Ⅱ 視察報告

4.「洞爺湖有珠山ジオパーク」

http://www.toya-usu-geopark.org/
洞爺湖有珠山ジオパーク1.jpg(1) 「洞爺湖有珠山ジオパーク」館の紹介
 ここは、「洞爺湖サミット記念館」と同じビルの3階にあります。

(2) 日本のジオパークの概要
洞爺湖有珠山ジオパーク2.jpg①日本におけるジオパークの体制
 世界の中でも日本の地質は複雑で、多様性に富んでいます。地震や火山に代表されるように、地球が「生きている」ことによる様々な現象が実感できます。
洞爺湖有珠山ジオパーク3.jpg すなわち、日本自体がジオパークとしての豊かな素性を備えていると言えます。

 日本各地のジオパークを世界ジオパークネットワークのガイドラインに沿った質の高いものとするため、関係者相互の連携により調査研究及び情報収集を行うとともに、ジオパークに関する情報発信及び普及啓発を図るため、『日本ジオ パークネットワーク』が組織され、活動が行われています。

 ユネスコの支援する「世界ジオパークネットワーク(GGN) 」が世界のジオパーク活動を推進しており、GGN 公認の「日本ジオパークネットワーク (JGN)」が日本におけるジオパーク活動を推進しています。

 「日本ジオパーク委員会」は、日本から GGN への推薦と日本ジオパーク認定を行う委員会(事務局: 産業技術総合研究所)で、JGN と協力して日本におけるジオパーク活動を推進しています。

②日本のジオパーク
 日本国内には現在、世界ジオパーク登録7地域(洞爺湖有珠山、糸魚川、島原半島、山陰海岸、室戸、隠岐、阿蘇)と日本ジオパーク登録が北海道内5地域(洞爺湖有珠山、アポイ岳、白滝、三笠、とかち鹿追)を含む36地域が認定されています。(※2014年12月現在)

1)世界ジオパーク - 7地域
洞爺湖有珠山、糸魚川、山陰海岸、島原半島、室戸、隠岐、阿蘇
2)日本ジオパーク - 32地域
アポイ岳、南アルプス、恐竜渓谷ふくい勝山、白滝、伊豆大島、霧島、男鹿半島・大潟、磐悌山、茨城県北、下仁田、秩父、白山手取川、八峰白神、ゆざわ、銚子、箱根、伊豆半島、三笠、三陸、佐渡、四国西予、おおいた姫島、おおいた豊後大野、桜島・錦江湾、とかち鹿追、立山黒部、南紀熊野、天草、苗場山麓、栗駒山麓、美祢、三島村・鬼界カルデラ
3)ジオパークを目指す地域 - 16地域
古関東深海盆、下北、いづも、蔵王、高山市、筑波山地域、北九州、浅間山、土佐清水、秋川流域、月山、鳥海山・飛島、萩、十勝岳山麓、三宅島、東三河

③「洞爺湖有珠山ジオパーク」の説明
 「洞爺湖有珠山ジオパーク」のエリアは、長い時間の中で徐々にその姿を変え続ける「変動する大地」です。

 「洞爺湖有珠山ジオパーク」には、教育、ツーリズム、科学、自然、歴史、文化など、多種多様な価値を持つジオサイトがあり、特に「変動する大地」として、他では見ることのできない貴重な見どころが多いため、「世界ジオパーク」として認定されています。

 変動する大地「洞爺湖有珠山ジオパーク」は、長い年月をかけて今の景観を生み出し、そして今後もまた変わり続けていく地域です。ここでは、ジオサイトをタイムスケールによっ9つの「テーマ」に分けています。

 「ジオサイト」を見て感じることができる場所が「ジオポイント」です。ジオポイントには、そこから見ることができるジオサイトの解説看板が置かれたり、しばしば現地のガイドが案内をする場所になります。 

 ジオポイントの中には、環境保護や安全の観点から一般の立ち入りを規制している場所も一部にありますが、そこでは特別な許可を得て専門家やガイドが同行するツアーが開催されることもあり、参加者はより間近で貴重なサイトを感じることができます。

 これらのジオポイントをつなぐ「トレイル(散策コース)」も数多く整備されています。散策したりサイクリングしたりしながら、洞爺湖有珠山ジオパークを体感することができるようになっています。

④「洞爺湖有珠山ジオパーク」館
 洞爺湖を訪れた人たちの興味を深め、ジオパークの情報を提供している展示学習施設が「洞爺湖有珠山ジオパーク」館です。
 また、この施設の中にはジオポイントの場所や移動手段、ガイドツアーの情報収集などを行うことができる施設「インフォメーションセンター」もあります。
 (「洞爺湖有珠山ジオパーク」館 http://www.toya-usu-geopark.org/?page_id=465

(3)まとめ
 いま、日本国内にこれほど多くのジオパークがあり、しかも、今後ジオパークを目指す地域が16地域もあるというのは驚きでした。
 くしくも、9月3日に「男鹿半島ジオパーク」を視察してきましたが、地質、海岸線、山々の隆起など、地震や火山活動など、まさに地球が「生きている」ことを示す様々な自然を実感できるのがジオパークだと、改めて認識しました。
 本県では、北九州市がジオパーク登録を目指しており、北九州の活動を支援することも必要だと感じました。

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