県議会質問

質問日:2017年3月16日(木)

環境費:「ツマアカスズメバチ対策について」、「福岡県地球温暖化対策実行計画」

 民進党県政クラブ県議団の原中誠志です。
 発言通告に従い、「ツマアカスズメバチ対策について」、「福岡県地球温暖化対策実行計画」について質問します。

 最初の項は、「本県のツマアカスズメバチ対策について」です。

 私は、2015年10月の「決算特別委員会」において、「本県のツマアカスズメバチ対策について」質問しました。

 そのとき、対馬市での視察にふれ、ツマアカスズメバチによって日本古来の原種でもある二ホンミツバチが捕食されるなどの影響により、個体数は三分の一に減少、ハチミツの収穫量は最盛時の五分の一以下にまで激減するなど、養蜂業へ大きな影響が出ており、更に、ミツバチの減少による農作物への影響について述べました。

 私の質問対し、小川知事は「ツマアカスズメバチは生態系にも大きな脅威を与えることから、環境省は2014年3月、ツマアカスズメバチを特定外来生物に指定し、その駆除に乗り出している。」と答弁され、環境省、本県、北九州市と一体となって駆除に取り組むと答弁されました。

 実際、その駆除については、ツマアカスズメバチの女王蜂が越冬から活動を開始する春先、ちょうど今頃ですが、ペットボトルを使ったトラップが有効ということから、環境省は対馬市ならびに九州各地でもトラップの対策を実施しているということですが、対馬市では、このペットボトルを使ったトラップが有効に機能しているということです。

 そこで、あらかじめ、ツマアカスズメバチの巣が激減したという新聞記事を持ち込み資料として準備していますので、委員長にお取り計らいをお願いします。

【持ち込み資料の配布】

—問1
 まず、この持ち込み資料に基づき質問します。
 環境省が実施した対馬市での駆除についての新聞報道について、県としてどのように認識されているのか、見解をお示しください。

【自然環境課長答弁】
 配布いただきました資料ですが、国では、対馬市でのツマアカスズメバチの生息数を抑制し、拡散を防止するため、ペットボトルに発酵させた乳酸菌飲料を入れたわなを発案し、昨年の春に地元住民の皆さんの協力を得まして、島内2,400ヶ所にわなを設置し、女王バチの捕獲を試みたところです。
 この結果、7千匹以上の女王バチの駆除に成功し、これまで増加傾向の続いておりました島内の巣の確認数は、平成27年度の259個から平成28年度の49個に初めて減少しております。
 対馬市におけるこの駆除につきましては、このわなを作ることは容易で、住民の皆さんの協力を得やすいことから、多数のわなを同時に設置することができるという特長がありまして、ツマアカスズメバチの生息数の抑制や拡散の防止に一定の効果が期待できるものと認識しております。


 次に、先ほども少し触れましたが、環境省は本県内でもトラップの対策を実施しているということであります。

 そこで、あらかじめ執行部に対して「ツマアカスズメバチに関する生息状況調査、侵入監視調査の結果報告」について資料要求しておりますので、委員長のお取り計らいをお願いします。

【資料配布】

—問2
 執行部に、この資料の説明を求めるとともに、併せて、この調査において、県はどのように国と連携してきたのか、お答えください。

【自然環境課長答弁】
 資料に基づき、調査結果を説明いたします。
 表1は、過去にツマアカスズメバチが確認された地域で国が実施しております、生息状況調査の結果でございます。平成27年9月に生息が確認された北九州市と隣接する下関市、平成28年5月に確認された宮崎県日南市、この2地域で各4回の調査を実施しまして、延べ627個のわなを設置いたしましたが、捕獲されておりません。
 表2は、釜山や対馬と客船や貨物船の往来がある九州内の港湾で実施しております、侵入監視調査の結果でございます。14の港湾におきまして各2回の調査を実施いたしましたが、日南市の油津港で1匹が捕獲された以外は、捕獲されておりません。
 この侵入監視調査では、国と各港湾を管理する県や市が連携して調査を実施しており、具体的には、国が調査の場所やその時期を設定し、わなの材料の調達、また捕獲された個体の種類の確認を行っております。県や市はわなの設置に関する連絡調整並びにわなの作製、設置及び回収を行っております。
 本県では、三池港周辺での調査について、国と協力して実施したところでございます。


 調査の結果、本県では、北九州市の発見以来、ツマアカスズメバチの巣は見つかっていないということですが、今後、県内に侵入してくる可能性はあると思います。

—問3
 一旦、ツマアカスズメバチが定着した場合、養蜂業や生態系などへ多大な影響が想定されるため、侵入の早期発見が重要と考えますが、県として、今後どのような取り組みを進められるのか、お聞かせください。

【自然環境課長答弁】
 外来種の対策につきましては、侵入を早期に発見し、侵入の初期段階で効果的な駆除を行うことが重要ですが、繁殖力が強いツマアカスズメバチについては、より一層、早期発見、早期駆除が重要であると考えております。
 侵入を早期に発見するためには、侵入監視調査の継続が必要であることから、これまでも繰り返し、この調査の継続を国に要請してきたところです。その結果、国では平成29年度も調査を実施することとしており、本県も、引き続き協力してまいります。
 また、ツマアカスズメバチの発見情報の収集につきましては、平成27年度以降、害虫駆除業や養蜂業の皆さんに情報提供をお願いするとともに、県ホームページや市町村の広報誌を通じて県民の皆さんにも情報提供を呼び掛けているところです。
 このような取組みも継続いたしまして、ツマアカスズメバチの早期発見に引き続き努めてまいります。


 ただいま、ツマアカスズメバチ対策について質問させて頂きましたが、この項の最後に、部長に要望を致します。

 対馬市で行われた環境省の駆除については、仮に本県にツマアカスズメバチが定着した場合でも、有効な駆除の手段と確認しました。

 今後、本県でツマアカスズメバチの確認数が増加した場合においては、国に対して、対馬市と同様の対策を取るよう求めるとともに、県は国と協力して徹底した防除に取り組まれますよう要望し、この項の質問を終わります。


 次に、「福岡県地球温暖化対策実行計画について」質問します。

 あらかじめ、「福岡県地球温暖化対策実行計画」を持ち込み資料としておりますので、この資料に添って質問します。

—問1
 県が策定しました「福岡県地球温暖化対策実行計画」について、まず、1P、第1章「計画策定の背景」の項目についてですが、「大気や海洋の温暖化」との表現があります。しかしながら、地球の気温変動、海面水位の上昇は記されているものの、海水温の変動が書かれていないのはなでしょうか、お答えください。

【環境保全課長答弁】
 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書には地球温暖化の科学的知見が色々記載されていますが、県の計画では、県民の皆さんに地球温暖化の状況についてわかりやすく示すため、大気と海洋の代表的な影響である平均気温の上昇、海面水位の上昇を記載しています。


—問2
 次に、18P、第3章の「福岡県の地域特性」には、自然的条件の地勢において、筑前海、有明海、豊前海の三つの海に面していると記されています。しかし、ここでも平均気温の上昇については記載があるものの、海水温についての記載はありません。どういう理由によるものなのか、お聞かせください。

【環境保全課長答弁】
 気象庁によると、日本周辺海域における海面水温にも地球温暖化の影響が現れていると考えられるが、 評価している領域が狭いことから、自然変動の影響を受けやすく、水温の上昇が必ずしもすべて温暖化の影響といえるわけではないとされていることから、記載していないものです。


—問3
 次に、3P、(3)「地球温暖化の影響」の部分の分野別項目について、7分野が示されていますが、「食糧問題」という分野はありません。
 また、30P、2.「将来推計」、(1)「活動量の推計」、表4-4「将来推計の設定根拠」にも「食糧問題」という項目がありません。

 農業、森林・林業、水産業の分野には、一等米比率の低下やマイワシ等の北方への移動等、食糧問題につながる影響が指摘されているものの、病害虫の発生増加や山地災害の発生頻度の増加といった環境変化についても同列で並べられています。
 したがって、気候変動の影響という分野は、食糧問題と自然環境変化というふうに分けたほうがいいと考えますが、県のお考えをお示しください。

 更に、42P、第6章「福岡県における地球温暖化対策」においても、施策体系に「食料問題」、「自然・生活環境への影響」というのを分けて入れる必要があると考えるが、県のお考えをお示しください。

【環境保全課長答弁】
 国の適応計画では、7つの分野における気候変動の影響による評価結果の概要と今後の適応に関する基本的な施策がまとめられております。
 県の計画も国の計画との整合を図るため、この区分に従い整理しています。
 この計画においては、農業、森林・林業、水産業の分野での気候変動の影響として、一等米比率の低下などの食糧に関することに加え、マイワシ等の北方への移動などが記載されており、食糧問題はこの中に包括されています。
 また、森林荒廃等による山地災害などの発生頻度の増加等についても、農業、森林・林業、水産業の分野に関係することから併せて記載されています。


—問4
 50P、二酸化炭素固定化のための県産材の長期的利用というのはありますが、地球上でもっともCO2を吸収しているのは海、海洋です。その点についての認識をお聞かせください。

 また、海水温の上昇とCO2固定化の因果関係についてお答えください。

【環境保全課長答弁】
 地球上で最もCO2を吸収しているのが海であることは認識しておりますが、海洋の吸収源対策については、県が独自に施策を行うことが難しいことから、計画に記載をしていないものです。
 なお、国の計画においても、この記載はありません。
 また、気象庁のデータによりますと、2000年代の平均で海洋は人為起源二酸化炭素排出量の約3割を吸収しているとされ、その量は増加傾向にありますが、海水温の上昇とCO2固定化の因果関係については、現在のところ明らかになっておりません。


—問5
 54P、2.「気候変動の影響への適応」の(1)「農林水産業に関する対策の推進」という項目では、高温条件下でも高品質、安定生産できるコメの開発を進めるといったことは示されていますが、果樹はどうなっているか、花きはどうか、畜産は、養鶏はどうなっているのか、その対策を伺います。

【環境保全課長答弁】
 計画の中には、水稲、果樹の栽培技術の開発に取り組むことを示しており、農業産出額に占める割合が高い野菜、果樹、花きについては気候に左右されにくい耐候性ハウスの導入を推進していくこととしております。
 畜産・養鶏については、畜産農家における暑熱対策として、機械・施設の整備に対する支援を行うこととしています。


—問6
 次に、水産業における対策では、「海水温や赤潮情報等の定期モニタリング結果を県HPで公表し、漁業者へ注意を促す」としていますが、これは海水温の上昇という問題提起なのか、お考えをお示しください。

 更に、「漁業者へ注意を促す」とはどういうことなのか、併せてお答えください。

 加えて、内水面漁業についての考えはどうなのか、重ねてお答えください。

【環境保全課長答弁】
 水産業における対策では、海水温の上昇だけではなく、塩分、藻場の状況など漁業環境の変化を的確に把握するためのモニタリング調査を行い、情報提供するものです。
 漁業者に対し、モニタリング結果を情報提供することにより、漁業環境の変化についての意識づけを行うものであります。
 国の「気候変動の影響への適応計画」によると、内水面漁業が気候変動により受けた影響はまだ顕在化していないことから、県の地球温暖化対策実行計画において、内水面漁業についての記載は行っておりません。


—問7
 今回の質問では、「国が示してないから」とか、「国がそうしているから」といった答弁が際立ち、「福岡県地球温暖化対策実行計画」としながら、国のカーボンコピーといった感がめだちます。
 国にないから、国が示してないから、県の計画にも謳えない、盛り込めないというのではなく、むしろ国が示していないからこそ、あえて本県の計画には入れた、独自の項目を加えたという姿勢がほしかったと思います。

 そこで最後に、部長の決意をお聞きしたいと思います。
 「福岡県地球温暖化対策実行計画」は完成されたものだということで、文言等の加筆・修正、項目の追加は難しいということですが、この計画に基づき、今後、各部局、課ではそれぞれ事業計画を実施することになります。

 計画に記載されている施策を着実に実行するためには、環境部が音頭を取るというか、陣頭指揮をとって、全庁あげてこの計画に示された施策を実行する必要があると思います、部長の決意をお聞きします。

【環境部長答弁】
 地球温暖化は、最も重要な環境問題の一つであり、その影響は幅広い分野に及ぶことから、全庁的に対策を推進する必要があると考えております。
 このため、地球温暖化対策として、徹底した省エネと再生可能エネルギーの導入促進などの温室効果ガスの排出削減と、気温の上昇による農産物の品質低下や動植物の活動範囲の変化など、気候変動による被害を最小限、あるいは、回避するための適応策について、全庁一体となって取り組んでまいります。
 環境部としては、積極的に温暖化に対する最新の知見や国の施策などの情報提供を行うとともに、進捗状況の把握・評価・管理などを行い、この計画の着実な実施のためのリーダーシップを発揮してまいります。 

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