県議会質問
2015年7月8日:予算特別委員会 9款「警察費」
「Airbnb(エアビーアンドビー)」の法律上の取り扱いについて
民主党・県政クラブ県議団の原中まさしです。
「Airbnb(エアビーアンドビー)」の法律上の取り扱いについて質問します。
今回の「予算特別委員会」において、7月3日、第3款「保健費」のところで「Airbnb(エアビーアンドビー)の旅館法違反問題について」質問したところですが、インターネットを通じて宿泊サービスを行う行為、いわゆる「Airbnb(エアビーアンドビー)」については、大変問題も多く、課題もあることが明らかになったところです。
そこで、この問題に対し、県警に以下、質問させて頂きます。
[第1問]
まず、日本各地、特に都市部でマンションや一軒家の空き部屋がインターネットを通じて宿泊場所として借り出されているという、いわゆる「Airbnb(エアビーアンドビー)」という宿泊サービスがあるというのはご存知でしょうか、総務部長にお聞きします。
県警総務部長答弁:
はい、承知している。
[第2問]
存じていたということですが、県内主要都市でこの「Airbnb(エアビーアンドビー)」が行われており、特に福岡市ではサイトの開設数も数多くあります。
インターネット上で、こうしたサイトが数多く開設され、宿泊客を募っているという事実は認識されているのでしょうか、お聞きします。
県警総務部長答弁:
はい、認識している。
今日、旅行をめぐる新しい流れとして、この「Airbnb(エアビーアンドビー)」が注目され、空き部屋を有料で提供したい、利用したいという人も増加傾向にあります。
しかしながら、お金を取って、他人を空き部屋に有料で泊める行為は、これはもう「旅館業法」でいうところの旅館業、簡易宿所営業など宿泊業にあたり、法的に許可を得る必要があります。
この「Airbnb(エアビーアンドビー)」については第3款、保健費のところで質疑を行ったところでありますが、総務部長はそのやりとりをご覧になられていたということでね。
そのときの執行部の答弁では、宿泊場所の提供を行うものが、不特定多数の者を反復、継続して宿泊させ、その対価を得る行為は旅館業法の営業にあたり、旅館業法に基づく許可が必要である。
そして、インターネットを通じて宿泊サービスを行う、いわゆる「Airbnb(エアビーアンドビー)」についても旅館業法の規制の対象となり、許可を得る必要がある。
無許可営業などの違反事例をたんちした場合には、旅館業法に基づき、公衆衛生上の観点から、速やかに改善させることが重要である。
このような答弁、いわば県の見解を示しているところであります。
また、食事を提供する場合は「食品衛生法」に抵触しますし、ネット上であれ「宿泊サービスを取り次ぐ行為」であれば「旅行業法」に抵触することも考えられます。
さらに、旅館業をやる場合には「消防法」、「感染症法」、「建築基準法」、「所得税法」などの関連法令との関係も出てきます。
「軽い気持ち」とまではいいませんが、「空いてる部屋があるから貸し出す」という行為ですが、突き詰めると、さまざまな規制、制限、法の縛りがでてくるのが分かります。
そして、これら関連法令を見た場合、許可を得ずに宿泊サービスを断続して続けるということは、法に抵触することも考えられます。
[第3問]
そこで、こうした業態の宿泊サービスについて、県警としてどのような見解をお持ちなのか、総務部長にお尋ねします。明確な見解をお示し頂きたいと思います。
県警総務部長答弁:
お尋ねの宿泊サービスが、旅館業法に触れるか否かは、個別の事案ごとに判断すべきものであると考えている。
なお、警察は刑事事件として取り上げるべき事案があれば、法と証拠に基づき、適切に対応してまいる。
刑事事件として取り上げるべき事案があれば、法と証拠に基づき適切に対応してまいるという見解であり、県警の並々ならぬ姿勢と決意を示して頂いたところであります。
そこで、
現在、「旅館業法」の監督官庁は県です。個別ケースとして、マンションの住人や、マンションの管理人や管理組合などから、県に対して調査等の要請がきたり、さらにはトラブルが発生するようなことも、今後、考えられます。
2014年5月16日の「日経新聞」の記事によると、警視庁保安課が、東京都足立区で外国人観光客向けの簡易宿泊所を無許可で営んだとして、英国籍の男性を、旅館業法違反で逮捕したとあります。
この容疑者は、前年11月から、木造3階建ての自宅で宿泊施設の営業を開始し、宿泊予約サイトで客を募り、1泊2500〜5000円程度で部屋を提供していたそうです。なお、逮捕容疑は、2014年3月から4月にかけ、足立区長の許可を受けずにタイ人女性ら7人を有料で宿泊させたことだといいます。
保健所が、10回にわたり客室面積が「旅館業法」の基準に満たないことから改善して許可をとるよう指導していましたが、この容疑者は「旅館ではなく、シェアハウスだ」と主張していたということなので、「指導に従わず悪質」ということで逮捕されたわけです。
ここで大切なのは、警視庁保安課は足立区、そして管轄の保健所と密接な連携を取りあい、最終的には「旅館業法」違反の疑いでこの男性を逮捕したことです。
すなわち、行政、保健所、そして警察が連携しあい、ケースに対応したということです。
また、大阪市西成区でも、同様に旅館業法違反で逮捕者が出るというケースがあるということを伺いました。
[第4問]
そこで、県警本部としても、インターネットを通じて宿泊サービスを行う、いわゆる「Airbnb(エアビーアンドビー)」に関する個別ケースに対応するためにも、関係機関との連絡や調整が必要になってくると思います。
県警本部として、関係機関との連絡調整をどのように図られるのか、お尋ねします。
県警総務部長答弁:
県警察としては、県の担当課や保健所を設置している4市等、関係機関・団体と情報交換を行うなど、緊密な連携を図ってまいる。
今日、「Airbnb(エアビーアンドビー)」に対する明確な見解が出されておらず、法対応が定まらないなか、私が心配するのは、たとえば、マーズやインフルエンザ、エボラ出血熱などの感染症が発生しないのか。対策はできているのか。
また、火災に対する対策はとられているのか。更には、買売春の温床とならないのか、大麻やドラッグなど薬物使用といったことは起きないのか、懸念は尽きません。
本日の質問にあたり、福岡市内のマンションでの「Airbnb(エアビーアンドビー)」問題を取り上げた福岡の民放会社の報道について、録画ビデオを総務部長にも見て頂きましたが、大変大きな問題を提起していることがお分かりだったと思います。
同じマンションに住む住民の方々も知らない合間に、外国人を相手に宿泊サービスが行われているということに対し、住民の方々は「驚いた」、「気味が悪い」、「衛生上はないのか」、「治安も気になる」など、大きな不安をもっておられます。
そこで、県警総務部長に要望致します。
インターネットを通じて宿泊サービスを行う行為によって、なにか事が起こってから対応を始めるというのでは遅いと思います。
「旅館業法」に基づかず、無許可で宿泊サービスの提供が行われ、しかも県内各地で行われているという実態に鑑み、県警として、今後、しっかりとこの宿泊サービスの業態を監視して頂きますよう要望申し上げ、私の質問を終わります。
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