県議会質問

民生委員・児童委員の欠員問題と一斉改選への本県の対応について

 次に、民生委員の後継者育成についてです。
 民生委員・児童委員は今日、全国で約23万人が活動されており、それぞれが担当する区域において、住民の生活上のさまざまな相談に応じ、行政をはじめ適切な支援やサービスへの「つなぎ役」としての役割を果たすとともに、高齢者や障害者世帯の見守りや安否確認などにも重要な役割を果たされています。

 しかし、今日、全国的に民生委員の「なり手不足」が深刻化し、その対策が課題とされています。

 昨年12月、兵庫県西宮市の民生委員の男性が、高齢者の安否確認などのために実施されている、世帯に関する実態調査を、マンションの管理人に「丸投げ」していたことが発覚して問題となりましたが、新聞の報道によりますと、この民生委員の男性の年齢は71歳で、「訪問しても怒鳴られたり、体力的にも精神的にもしんどかった」と、その理由を述べられています。

 民生委員は原則的に75歳未満の方と定められていますが、「無報酬・ボランティア」で「地域の実情に詳しく」、「福祉に熱意がある」といった条件から、60歳以上の高齢者が就かれるケースが多く、そして、その献身的な活動が、残念なことに地域の方々に正しく理解されていないことから、「体力的・精神的」負担になっているとの指摘があります。

 また、民生委員の方々が、日々の活動の中で苦労されている問題の中に、〝個人情報保護の壁〟があります。

 『個人情報保護法』の制定以来、市区町村においては、個人情報保護に過度に敏感な考え方をするなどにより、民生委員・児童委員の活動のベースともなる要援護者の情報が適切に提供されていないとの声があります。

 すなわち、プライバシー保護を名目に、独居高齢者や寝たきり高齢者が何人おられ、どこに住まれているのか。母子・父子家庭、障がい者の家庭が何世帯あるのかなど、そうした情報が民生委員に伝えられないといったことであります。

 こうした事例が全国で発生したことを受け、厚生労働省社会・援護局地域福祉課長が2012年5月11日に出した「地域において支援を必要とする者の把握及び適切な支援のための方策等について」の通知では、全国で発生している高齢者あるいは障害者の「孤立死」という事案の発生をとらえ、「人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるときに該当する場合は、あらかじめ本人の同意を得なくても個人情報の利用・個人データの提供が可能」とされています。

 さらに、同年7月17日に同じく厚生労働省から出された「自治体から民生委員・児童委員への個人情報の提供に関する事例集」においては、「民生委員に個人情報が提供されない事例」について、過剰反応事例を紹介するとともに、積極的に個人情報を提供している市区町の好事例の適宜活用を勧めています。

 しかしながら、自治体の中には、個人情報を提供することへの住民からの苦情を恐れて、依然として、民生委員活動に必要な情報を提供していないケースが多く見受けられ、〝個人情報保護の壁〟として、民生委員の方々を悩ませています。

 そこで、知事にお伺いします。
 民生委員の「なり手不足」を深刻化させている、これらのことは、長い歴史と大きな実績を積み重ねてきた民生委員活動の地域で果たしている意義や役割が、そもそも地域の住民に十分に理解されていないことが根本的な原因であり、県として積極的に広報活動を行うべきと考えますが、県としての取り組みをお答えください。

【小川知事答弁】

  • 民生委員の方々から、活動に必要な情報が得られない、との声があることは承知している。
    • 民生委員の方々が、各々の受け持ち地区で、円滑にその業務を遂行するためには、高齢者単身世帯、障害者世帯などの情報を得ることが必要であり、そのためには、地域社会、地域住民の理解と協力が大変重要であると考えている。
  • 県としては、市町村、関係団体と連携・協力しながら、この制度の意義について、県民の皆様にご理解をいただけるよう、県及び市町村の広報紙やホームページなどを活用して、積極的に広報活動に取り組んでまいる。

 前回、2013年度一斉改選時では、 全国の定数23万6,271人のうち、6,783人が欠員となるなど、「なり手不足」が大きな課題として取り上げられました。

 そこで、民生委員・児童委員の一斉改選について、知事にお聞きします。
 現在、本県内の民生委員・児童委員の欠員状況はどのようになっているのか、お聞きします。
 なお、欠員が多くみられる自治体、地域など、どのような傾向が見られるのか、併せてお答えください。

 また、本年12月に、民生委員の一斉改選を迎えますが、円滑な改選に向け、県としてどのような取り組みを図られるのか、お答えください。

【小川知事答弁】

  • 県では、本年12月の一斉改選を見据えて、後任者の確保に向けて、市町村にしっかりと取り組んでいただけるよう、4月には説明会を開催し、それ以降も個別にヒアリングを実施している。
  • また、民生委員児童委員協議会と連携し、活動内容を紹介するリーフレットを新たに作成し、県の70歳現役応援センターや市町村などに広く配布している。
  • さらに、欠員が生じている地域を中心に、民生委員やその経験者を広報啓発員として、自治会や福祉関係団体の会合などへ派遣し、民生委員活動の重要性、やりがいを説明する取組みを行い、民生委員のなり手をしっかり確保していきたいと考えている。
【要望】
 ただ今の知事の答弁を受け、民生委員の〝個人情報保護の壁〟について、1件、要望致します。
 要援護者にかかわる個人情報の提供については、どこまで提供するか、何を出すか、条例解除をするか否かについては各市区町村の判断にゆだねられているということは、私も重々承知しております。
 しかし、民生委員の方々の日々の活動に於いて、この〝個人情報保護の壁〟というのは本当に大きな問題であり、課題なのです。
 どのような方が、どこに、何人いらっしゃるか判らないということでは、短兵急な事案の時には対応が出来ず、「孤立死」も防ぎようがありません。
 したがって、県として、〝個人情報保護の壁〟が民生委員の方々の活動の妨げにならないよう、県内の市区町村に対して、これまで以上に対応を図られますよう要望致します。



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