Ⅲ 視察報告

3.苫小牧市「ほっき貝資料館」視察

17-01-31 2-2 スポ新・国際交流特別委「北海道視察」:苫小牧市「ほっき貝資料館」.jpg苫小牧市「ほっき貝資料館」 札幌市から洞爺湖町に向かう途中、苫小牧市内の卸売市場内にある食堂で昼食を取りました。その際、同じ敷地内に苫小牧市「ほっき貝資料館」というのがありましたので、立ち寄りました。

 「ほっき貝資料館」は苫小牧の街づくり市民グループ「ゆうべあまちづくりネットワーク」がボランティアで運営している民設の施設です。

 苫小牧市内は、全国でも有数のほっき貝の産地です。食堂では、ほっき貝を使った料理が数多く提供されており、卸市場ではほっき貝をはじめ、海産物が数多く売られていました。また、市や漁業者、加工業者、観光業者はほっき貝を使った「ほっき貝カレー」や「ほっきラーメン」、「ほっきチャーハン」など、加工食品の開発が進められています。
 この資料館では、ほっき貝について楽しく学ぶことができる施設となっています。

 入り口を入ると、ほっき貝の貝殻を用いた「ほっき絵馬」が大量に吊るされていました。通常は木製の絵馬ですが、ほっき貝の貝殻を用いた「ほっき絵馬」に、驚きやら可笑しさやら、ほのぼのとした印象でした。

4.洞爺湖町「洞爺湖観光情報センター」視察

17-01-31 2-5 スポ新・国際交流特別委「北海道視察」:洞爺湖・中の島、羊蹄山.jpg洞爺湖と中の島。奥に見えるのは羊蹄山

17-01-31 2-6 スポ新・国際交流特別委「北海道視察」:「北海道洞爺湖サミット記念館」、「洞爺湖観光情報センター」 原中 .jpgセンター全景

(1) 「NPO法人洞爺にぎわいネットワーク」

 次に訪れたのは洞爺湖町「洞爺湖観光情報センター」で、そのセンターを拠点に活動している「NPO法人洞爺にぎわいネットワーク」を視察しました。

(2)当日の対応者

17-01-31 2-7 スポ新・国際交流特別委「北海道視察」:洞爺湖観光情報センター NPO法人「洞爺にぎわいネットワーク」説明.jpg・NPO法人洞爺にぎわいネットワーク  
  理事長   福井 政吉
  副理事長  永井 信久
  事務局長  大場 優
・洞爺湖町役場観光振興課・温泉支所 
  課長・支所長 佐々木 清志

(3)設立経過

 過去3回の「有珠山噴火」(1944~45、1977~78、2000年噴火)の影響により、洞爺湖町の基幹産業である観光は衰退、町は大きく疲弊しました。
 そこで、町民が安心して生活が出来、噴火前のにぎわいを取り戻すべく、住民ネットワークによる町づくり・ホスピタリティー運動を起こそうということで、町民の自発的な活動が起こりました。それが「NPO法人洞爺にぎわいネットワーク」です。

(4)活動目的

 「NPO法人洞爺にぎわいネットワーク」は、洞爺湖町及び周辺住民に対して住民ネットワークによるによるまちづくり、ホスピタリティー運動の推進など地域住民が主体となって、地域活性化に関する事業を行い、街づくりに寄与することを目的としています。

(5)事業概要

 「洞爺湖町を訪れよう」、「洞爺湖町を訪れたい」という街をつくるため、洞爺湖町として何をやるか、何ができるかと議論した結果、洞爺湖町のアイデンティティーとポテンシャルを活かした街づくりを進めるしかないということになり、大きく二つの事業に取り組むこととし、それも町民によるボランティアで実行しています。

 一つには自然環境を活かした観光事業とスポーツ事業とを融和させ、町外から人を呼び寄せようというものです。
 具体的には、見る・参加する・育成するスポーツを「観光事業三本の矢」とし、「洞爺湖マラソン」や「アイアンマン・ジャパン」、「ツーデーマーチ」などを実施した結果、世代を超えて人気を集め、スポーツイベントに集う人々が地域に活力を与えています。
 さらに、野球やサッカー・フットサル、セパタクローの大会や合宿誘致、地域に密着したスポーツチームの運営をおこなうことにより、洞爺湖町の魅力の効果的発信を行っています。
 なお、これらは全て、市民ボランティアとして事業を支えています。

 二つ目は文化事業部門です。道内の酒造組合の方々やホテルと連携した「アジア版銘酒祭り」の開催、「全国大学よさこいチーム」の合宿、中学生の吹奏楽部の強化練習など、洞爺湖文化センターを使い、様々なイベントや合宿などを行っています。
 また、「コンサドーレ札幌」とのスポーツ観光推進に関する相互交流や元・日本ハムの金村暁氏による投手育成プログラムなど、プロの方法を取り入れた「育成プロジェクト」なども計画されており、「スポーツ事業から文化事業まで」をワンストップの事業として、2010年から事業を開始しています。

(6)まとめ

 洞爺湖町は過疎の町であり、ご多分に漏れず財政難の町です。したがって、事業に潤沢なお金をかけるわけにはいかず、必然と町民のボランティアに頼るしかありません。
 今回、お話を聞かせて頂いた「NPO法人洞爺にぎわいネットワーク」の役員の皆様も、もちろんボランティアで、無報酬、手弁当で活動にあたられています。
 ある意味、それは強さでもありますが、誰が、どこまで、いつまでやるのか、次の担い手はどうするのか、これから先もそれでやっていけるのかなど、正直、不安も感じました。町内に残る若者がいれば、そうした若者に次代を託せますが、「子どもたちがいない」という話もされていましたので、「NPO法人洞爺にぎわいネットワーク」の活動が継続できるかどうかは、まさに次代の人材の確保に懸かっていると痛感しました。

5.洞爺湖町「G8洞爺湖サミット記念館」視察

 次に訪れたのは、「洞爺湖観光情報センター」3階にある「洞爺湖サミット記念館」でした。

(1) 「洞爺湖サミット記念館」建設経過

 2008年7月、北海道初の首脳会議・「北海道洞爺湖サミット」では、G8の8カ国のほか、アフリカ諸国、オーストラリア、インド、ブラジルの首脳が、環境問題など、地球規模の諸問題が議論されました。「北海道洞爺湖サミット記念館」は、この地でサミットが開催されたことを記念して作られた資料館です。

(2) 「洞爺湖サミット記念館」の紹介

洞爺湖サミット記念館1.jpg このとき使用した会議テーブルやイスが「洞爺湖サミット記念館」に保存されており、テーブルに座っての記念写真や、参加各国の首脳の集合写真が掲げられており、その写真の前で〝各国の首脳と一緒に写真撮影〟ができます。

洞爺湖サミット記念館2.jpg また、「洞爺湖サミット」で議題となった地球環境への取り組みやサミットの基礎知識、G8の各国首脳の紹介、 ファーストレディーが体験した文化や人々との交流が丁寧に紹介されています。

 更に、各国首脳のお土産紹介、サミット関連の資料も展示されています。

 そして、この記念館の最大の特徴は首脳会議の際に使用された檜山産イタ ヤカエデ製の直径3.5mの円卓の実物や、実際に世界各国の首脳達が実際に座った(値段が付けられないそうです)木製の椅子や、竹材の寄木細工で作られた竹のしなりをクッションとした椅子に座る事もできます。

 G8首脳の等身大のパネルもあり、並んで一緒に記念撮影したり、福田総理が記者会見した壇上で記者会見を楽しむ事もでき、先進国の首脳になった気分を味わえます。