県議会質問

2018年10月3日

【建築都市部】
西日本大濠花火大会の開催中止について

 福岡市中央区にある県営「大濠公園」ですが、福岡都市圏200万人、福岡150万都市の真ん中に位置し、しかも都心部にあることから、日ごろから、市民・県民の憩いの場として、大変多くの方々にご利用頂いております。

 近年では、中国、韓国、台湾をはじめ、アジア各地の観光パンフにも「大濠公園」が紹介されているということで、クルーズ船の乗客が大型バスで乗り付けたり、インバウンド客が立ち寄るなど、国際色豊かで、大変な賑わいとなっています。

 その「大濠公園」の最大のイベントが、「大濠花火大会」でした。
 国内では他に類を見ない「全方向から観覧できる都市の花火大会」であり、都心の真ん中、交通の利便性の良さなどから、40万人を超える人々が訪れる、夏の一大風物詩となっていました。

 曜日に関係なく、毎年、8月1日に開催されているということで、「8月1日は大濠花火大会の日」として定着しており、多くの人々が開催を楽しみにしていました。

 このように、福岡県を代表する「西日本大濠花火大会」でしたが、先月、9月14日、西日本新聞が一面を使い、西日本新聞社・社長名で「西日本大濠花火大会の終了について」という報道がなされ、主催者として来年以降の「大濠花火大会」を中止すると発表されました。

 先ほども述べましたが、「大濠花火大会」は、福岡市民をはじめ、県内外からも多く見物客が訪れる、まさに福岡県を代表する夏の風物詩でありました。

 「大濠花火大会」中止の報道は、市民にとっては、まさに〝寝耳に水〟であり、私のところにも、多くの市民から、驚きと落胆の声が届いているところです。

 そこでお聞きします。

【公園街路課長:質問1】 
 このように、福岡市民をはじめ、県内外の多くの方々が楽しみにしている一大イベントである「大濠花火大会」ですが、その中止に関する重要な発表を、県はいつ知ったのか、お答えください。

【公園街路課長:答弁1】
 新聞報道される2日前に、西日本新聞社の担当者が大濠公園を管理する福岡県土整備事務所を訪れ、平成31年以降の花火大会について実施が困難であり、中止を発表すると報告があった。

【公園街路課長:質問2】
報道の2日前に初めて知ったということですが、主催者である西日本新聞社は、県に対し、どのような理由から中止すると説明されたのか、お答えください。

【公園街路課長:答弁2】
 西日本新聞社からは「花火大会の見物客が年々増加しており、これ以上の増加に対して、見物客の安全を確保することが困難である。何か事故があってからでは遅いとの判断から、平成31年以降の開催中止を決定した。」との説明があった。

 中止の理由について、「見物客の安全を確保することができない」という理由は理解できるところもあります。

 今年の花火大会では、「大濠公園」内にある、幼稚園児と小学生が精魂込めて育てていたヒマワリ花壇が、花火見物客に踏み荒らされたということがマスコミ報道されました。

 私も、大会の翌朝、現地に行きましたが、本当に無残な姿に変わっており、子どもたちの落胆の姿が目に映るようでした。

 幸い、県立「嘉穂総合高校」の学生たちが育てていたヒマワリの苗500本が贈呈され、8月9日、地元の幼稚園児や小学生とともに植付け作業が行われ、いま、元気に咲いています。

 この場を借りて、県立「嘉穂総合高校」の生徒さん達には改めて感謝申し上げたいと思います。

 さて、質疑を続けますが、これまで長く愛されてきた「大濠花火大会」が、突然に中止すると言われても、市民の一人としても、納得しがたいところがあります。
 そこでお聞きします。

【公園街路課長:質問3】
「大濠花火大会」ですが、そもそも、いつ頃から開催され、今日まで続いてきたのか、歴史的なことについてお答えください。

【公園街路課長:答弁3】
 ルーツは「福日百道納涼花火大会」という西日本新聞社の前身である福岡日日新聞が昭和6年から開催していた花火大会。
 第二次世界大戦により「福日百道納涼花火大会」は中止されたが、戦後間もない昭和24年、戦没者の鎮魂と戦後復興を目的に、西日本新聞社の主催により現在の「西日本大濠花火大会」として新たに開催。
 昭和42年から53年の間一時中断されたが、福岡市民からの強い要望もあり、昭和54年、福岡市制90年、大濠公園開園50年を機に再開。
 その後、県が大濠公園池の大規模改修工事を実施した昭和63年を除き毎年開催され、今年で56回目であった。

 「大濠花火大会」が、長い歴史を経て続いてきたことは判りました。
 そこでお聞きします。

【公園街路課長:質問4】
 県営の「大濠公園」ですが、その公園を花火大会の場所として提供してきた県としては、これまでどのような支援を行ってきたのか。支援してきたのであれば、その内容についてお答えください。

【公園街路課長:答弁4】
 開催場所としての大濠公園の提供。花火打上の支障となる園内樹木の剪定。花火大会前日及び当日の園内巡回の強化。花火大会翌日の園内及び周辺道路の清掃等を実施してきた。

 県としても大会の運営に寄与してきたことは判りました。
 来年以降、西日本新聞社主催での花火大会は開催されないとしても、大濠公園の花火大会がなくなってしまうことへの寂しさとともに、街の活力がそがれてしまうのではないかという声も聴かれます。

 地元の方からは、「広く市民や企業などから募金を集め、NPOや実行委員会形式などで花火大会を続けることはできないのか。」といった声も上り、問い合わせも受けています。

 そこでお聞きします。

【公園街路課長:質問5】
 来年以降、もし、他の企業やNPO、実行委員会形式でも、大濠公園で花火大会を開催したいといった要望が出た場合、県として許可するのか、お聞きします。

【公園街路課長:答弁5】
 公園管理者として、花火大会見物客を含め、公園利用者の安全確保が一番に優先されるべきであると考えている。
 警察や消防、交通局等の関係機関と協議を行い、安全対策をきちんと実施した上で、大会が運営されるのであれば、これまでどおり大濠公園での開催は可能。

 最後に、部長に、一点、指摘と提言をしておきたいと思います。

 「大濠公園」は、普段、ランナーの方々が走られる際は、反時計回りに走られます。自転車もだいたい同じですね。

 ところが、花火大会のときは、見物客は時計回りにも、反時計回りにも移動し、まさに入り乱れるわけです。こうしたことから、「ヒマワリ花壇踏み倒し事件」も起こったのではないかと思います。

 いずれからの企業や団体が、今後、「大濠公園」で花火大会が開催するようなことがあるとするならば、見物客はいろんな個所から「大濠公園」に入って来るわけですが、公園内を移動するときは、すべて同じ方向に動く、半時計方向に移動する様にすべきということを申し述べたいと思います。

 そうすることで、今回のヒマワリ花壇の踏み倒し事件や、見物客が鉢合わせになるようなことが防止され、雑踏事故も減り、より安全な運営に務められると思いますで、この点についてしっかり検討して頂きますよう提言しておきたいと思います。

 以上、質問を終わります。

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