県議会質問

『改正旅館業法施行令』に基づく、本県の営業許可の状況及び無許可「民泊」に対する指導・取締等について

質問日:2016年10月26日(水)
質問者民進党・県政クラブ県議団  原中 誠志 委員
答弁者保健医療介護部長、健衛生課長

【原中委員】
 私は、2015年7月の「予算特別委員会」において、「生活労働費」ならびに「警察費」において、「Airbnb(エアビーアンドビー)」の法律上の取り扱いについて質問しました。

 また、2016年3月の「2月県議会」においても、「民泊に対する本県の対応について」一般質問を行いました。

 今日、「Airbnb(エアビーアンドビー)」の国内の登録物件数を見ると、全国で3万3千件を超え、都道府県別では、福岡県内の登録件数は全国6位、いまや1,000件を超えています。

 更に、「Airbnb(エアビーアンドビー)」以外にも民泊予約サイトは花盛りで、Tripadvisor(トリップアドバイザー)が運営する「FLIPKEY(フリップキー)」、シンガポールに本社をおくRoomorama(ルーモラマ)、アメリカテキサス州に本社をおくHomeAway(ホームアウェイ)、ロンドンに本社を置くOnefinestay(ワンファインステイ)など、いわゆるバケーションレンタルサービスも世界展開され、日本にも進出しています。

 このように、「Airbnb(エアビーアンドビー)」だけでなく、バケーションレンタルサービス、更には、国内では古民家や農家などを「旅館業法」に基づき営業する件数も年々増加しています。

 このような折、昨日、政府は「国家戦略特別区域法」、いわゆる「特区法」の施行令を改正し、「民泊」に関する規制を緩和する閣議決定を行い、マスコミでも大きく報道されています。

 そこでお聞きします。
 この「特区法」の施行令の改正はどのような内容となっているのか、お示しください。

【坂本保健衛生課長】
 『国家戦略特別区域法』第13条におきまして、「外国人滞在施設経営事業を行う場合は、政令に定める要件に該当する場合には、旅館業法の適用を除外する」とされております。

 そして、政令に定める要件の一つといたしまして、施設を使用させる期間につきましては、これまで、7日から10日までの範囲で、自治体が条例で、下限を定めることになっております。

 昨日、閣議決定された改正政令案では、この施設を使用させる期間の下限を7日から3日とするものでございます。

 そして、新たに、滞在者名簿を備えることや、事前に、施設の周辺地域の住民に対し、特区法に基づく外国人滞在施設経営事業が行われることについて適切な説明が行われることや、近隣住民からの苦情及び問合せについて適切かつ迅速に対応することが、要件として追加されました。

 なお、この改正される政令は、本年10月28日公布、同月31日に施行予定となっております。


【原中委員】
 いま施行令改正の内容をご説明頂きましたが、この政令改正により、全国的に「民泊」の経営に係る要件が緩和、いわゆる「民泊」が大きく解禁されたかのような印象を持たれた方も多いのではないかと思いますが、このことについて県はどのように認識しているのかお答えください。

【坂本保健衛生課長】
 今回の政令改正は、『国家戦略特区法』に基づく「外国人滞在施設経営事業」、すなわち、いわゆる「特区民泊」を実施している自治体にのみ適用されるものでございます。

 「特区民泊」は、現在、東京都大田区、大阪府が実施しているほか、大阪市が10月31日から実施を予定しておりまして、また、北九州市が来年1月の実施に向け準備を行っているところです。

 全国的には、従来どおり、『旅館業法』の許可を得た者だけが民泊の経営を行うことができるものでありまして、民泊経営に係る要件が緩和されるものではないと認識しております。


【原中委員】
 いまの答弁でもありますように、「特区民泊」は現在、東京都大田区、大阪府のみであり、昨年12月、福岡市が実施したのは、いわゆる「イベント民泊」というもので、これは「特区民泊」ではないということを確認しておきたいと思います。

 次に、無許可「民泊」に対する県の指導についてです。
 今日、日本国内の「民泊」の物件数は3万数千件を突破するほどの人気を博していますが、『旅館業法』上の許可を受けずに、いわゆる無許可「民泊」に対する捜査、検挙も増えています。

 検挙、書類送検の事例として、

  • 2014年5月、東京都内で「民泊」を営んだ英国人男性が『旅館業法』違反で逮捕。
  • 2015年11月、京都市で『旅館業法』の許可を得ずに観光客約300人を有料で宿泊させ、旅館業を営んだ民泊業者が書類送検。
  • 本年4月には、個人宅の空き部屋などを旅行者に貸し出す「民泊」を無許可で営業したとして、大阪府警は大阪市の民泊ホスト3人を『旅館業法』違反の疑いで書類送検。
  • 本年6月には、東京都内の会社が運営支援を行っていた民泊ホストに対する『旅館業法』違反の被疑事件の一環で、親会社にも警視庁による捜査が入り、翌7月、会社役員ら男女6人が書類送検されました。

 全国的に、このような事案も発生していることから、本県として、改正『旅館業法施行令』に基づく、県の営業許可の状況及び無許可「民泊」に対する指導・取締りの状況はどうなっているのか、お聞きします。

【坂本保健衛生課長】
 今年度、改正『旅館業法施行令』に基づきまして、新たに対象となりました、客室の延床面積33㎡未満の簡易宿所の許可に関する相談件数は20件でございます。そのうち3件の申請があり、許可を行っているところです。

 無許可民泊に対する指導・取締の状況ですけれども、昨年度は、無許可営業が疑われる事案を7件探知いたしました。保健所の指導によりまして、7件全ての営業を中止させております。

 今年度についても、9月末現在で、無許可営業が疑われる事案を7件探知し、うち5件については、保健所の指導により、営業を中止させております。

 残り2件のうち1件は、営業を行っていないことを確認し、もう1件については、継続して調査を行っているところでございます。


【原中委員】
 今日、日本を訪れる外国人旅行者も増加傾向にあるなか、国内外の旅行者等に対するホテルの需要増加が望まれており、「民泊」に対しても期待が寄せられているというのは事実です。

 そこで、「民泊」の新たな枠組みについて、国の検討の状況はどのようになっているのか、お示しください。

【坂本保健衛生課長】
 国は、本年6月2日に閣議決定いたしました「規制改革実施計画」において、「民泊を届出制とし、年間提供日数を180日以下の範囲で適切な日数を設定する。住宅として、住居専用地域でも民泊実施可能とする。地域の実情に応じて条例等により実施できないことも可能とする。仲介業者については、登録制とし、届出がない民泊や年間提供日数上限を超えた民泊の取扱いを禁止する」などの枠組みを設けました。

 また、この枠組みで提供されるものは、住宅を活用した宿泊サービスとして、ホテル・旅館を対象とする既存の『旅館業法』とは別の法制度として、今年度中に法案を国会に提出する予定です。


【原中委員】
 答弁頂いたように、国では新たな「民泊」の枠組みを設ける動きとなっています。
 こうしたなか、北九州市は本年7月20日、北九州市議会「総務財政委員会」において、民家に観光客を有料で泊める「民泊」を国家戦略特区事業として始めるため、新たに関連条例を制定する方針を明らかにしました。

 また、福岡市も本年9月21日、先の「9月定例会」において「旅館業法施行条例改正案」を可決し、「民泊」解禁に向けた規制緩和を実施することとしました。

 このように、本県内においては、両政令市は「民泊」に対して条例改正等による規制緩和を進めています。こうした両政令市の動きも踏まえ、県の「民泊」に対する現状認識を伺います。

【坂本保健衛生課長】
 観光振興等の観点から、福岡市におきましては、昨年12月、先ほど委員のおっしゃられましたとおり、いわゆる「イベント民泊」が実施されております。また、北九州市におきましては、来年1月から特区を活用した民泊が行われる予定となっております。

 そこで、県としては、民泊に対しては、普及と同時に、適切な規制も必要であると考えておりまして、『旅館業法』だけでなく、『建築基準法』や『消防法』令など、各法令に従い、民泊が適切に運営されるよう引き続き指導してまいりたいというふうに考えております。


【原中委員】
 先ほど、私が申し上げました福岡市議会における「旅館業法施行条例改正案」の審議において、別紙、持ち込み資料のとおり、市議会でこの資料が提出されています。

 一枚目を見て頂きますと、今回の福岡市の「旅館業法施行条例改正案」では、『旅館業法』に基づき、戸建て、賃貸アパートについては持ち主の意向で「民泊」施設として提供が可能となりました。

 しかし、分譲マンションなどでは「マンション管理規約」で制限がかかります。すなわちマンションの一室を「民泊」として提供するにはそのマンションに住む住民の総意が必要となるとともに、「マンション管理規約」に明記される必要があり、こうしたことから、事実上、分譲マンションでは「民泊」は難しいといわざるを得ません。

 ところが、マンションの所有者や不動産業者が、マンションを1棟まるごと「民泊」として提供したいという、過去になかった事例も想定されることから、こうした過去になかった事例に対してはどのような対応をされるのか、お示しください。

【坂本保健衛生課長】
 過去になかった事案につきましては、県内保健所設置市や他都道府県に照会するなど事例の把握に努めるほか、国と協議を行い、適切に対応してまいります。


【原中委員】
 先ほども、全国の無許可「民泊」に対する捜査、検挙の事案を紹介しましたが、無許可「民泊」の事案等において、県、両政令市を含む保健所設置市および県警の間で、どのような意見交換を行っているのか、お聞きします。

【坂本保健衛生課長】
 無許可営業事案への対応策や、各市の取組み内容につきましては、担当部局間におきまして、随時、情報交換を行っているところでございます。

 また、悪質な事案につきましては県警と連携し、対応しているところでございます。


【原中委員】
 今のお答えでは、県、両政令市、県警察と十分な連携をとって対応しているということでしたが、関係者が個別に対応するだけではなく、一堂に会する連絡会議を開催すべきではないかと考えますが、県の考えをお示しください。

【坂本保健衛生課長】
 国の制度を踏まえまして、今後、本県における民泊というものが、様々な形態をとりながら、更に広がっていくものと考えられます。

 そのため、民泊の形態を把握し、関係する行政機関が対応状況につきまして情報を共有することというのは大変重要だと考えております。

 このため、県・保健所設置市それぞれの保健衛生部局、観光部局及び県警等を交えました情報交換の場を設けることにつきましては、メンバー構成も含めまして、今後、関係先と協議してまいりたいと考えております。


【原中委員】
 この間、私は県議会の質問で「民泊」問題を取り上げてきましたが、時代の趨勢からして、「民泊」に対する期待と要望は高まっていることは十分承知しています。それだけに、「民泊」に関しては規制と緩和のどちらとも必要になるわけです。

 すなわち、「民泊」を認めるためには、業を営む者は法に適した対応と対策が求められるということです。

 質問の最後となりますが、これまでやり取りをしてきましたが、全国的に注目されている「民泊」問題であるだけに、県として、今後ともきちんとした対応をしていく必要があると思いますが、部長として「民泊」問題をどのように考えられているのか、お聞きします。

【松本保健医療介護部長】
 この「民泊」の問題というものは、保健医療介護部が所管しております『旅館業法』、こういった一つの法律の枠内でできる問題じゃなくて、やはり観光振興の観点からの普及、あるいは公衆衛生の観点からの規制、この両面が求められているところでございます。

 先の9月議会で「観光王国九州とともに輝く福岡県観光振興条例」が制定されましたが、この13条では、「民泊の普及に伴い発生する問題には必要な措置を講じるよう努める」といった文言もございます。

 ですから「民泊」の普及に伴って発生する問題の一つがですね、そういった公衆衛生の面からであろうと思いますので、そういった点についてはですね、従来、旅館業法の規制については厳正に対処してまいりましたけれども、例えば『消防法』でありますとか、『建築基準法』でありますとか当然、県庁の他の部とも絡んだ、これはまさに総合行政でございます。

 あるいはまた、県だけでなくて、両政令市、県警本部、こういったところともまた連携をしていくようなところでありますので、議員のご提案頂いたような一堂に会しての会議の場でありますとか情報交換でありますとか、そういったものを部の枠にとらわれずに幅広く対応していくことが求められている、新しい分野だと思っておりますので、しっかりそういう取り組みをさせていただきたいと思っております。

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