Ⅲ 視察報告

3.大牟田市の「産業革命遺産」の活用

今回、視察のために訪れた大牟田市には、多くの石炭産業関連の近代化産業遺産群が残されています。
このうち、「三池炭鉱・宮原坑跡」、「三池炭鉱専用鉄道敷跡」、「三池港・閘門」は、『明治日本の近代化産業革命遺産 九州・山口と関連地域』の一つとして、福岡県挙げて「ユネスコ世界遺産登録」を目指しています。

大牟田市では、市内に残る近代化産業遺産群を「日本の近代化を支え、大牟田の礎を築いたものであり、他地域にはない本市固有の財産」とし、「三池炭鉱」を支えた人々の想いやさまざまな出来事を後世に語り継ぐとともに、近代化産業遺産を保存、次の世代に残し、さらには、まちづくりに活用する考えです。

「宮原抗・竪坑跡」と整備された鉄道敷跡.jpg「宮原抗・竪坑跡」と整備された鉄道敷跡「三池炭鉱・宮原抗跡」では、これまでの竪坑の保存・修復、公開のみならず、「三池炭鉱専用鉄道敷跡」も遺産群に選ばれた関係で、鉄道跡もきれいに整備されていました。

会派としても、大牟田市と連携し、近代化産業遺産群の「ユネスコ世界遺産登録」に向けた活動を推進していきます。

Ⅲ 結び

今回、「民主党・県政クラブ県議団」は、「ユネスコ世界遺産登録」をめざす『明治日本の産業革命遺産』のうち、県内二つの地域にある遺産群を視察しました。

日本政府は本年5月4日、我が国が世界文化遺産に推薦している『明治日本の産業革命遺産』(福岡、長崎など8県11市の23施設)について、「ユネスコ(国連教育科学文化機関)」の諮問機関である「イコモス(国際記念物遺跡会議)」が、遺産の名称を『明治日本の産業革命遺産製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業』と変更すべきだとしたうえで、登録をユネスコに勧告した勧告した」と発表しました。

今回の「イコモス」の勧告を受け、6月28日~7月8日までドイツのボンで開かれる「世界遺産委員会」で、『明治日本の産業革命遺産 製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業』が正式決定される可能性が高まりました。 もし、正式決定されれば、国内の世界遺産は19件 となります。

『明治日本の産業革命遺産 製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業』は、1850年代から1910年、西洋技術が日本の技術と文化が融合し、造船、製鉄・鉄鋼、石炭の重工業分野で、日本が近代国家・産業国家となった道筋を時系列で伝えています。

そして、特徴的なのは、これら遺産群の中には、「三菱長崎造船所」の「ジャイアント・カンチレバークレーン」や「第三船渠(ドック)」、「八幡製鉄所」の「修繕工場」、中間市にある「遠賀川ポンプ場」、「三池港」の「閘門」など、現在稼働中の施設や、「軍艦島」(端島)のように今も風化が進む廃虚も含まれており、日本のこれまでの世界遺産と、大きく性格が異なります。
したがって、稼働中の施設のメンテナンスをどうするか、公開をどうするか、風化が進む廃虚の保全をどうするか、保全・維持・活用の責任はだれなのか、公開する場合の責任はどうなるのか、その費用はだれが捻出をするのかなど、いくつも課題があります。

「ユネスコの世界遺産登録」を喜ぶこととする反面、それら遺産群の維持活用のための責任、費用分担などについて、県としてもしっかりと論議する必要があります。

そのことを再確認した視察でした。