県議会質問

2016年3月7日

「民泊」に対する本県の対応について

 「民泊」を巡る苦情・通報について、読売新聞がまとめた調査結果では、2012年度以降、旅館業の許可権限を持つ政令市など全国95の市と区のうち33の市区で、近隣住民らからの苦情・通報が368件寄せられているということです。

 また、新宿区保健所衛生課が昨年12月末にまとめた「旅館業の相談・苦情対応状況について」では、「民泊」に関し、宿泊者とのトラブルで警察に通報された事例が挙げられており、

  • 真夜中に、傘を盗まれたり、植木鉢を割られるなどの被害を受けた。
  • ナイフを持った外国人宿泊者が自宅敷地内に入り、木を切っていたため警察に通報した。
  • 自宅敷地内に入り、勝手に物干し竿に多くの洗濯物を干したので警察に通報した。
  • 夜中に大音量の音楽を流すなど騒ぐため、警察に通報した。
  • などが列挙されています。

 こうした宿泊者と近隣住民とのトラブルに加え、海外では、部屋で買売春が行われて逮捕者が出たという事例もあります。

 『旅館業法』では、不特定多数の方が利用するホテル・旅館等に対しては、宿泊者の身元を確認するためパスポートの提示や記録の徹底が求められています。

 宿泊者の身元確認などの管理が甘くなれば、違法薬物の使用・売買、テロなどの犯罪行為に対する事前防止、抑止力が低下するのではないかと懸念するとことです。このように治安や社会的安寧秩序の観点からも、「民泊」に対する許認可、規制、監視などが必要と考えられます。

 そこで、警察本部長にお伺いします。

 現在、福岡県内でも「民泊」が広がっている実態を踏まえ、今後も市外・県外、外国からの宿泊者が増加することを考えれば、「民泊」に関して、いつ何時、宿泊者と周辺住民とのトラブル等で警察へ通報があるかわかりません。買売春、薬物使用に関する悪質な犯罪の発生に備えることも必要です。

 一軒家やマンションなどの集合住宅で旅館業を営む、いわゆる「民泊」と呼ばれる宿泊サービスが解禁される方向にあるなか、今後、このようなサービスに係るトラブルの増加が危惧され、監視が必要であると考えますが、警察が違法な宿泊サービスを認知した場合、どのように対応されるのか、お答えください。

【警察本部長答弁】

  • 違法な宿泊サービスを認知した場合、事実関係を把握するとともに、県や保健所を設置する4つの自治体の担当課に対して情報提供を行い、対応を協議している。
  • 具体例としては、昨年11月、無許可で宿泊客を募っていた業者に関する情報を入手し、その対応につき県と協議をした事案がある。本件については、県から行政指導が行われたものと承知している。
  • 県警察においては、今後も県などの関係機関と緊密な連携を図るとともに、刑事事件として取り上げるべきものがあれば、法と証拠に基づき適切に対応していく。

 この項の最後に、県内各地にある旅館の活用と観光振興についてお聞きします。
 福岡市は、昨年末、人気音楽グループの福岡公演がある期間に限って「民泊」を認めるという、「民泊」活用を試験的に始めました。コンサートの前後、市内のホテルが不足するというのがその理由です。

 市内のホテルが不足するから「民泊」を認めるという、利用者側や提供者側にとってはうれしい施策であるように思われますが、議論や施策がいささか拙速な感は否めません。

 すなわち、福岡市の中心部からだと、博多温泉、二日市温泉、脇田温泉、薬王の湯。さらに、船小屋温泉、筑後川温泉、原鶴温泉など、いずれも車で30分から1時間も移動すればゆっくり温泉に入り、宿泊できる旅館がいくつもあります。

 こうした旅館は、素晴らしい施設や料理、充実したサービス、良質の温泉を備えていながら、宿泊者がなかなか伸びない状況にあります。観光庁が公表した2015年の速報値では、福岡県内の旅館の稼働率は32.7%にとどまっています。

 そこで知事にお伺いします。
 ホテル不足を理由に「民泊」解禁、「民泊」推進という議論が先行しているように思えるのですが、県内の温泉地や旅館を旅行者や旅行業者に情報発信し、併せて観光振興に活かすというのがまずは大切だと思いますが、知事のお考えをお示し下さい。

【知事答弁】

  • 本県には、博多、二日市、原鶴、筑後川、船小屋、脇田などの温泉地のほか、柳川、宗像、糸島、篠栗をはじめ、県内各地に、日本の良き文化、食、自然を感じることのできる旅館がたくさんある。
  • しかしながら、観光庁の平成27年宿泊旅行統計調査の速報値によれば、本県の旅館の稼働率は、32.7%で、全国32位となかなか利用が進んでいないという実態がある。
  • 県としては、こうした旅館の利用を促すことで、都市部のホテル不足の解消につなげていくことが大事だと考えている。
  • 今年度、「福岡よかとこ旅行券事業」において、航空券と温泉旅館の宿泊パッケージ商品や、温泉地を巡るバスツアーに対して特別割引を実施したところ、大変好評で、県内外から観光客に来ていただいた。
  • また、地元の旅館でも、ダイレクトメールによるPR、施設近隣の観光情報の発信、お客様向けの提供飲料の充実など、独自の取り組みも活発になってきている。
  • 今後は、さらに、地元の旅館や福岡県観光温泉地協会、福岡県観光連盟と連携しながら、
  1. 福岡県の観光情報ウェブサイト「クロスロードふくおか」で提供する旅館情報の充実
  2. 国内外の観光商談会や旅行会社との商談会における旅館情報の提供
  3. 宿泊施設の外国人観光客受入拡大に向けた勉強会の開催

  これらの取組みを通じて、旅館の利用促進を図ってまいる。

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