県議会質問

質問日:2017年3月22日(水)

県警察本部:「本県のJKビジネスへの対策について」、「違法民泊対策について」

 民進党・県政クラブ県議団の原中誠志です。発言通告に従い、「本県のJKビジネスへの対策について」と「違法民泊対策について」質問します。

 最初の項は、「本県のJKビジネス対策について」です。

 「JKビジネス」のJKとは何のことかといいますと、女子高生のことであります。

 警視庁が昨年11月、「JKビジネス対策」についてパブリックコメントを求めた際、「JKビジネス」とは具体的にどのような営業形態であるかということを記載していますが、女子高生に客にマッサージなどをする「JKリフレ」、一緒に街中を歩く「JKお散歩」、客に見学・撮影と称して水着や下着姿を見せる「JK撮影会」、喫茶店やバーその他設備を設け、水着、下着で客に飲食させる「JKカフェ」。

 更には、添い寝、耳かき、お尻枕、はたまた、女子高生がプロレス技を仕掛ける店やら、女子高生の匂いを嗅ぐ店、女子高生が折り鶴を折るのを眺める「JK作業所」など、あの手この手で新手の「JKビジネス」が誕生しています。

 また、ネット上では、「JK」という直接表現を使わなくても、援助交際の「援」、「#サポ」、「#円」といったキーワードで検索を懸けると、それこそ山のように「JKビジネス」がヒットするのが現状です。

 なお、福岡市内でも「女子高生メイドに囲まれ、気分はまさに将軍様! 福岡市の「JKメイドリフレ」というのがネットに出ており、「JK」という用語を使って営業している店舗が見受けられます。

 警視庁が同時に行ったアンケート項目では、「JK店舗」でアルバイトをしている女子高生のうち、家庭での生活に満足していると答えた人は全体の 66%を占め、学校生活に満足しているとした人も多く、家庭や学校に不満がない「普通の女の子」たちの多くが、金銭目的でJKビジネスに関わっていた実態が明らかになっています。

—問1
 そこで総務部長にまずお聞きします。
 いわゆる「JKビジネス」について承知されているでしょうか、お聞きします。

【県警察本部 総務部長答弁】
 いわゆる「JKビジネス」とは、法律上の定義はありませんが、女子高校生などの少年の性を売り物とする新たな形態の営業であると認識しております。


 警視庁は本年2月、女子高生による接客などを売りにする「JKビジネス」で勤務経験がある少女たちへのアンケート結果を公表しました。

 警視庁少年育成課は、昨年6〜7月に『児童福祉法』違反などで摘発した都内のJKビジネス2店舗に勤務した15〜17歳の少女42人に聞き取り調査を行った結果、約半数が勤務を通じて、客との性行為の経験が「ある」と回答しており、見知らぬ客と性行為をすることについて「場合によってはやむを得ない」と回答した人は28%にのぼり、抵抗感の希薄さが浮き彫りになるとともに、買売春の温床にもなっていると指摘しています。

 また、大阪府警は本年1月、「JKビジネス」の実態把握を進めようと、府内の約40店舗を対象に初の調査を始め、店内で少女にわいせつな行為をさせたとして3店舗を摘発、店長ら4人を『児童福祉法違反』(淫行させる行為)容疑などで逮捕した。

—問2
 そこで総務部長にお聞きします。
 本県内の「JKビジネス」の実態についてどのように把握に努めているのか、お聞きします。

【県警察本部 総務部長答弁】
 いわゆる「JKビジネス」の実態につきましては、
 ・福祉犯事件の捜査や風俗営業店などへの立入
 ・街頭における少年補導やサイバーパトロール
 ・地域警察官や少年警察ボランティアなどによる街頭活動
 などの各種活動を通じ、幅広く把握に努めております。


 「JKビジネス」の一部では、〝裏オプション〟と呼ばれる性的サービスが行われているということで、福祉犯罪の温床となっていると指摘されています。

 すなわち、こうした「JKビジネス」については、表向きトークだけという触れ込みですが、カーテンで仕切られた一室の中では、女子高生たちが客と直接交渉して、性的サービスを行っている店もあり、仮に警察が踏み込んできても、店側は『女の子たちが勝手にやっていること』と言い逃れしたり、その店はすぐに移転して、「A」とか、「G」とかの暗号めいた店名に名前を変えて、また同じような形態の店を立ち上げており、警察の捜査や法の規制が、実態に追いついていないというのが現状です。

—問3
 そこで総務部長にお聞きします。
 「JKビジネス」の問題点は何と考えるか、お示し下さい。

【県警察本部 総務部長答弁】
 いわゆる「JKビジネス」につきましては、女子高校生などが、児童買春等の犯罪の被害者となる危険性が高く、少年を健全に育成していく観点などからみますと、色々な問題を孕んでいるものと認識しております。


 いま、総務部長もお答えされましたが、「JKビジネス」については青少年の健全育成を阻害するという問題点があるということで、警視庁は本年2月15日、『特定異性接客営業等の規制に関する条例案』を公表し、東京都議会に提出しています。現在開催中の東京都議会で審議され、成立すれば本年7月に施行されることになります。

 愛知県が「青少年保護育成条例」に規制を盛り込んでいますが、「JKビジネス」に絞った条例は全国初となります。

 ここで、あらかじめ『特定異性接客営業等の規制に関する条例案』の概要について、持ち込み資料としていますので、委員長のお取り計らいをお願いします。

【持ち込み資料配布】

 お手元の『特定異性接客営業等の規制に関する条例案』、いわゆる『JKビジネス規制条例案』をみますと、まず第1条「目的」については、全国で制定されている「青少年保護育成条例」とその内容は、あまり変わりはありません。

 しかし、ポイントは第2条「定義」のところで、特定異性接客営業とはなにか、店舗類型などを細かく示すことで、「JKビジネス」とはどういう形態のことをいうのか、示されています。

 また、第6条から第10条では、特定異性接客営業の届け出、営業所等の設置禁止区域、営業者の禁止行為、宣伝の規制、勧誘行使の禁止が明示されています。

 そして、第12条では営業の停止命令、第17条では警察官による中止命令などができるとされています。なお、第20条から22条には罰則規定も設けられており、警視庁の厳しい姿勢を見ることができます。

—問4
 そこで総務部長にお聞きします。
 「JKビジネス規制条例」について、東京都議会の条例案も参考に、今後、福岡県警察としてもまさに〝機先を制する〟意味でも、「福岡県JKビジネス規制条例」を本議会へ提出する考えはないのか、お聞きします。

【県警察本部 総務部長答弁】
 本県におきましては、平成27年9月福岡市内において女子高生を水着姿で接客させていた店舗、いわゆる「ガールズ居酒屋」を労働基準法違反で摘発しております。

 今後とも少年に有害な環境が認められる場合には、労働基準法をはじめ児童福祉法など各種法令を積極的に適用し、徹底した取締りを推進していく所存であります。

 いわゆる「JKビジネス」をめぐる条例につきましては、本県における実態を踏まえつつ他県の制定状況や効果を見ながら、その必要性について研究してまいります。


 続きまして、「本県の違法民泊対策について」質問します。

 私は、今回の「予算特別委員会」、第3款「保健費」のところで「民泊問題について」質問しました。そのとき、県執行部に対して、県警察との連携について質問したわけでありますが、そのときの質疑応答を踏まえ、県警察に「違法民泊対策について」お聞きします。

 日本国内の民泊の物件数は年々増加しているものの、2014年以降、毎年、無許可民泊の摘発が報告されています。中身はいちいち詳しくは申しませんが、書類送検をふくめ、逮捕、罰金刑の事案もあります。

 「民泊」は現段階では、東京都大田区や大阪府などの「国家戦略特区」で認定を受けたり、『旅館業法』上の「簡易宿所」として許可を得たりすれば営業できますが、厚生労働省が昨年10月から12月、民泊仲介サイトに掲載されている全国の物件1万5,127件について調査した結果、全体の3割は無許可「民泊」であり、東京23区などの大都市部に限ると、「許可」を得ている民泊物件はわずか1・8%しかありませんでした。

 また、民間の民泊会社「Recreator(レクレーター)合同会社」は本年1月23日、日本国内のアクティブ民泊物件数が2016年11月に過去最高の4万件を突破したと発表していますが、民泊専門メディア「Airstair(エアースター)」の民泊合法化率に関する調査では(現行法における民泊の運営方法は、『旅館業法』の簡易宿所の許可を取得する方法と、『国家戦略特別区域法』に基づく『旅館業法』の特例制度を活用した「特区民泊」の2つがある。このうち、特区民泊は東京都大田区や大阪市などに実施エリアが限定されているが、それらすべての認定取得の部屋数は114室)本年1月22日時点で、民泊の合法化率はわずか0.2%という調査結果を公表しています。信じられないくらい、低い数値であります。
 同社は「民泊新法の成立を控えるが、4万件の民泊施設が、『民泊新法』可決後、すべて合法化に移行するかどうかは不透明」と指摘しています。

—問1
 そこで総務部長にお聞きします。
 こうした民泊に係る実態調査などが公表されている中、県警察として、本県内の「民泊」物件の件数、「違法民泊」の実態についてどのように把握に努めているのか、お聞きします。

【県警察本部 総務部長答弁】
 県警察といたしましては、必要により県の担当課や保健所を有する4つの市から情報提供を受けるとともに、警察安全相談、110番処理などの警察活動を通じ、実態の把握に努めております。


 先週3月16日、第3款「保健費」のところで「民泊問題について」質問した際、県行政として、「違法民泊」の営業を確認した際には、保健所等の立ち入り調査をはじめ、行政指導を行うと答弁され、併せて、悪質な業者に対しては県警察への告発も考えているという答弁でした。

—問2
 そこで総務部長にお聞きします。
 「違法民泊」の業者に対して、行政機関からの告発を受けた場合も含め、県警察としてどのように対応されるのか、お尋ねします。

【県警察本部 総務部長答弁】
 お尋ねの件につきましては、個別の事案ごとに判断するものと考えておりますが、一般論として申し上げますと、刑事事件として取り上げるべきものがあれば、法と証拠に基づき適切に対応してまいります。


 「民泊」に関しては、騒音、ゴミ等の放置、他民化等への無断立ち入りなどによって、110番通報されるケースもあると聞いています。

—問3
 そこで、県民からの110番通報などにより、警察官が事案の対応する中で「民泊」を把握した場合の対応はどうされるのか、併せてお聞きします。

【県警察本部 総務部長答弁】
県警察といたしましては、把握した内容につきまして、県の担当課や保健所を有する4つの市に対し情報提供を行い、これら機関との情報の共有を図ってまいります。


 政府は今月、3月10日、「民泊」を本格解禁する『住宅宿泊事業法案(民泊法案)』を閣議決定し、国会に上程しており、審議ののち、可決・成立する見込みであります。

—問4
 そこでお聞きします。
 この『民泊新法』の成立を視野に、今後、県警察としてどのような対応を考えておられるのか、お示しください。

【県警察本部 総務部長答弁】
 県警察といたしましては、新法の動向を注視しつつ、新法が成立した場合は、その内容をよく研究するとともに、県の担当課や保健所を有する4つの市と情報交換を行い、緊密に連携を図ってまいります。


 最後に、県警本部に要望です。

 今日、我が国の「民泊」に対する国内外からの期待は年々高まっております。こうした社会状況を背景に、今国会に『民泊新法』が上程されていると思います。

 私はこれまで議会において、「民泊」については規制と緩和の両方が必要と述べてきました。新法で「民泊」への参入要件が緩和される以上、義務的配慮、すなわち、届け出や登録をきっちり行うとか、今後、決定されるであろう政省令の中身を遵守するとか、そうした業者の義務は当然、発生してくるわけです。

 同時に、「無許可民泊」、行政指導に従わないような悪質な業者については、県警察としてもしっかりと監視し、場合によっては検挙もやむなしという姿勢で臨んでいただきたいと思います。

 以上、要望を申し述べまして、私の質問を終わります。

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