県議会質問

質問日:2017年3月17日(金)

生活労働費:「県自転車条例案の基本姿勢について」

 民進党県政クラブ県議団の原中誠志です。発言通告に従い、「福岡県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」について質問します。

 私はこの間、本県議会での一般質問、予算特別委員会、決算特別委員会において、自転車通行空間の整備並びに自転車販売規制条例の制定を強く求めてきました。

 このような過去の質疑応答も踏まえ、県として、今議会に「福岡県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例案」を提案されていると認識しているところであります。

—問1
 そこで、お聞きします。
 執行部が今議会に提案しています「福岡県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例案」について、その特色についてお答え下さい。

【生活安全課長】
 本県条例の特色は、4点ございます。一つ目は、県民の皆様に遵守していただきたいルールやマナーを、自転車利用者の責務として規定したことです。
 二点目は、子どもに対するヘルメットの着用や高齢者に対するヘルメットの着用の助言を、保護者や高齢者の家族の努力義務としたことです。
 三点目は、小売業者は、購入者に対して、自転車の安全で適正な利用のために必要な情報提供や助言を行うこととしたことです。
 最後は、自転車利用者に自転車損害賠償保険等への加入の努力義務を課したことです。


—問2
 また、他県でも同様な自転車条例が制定されていますが、本件の条例案と比較してどこが違っているのか、特徴的な点についてお答えください。

【生活安全課長】
 現在、自転車の安全利用に関する条例は、全国の11都府県で制定されております。これらの条例と比較して、本県の条例案は、主に次の2点で特徴がございます。一点目は、自転車利用者の責務の中に、全国の条例で初めて規定される2項目を入れたことです。ひとつは、「ブレーキを備えていない自転車を運転しないこと」、もう一つは「酒気を帯びて自転車を運転しないこと」でございます。
 特徴の二点目は、先ほど条例の特色でご説明いたしました、自転車小売業者等による情報提供の義務化でございます。これも、京都府、兵庫県に次ぐ全国3例目の規定となっております。
 なお、兵庫県、滋賀県、大阪府の条例においては、自転車利用者に損害賠償保険等への加入が義務づけられております。


 この間、私が議会で執行部に求めてきた条例づくりのポイントは二つあって、一つは、自転車の販売にあたっては、ライト、ブレーキを付けて売らなければならないという、販売店側の義務についてです。

—問3
 そこでお聞きします。
 本県の条例に、必ずライトをつけて販売する、ブレーキのない自転車、いわゆるピストバイクを販売してはならないという規制を盛り込む必要があると考えますが、執行部側のお考えをお聞かせください。

【生活安全課長】
 道路交通法では、「夜間におけるライトの点灯」、「ブレーキを備えていない自転車の運転禁止」など、自転車利用時の規制はあるものの、ライトやブレーキのない自転車の販売禁止など、自転車販売時の規制はございません。
 ライトやブレーキのない自転車の販売を条例で一律に規制することは、道路交通法とは別に、憲法で保障されている小売業者の営業の自由との関係で問題があると判断いたしました。
 しかしながら、「夜間におけるライトの点灯」や「ブレーキを備えていない自転車の運転禁止」などについては、利用者には必ず守っていただきたいとの思いから、それに替わる措置として、小売業者が購入者に対して、道路交通法上の遵守事項や、保険加入の努力義務など、自転車の安全で適正な利用のために必要な情報を提供することを義務づけたところです。


—問4
 いまのお答えでは、自転車販売規制条例は難しいということでした。その代わり、自転車小売り業者等による情報提供を義務化ということですが、情報提供が適正に履行されることが大切だと思います。

 県として、自転車小売り業者等による情報提供について、どのような指導と支援を行うのか、お聞かせください。

【生活安全課長】
○ 小売業者等による情報の提供につきましては、業者等に対する十分な周知の期間が必要なため、10月1日施行を予定しております。県では、施行前に、道路交通法上の遵守事項や保険加入の努力義務など、必要な情報を掲載したチラシを作成し、小売店に配布します。
○ 具体的には、事業者の組合に加入している小売店には、組合を通して配布するとともに、組合に加盟していない小売店には、県が直接、配布を依頼してまいります。
○ さらに、市町村に対して、管内の小売店へのチラシ配布を依頼する予定です。


 つぎに、自転車保険の加入義務付けについて質問します。

 私が、これまで執行部に求めてきた自転車条例づくりの最大のポイントは、自転車利用者への自転車保険の加入義務付けであります。

 これまでの質問でも、自転車事故に係わる損害賠償事案については何度か申し述べましたが、自転車事故における加害者側の損害賠償額は年々、高額化しており、今日では、相手を死亡させた場合の保障額は1億円が相場といわれています。

 自転車で歩行者をはねて死傷させ、運転者が高額な賠償を命じられる判決は各地で相次いでいるなか、「交通事故弁護士全国ネットワーク」代表の古田弁護士は、「加害者が経済的に困窮している場合、被害者は泣き寝入りするしかない」と話しています。

 被害者も、加害者も、家族さえも悲惨な状況になるのはなぜか、それは自動車の所有者が損害賠償保険に入っていないからと指摘しています。

 こうした自転車事故に係る損害賠償請求の事実がありながら、今回の提案条例には、一番大事な点である自転車損害賠償保険等への加入義務が抜けています。

—問5
 そこで質問です。
 今回の条例案では、自転車損害賠償保険等への加入が、義務ではなく、努力義務となっていますが、その理由について執行部の見解をお聞きします。

【生活安全課長】
 昨年11月、学識経験者等の専門家で構成する「福岡県自転車安全利用の促進に関する検討委員会」を設置しました。
 検討委員会からは、ひとつは、自転車には、車両の登録制度がなく、自転車利用者の保険加入の確認が困難なこと。二つ目に、自転車は、広く社会に普及している一方で、現状では、自転車保険は、「高齢者が加入できない」、「保険料が高い」といったものも多く、誰もが気軽に入れる保険が少ないこと。という理由で、「条例では、保険加入は努力義務を基本とする。」という提言をいただきました。
 また、昨年制定された自転車活用推進法の附則には、「政府は、損害賠償を保障する制度について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。」と規定されました。
 これらのことを総合的に勘案し、努力義務としたところです。


 自動車やオートバイの事故に比べ、自転車事故は軽視されがちですが、今日、自転車事故の被害者やその家族から、事故の加害者に対する厳罰化が求められており、司法の現場ではそういう流れになっていくということです。

 警察庁が発表した2016年の交通事故調査によれば、自転車が関連した事故は90,836件で、交通事故全体499,201件の18.2%を占めており、このうち、自転車と歩行者の事故は2,281件、死亡事故は509件となっています。
 自転車側が過失の大きい「第1当事者」となった事故のうち未成年の占める割合は約4割に上るといわれています。すなわち、「自転車事故の加害者」の4割が未成年ということであります。

 こうした過去の損害賠償支払いの事例を踏まえ、更には「自転車事故の加害者」の4割は未成年という実情を踏まえ、私は自転車販売にあたっては自転車保険の加入を義務づける必要があると訴え続けています。 

—問6
 そこでお聞きします。
 今回の条例案には自転車保険の加入義務付けは見送られましたが、私は条例見直しの付則を付けるべきだと求めてきました。

 その結果3年を目途に必要があれば見直すという「見直条項」が付きましたが、そこで、この付則に基づき、3年後の条例見直しの際には自転車保険の加入を努力義務から義務化へ見直すべきだと思います。その点について、執行部の考えをお聞きします。

【生活安全部長】
 検討条項につきましては、自転車活用推進法の附則で、政府は、「道路交通法違反行為への対応の在り方」及び「損害賠償を保障する制度」について検討を加えることとされたこと、また、昨年増加した自転車関連の死亡事故や増加傾向にある対歩行者事故の今後の推移に注視する必要があることを踏まえ、規定したところであります。
 条例の見直しにあたっては、政府が行う検討状況や自転車関連事故の発生状況などを勘案してまいりたいと考えております。


 いま、お答え頂きましたが、3年後の条例見直しに向け、今後、勘案していくということでした。

 私は、はっきりと3年後の条例見直しの際には、自転車保険の加入を努力義務から義務化へ見直すという答弁が聞きたかったわけであります。

—問7
 そこで、部長にお聞きします。
 3年後の条例見直しについて、私が求めるような内容で見直しをされるのかどうか、部長のお考えをお示しください。

【人づくり県民生活部長】
 先ほど課長が答弁いたしましたが、国においては、道路交通法違反行為への対応の在り方や損害賠償を保障する制度について検討されることとなっております。また、自転車関連の死亡事故や対歩行者事故が、今後、どのように推移していくのかについても、注視して行く必要があります。
 こうした自転車を取り巻く状況を十分に勘案し、必要があると認めるときは、条例の規定について検討してまいりたいと考えております。


 保険の加入を条例で義務化している府県は、兵庫県、滋賀県、大阪府があります。すでに、先駆的な条例を制定している府県があるわけですから、本県でもできないわけではないと思います。

 そこで、最後に部長に要望です。
 兵庫県、滋賀県、大阪府といった先進県を参考に、是非とも、3年後の条例見直しの際には自転車保険の加入義務付けを果たして頂くよう強く要望し、私の質問を終わります。

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