福岡県議会「スポーツ振興・国際交流調査特別委員会」は、2016年1月28日(木)~29(金)の両日、「2020東京オリンピック」ならびに「ラグビーワールドカップ2019日本大会」関係について、「スポーツ庁」、東京都をはじめ、関係機関の取り組みの現状、進捗状況を視察するため、東京都を訪れました。

 今回の視察をもとに、今後、福岡県における「2020東京オリンピック」ならびに「ラグビーワールドカップ2019日本大会」の対策と取り組みをより強化するとともに、市民・県民のスポーツ振興を一層進めます。

Ⅰ.「スポーツ庁」

1.視察日時

 2016年1月28日(木) 午後

2.「スポーツ庁」の発足

 2020年の「東京五輪・パラリンピック」の招致決定を契機に、2015年5月に「文部科学省設置法の一部を改正する法律(スポーツ庁の設置法)」が成立し、設置が決まりました。そして、同年10月1日に発足しました。

文科省に併設して設置.jpg文科省に併設して設置

3.説明会

視察委員.jpg視察委員

「スポーツ庁」職員.jpg「スポーツ庁」職員

4.「スポーツ庁」の設置

 同庁の設置目的は「スポーツを通じて、国民が生涯にわたり心身ともに健康で文化的な生活を営むことができる社会の実現を目指す。」となっています。

 同庁は、文科省の外局として位置づけられ、同省のスポーツ・青少年局を母体に選手強化を担う競技スポーツ課、国際的な大規模大会の招致を担う国際課など、5課体制となっており、スポーツ行政の一元化を目指すとされています。

 また、有識者による審議会も設置され、長官以下、内閣府、外務省、厚生労働省など7府省から23人の出向職員、各団体・機関からの出向職員と泡汗、121人が任務にあたっています。

組織図.png

5.同庁の任務

 同庁の任務は、〇国民のスポーツの振興、〇子どもの体育向上、〇生涯スポーツ、〇競技スポーツの振興の、大きく4つです。
同庁の任務.jpg なかでも、「2020年東京五輪・パラリンピック」の成功は同庁の最大の任務であり、同時に、金メダルの大幅増が求められており、政府が目標に掲げている「20~33個の金メダル」をいかに実現するかが課題であり、同庁では活躍が見込める競技に強化費を集中する方針です。

 2012年の「ロンドンオリンピック」を見ると、金メダルの獲得数は1位アメリカ46個、2位中国38個、3位イギリス(開催国)29個、4位ロシア24個となっており、日本は7個でした。

 日本の過去最大の金メダル獲得数は1964年「東京オリンピック」と2004年「アテネオリンピック」の16個です。したがって、2020年「東京オリンピック」で掲げる30個の金メダル獲得は、相当に高いハードルとなります。

 「スポーツ庁」の仕事は、日本が目標とする〝金メダル30個獲得〟をいかに実願するか、そのために国挙げてのアスリート育成に取り組むか、これにかかっています。

 実際、2012年「ロンドンオリンピック」では、英国は「文化・メディア・スポーツ省」を設置し、「メダル獲得」を第一の目的としてエリートスポーツの強化に力を入れ、金メダル獲得数第3位という結果を残しました。

 従来、わが国のオリンピック強化のための予算配分は、従来、文科省傘下の「JOC」(日本オリンピック委員会)が全て決定権をもっていました。しかし、「スポーツ庁」ができたことにより、同庁が配分の決定権をもつ事になります。2020年「東京オリンピック・パラリンピック」に向け、透明性が高く、効果的な予算活用に期待したいものです。