術専門校における相談受付体制について

 そこで、知事に2点目の質問です。
 いま申し述べました通り、乳幼児期、就学前、そして義務教育期に保健活動のなかで発達障害の特性を発見されることなく、成人となり、社会に出た方々、いわゆる〝大人の発達障害〟について、知事の認識と見解をお聞きします。

【小川知事答弁】

  • 発達障害に対する認知が高まったこと、幼少時から成人に至る過程の中で、発達障害の診断の機会がなかったことなどから、大人になって初めて発達障害と診断される事例も多いと認識している。
  • 成人期の発達障害に対しては、県の発達障害者支援センターや障害者就業・生活支援センターで、就労や生活の個別相談支援にあたっている。
    • また、平成27年度から、大人の発達障害者及びその家族のための研修交流会を県内2か所で開催している。
    • この研修交流会は、全10回の日程で、お互いの悩みを語り合い、専門家の講習を受けていただくことにより、学校卒業後の生活環境の変化に対応できる力が身につくよう、行っているものである。
  • なお、県内各地域の発達障害者の方々の相談にしっかり対応していくことが出来るよう、県発達障害者支援センターの増設を含めて、現在検討を進めているところである。

 近年、会社関係でのトラブル、仕事に戸惑ったり、悩んだりして発達障害を自覚する人や、抑うつ症状などがきっかけで医療機関を受診し、発達障害と診断される人は増えているといわれています。

 このように、自らの自覚と意思で医療機関を受診し、発達障害と診断される方は、その後、様々な相談窓口や就労支援や生活支援も可能となりますが、自覚のないまま社会生活を続けていると、先ほど指摘したように「二次障害」を引き起こしたり、引きこもりを起こすケースとなります。

 産業医や精神科の医師によると、もともと発達障害の特性を持つ人が、職場でのコミュニケーションがうまくいかなかったり、複雑な業務処理や臨機応変な対応などを求められるなど、職場のストレスが起因し、発達障害に双極性Ⅱ型障害や適応障害を併存するケースがあると指摘しています。

 したがって、すでに大人になっていても診療を始めるのに遅すぎることはないと言われます。発達障害を克服するために必要なことは、まずそれに気付いて、認めて、受け入れること。適切な診療を受けることにあります。そして、周囲も適切な支援やサポートを行うことです。この3つがセットで行われることで、初めて本人の苦痛も周囲の悩みも解消することができるようになります。

 そのため、〝大人の発達障害〟に係る県民啓発はもとより、とりわけ、企業内での発達障害に関する理解や、職場での対応は発達障害当事者や発達障害特性をもつ方々にとってきわめて重要な要因となり、人生をも大きく左右します。

 そこで、知事に3点目の質問です。
 これまで、県内の事業者に対し、発達障害に関する啓発をどのように行ってきたのかお聞きします。
A

【小川知事答弁】

  • 発達障害は、人によってその障害特性が異なることから、一人ひとりの状況を職場が十分理解した上で、適切な対応を行っていく必要がある。
  • 県では、平成26年に、発達障害者等の就労支援を進めるための事例検討会を開催し、それを踏まえて、具体的な事例や相談機関、助成金の情報等を盛り込んだ企業向けパンフレットを作成した。このパンフレットは、毎年度改訂の上、県内企業や就労支援機関等に配布しているところである。
  • 今年度の新たな取組みとしては、まず、障害者への合理的配慮について、発達障害を含め障害種別ごとに分かりやすく解説した冊子を作成し、県内企業等に配布する。
  • また、優良事業所表彰や啓発を行う「障害者雇用促進大会」の中で、発達障害者等を多数雇用している企業の関係者を講師とする講演会を開催するとともに、障害者を雇用しようとする企業を対象に、発達障害者の業務管理やコミュニケーションのとり方など実践的な内容のセミナーを実施することとしている。

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